2020/02/02 のログ
ご案内:「平民地区/古本屋」に獣魔目録さんが現れました。
ご案内:「平民地区/古本屋」にマーナさんが現れました。
ご案内:「平民地区/古本屋」からマーナさんが去りました。
獣魔目録 > 今宵もまた平民地区の片隅で営まれている古本屋の明かりがついている、正確には昨晩からずっと明かりが絶えていない、昼も夜も朝もずっとずーっとである。

磨かれた厚いガラスで作られた入り口の戸も同様に薄っすらと開いていて、その様子も矢張り昨晩と大差は無かった。

最初は店主が心配な周辺に住む住民が声をかけ、次に冒険者が何かあったのかと武器を片手に乗り込み、最後は衛兵までも訪ねてきたが、店内を探しても店主の姿もなく、あの夜にあった獣臭も粘り気のある音も何一つ嗅げも聞えもしなかった。

あまりに不気味な非日常の空気にここぞとばかりに盗みに入る者は皆無だった。

しかし、今夜もまた古本屋に広がり始める獣臭いあの独特の香り、ぐちゃ、ぐちゃ、ぐちゃ、と響く濡れた何かが蠢く音、そして居住区と店内を隔てるドアが揺れ動くキィキィと軋んだ音が再び生まれる。

まるで、そうまるで古本屋が目覚めたかのように……。

それは間違いではない。
獣魔目録、その魔導書が再び眼を覚ました。
無数に並ぶ古い本の中に圧倒的な魔力を垂れ流しながら交じり其処に有った。

本と本に挟まれて開くことは無い。
だが獣魔目録は既に魔獣を垂れ流した後、魔力を辿れるならばその魔力は居住区の方に続いている。

偶然に本を売るため、買うために入り込んでも構わない。
事件性を感じて乗り込んできても良い。
それとも獣魔目録の存在を感じ取って訪ねるのも良いだろう。

古本屋の出入り口の扉は誘うように僅かに開き。
店内は今もお店が運営をしているように窓からドアから外へと温かな明かりが零れ散る。

だが、一歩店内に踏み込んでしまえば……其処はもう日常ではないのだ。

獣魔目録 > 日が昇れば古本屋は店主の居ない無人の店へと戻るだろう。
そうである時と、そうでない時の差は獣魔目録の気まぐれにより、であるが為調査も難しいところだろう。

解決するには本を手にして持ち出すか、異変に捕らわれる事で本を古本屋より引き離すか、或いは……。

それはまた別の物語となろうか、今宵は静かに夜が更けていく……。

ご案内:「平民地区/古本屋」から獣魔目録さんが去りました。