2019/07/24 のログ
ご案内:「マグメール海水浴場」にエシル・アルトワーズさんが現れました。
エシル・アルトワーズ > 【⠀待ち合わせ中です。開始予定:21時ごろ】
ご案内:「マグメール海水浴場」にクロイツさんが現れました。
エシル・アルトワーズ > 魔王の妃となって、いくつかの年が過ぎた。
呪い(けいやく)によって肉体の成長、老化が止まったわたしは時の中で老いることもなく。
ある時は勇者の真似事として人の力になり、ある時は魔王の剣として雷を振るった。
ある時は母として息子を育て鍛え、またある時は女として魔王の腕の中で唄い。

そして今、わたしは海にいる。
正確には海水浴場の更衣室の中。

「いや、これを着て、て.......」

渡された紙袋、中身は色とりどりの華衣装。
しかしそのどれもが中々にキワドイ。
調教用と間違えたのではないのか?
思い返してみれば、あの時の表情も怪しかったような気もする、つまりはそういう事か。

「と、とりあえず早く着替えないと他の人の邪魔になるよね…」

意を決し、手にしたそれは――

クロイツ > エシルを妃として迎えていくつかの年が過ぎて。
永遠に共にいるという誓いの下の呪い(けいやく)を行いずっと傍にいるようになる。
それからは大人しく良い父としてエシルや息子と接し、ある時は気まぐれに勇者と共に人を助け。
そしてある時は家族を守るというエゴの下に魔王として暴虐の限りを振るう事もあったが……常に彼女の下に戻り一番の宝と愛して。

そうして今は何時もの気まぐれとばかりに海にと誘い。
彼女が皇室から出てくるのを今か今かと待つ。

「エシル、大丈夫?」

きっと今頃はメイドたちと決めた水着を見て困っている筈。
いくつか種類を用意しているがその殆どはキワドイ物ばかり。
そのいくつかは屋敷で着てしまえば、即二人を作ろうとするようなものまであり…。

どれを選んでくれるのかと楽しみだと笑みを浮かべて更衣室の入り口を見る。

クロイツ > [1d6→1=1]
エシル・アルトワーズ > 手に持ったものは「マイクロビキニ」と呼ばれる…らしい布切れ。
これを着てどこが隠れるのかと言いたくなるような、裸より恥ずかしい物だけども他よりはマシ…だと思いたい。
腹を括った以上モタモタするのはポリシーに反する。
手早く服を脱ぎ畳んで袋にしまうと、ふと自分の胸元に目がいった。
まるで少年のような、平たい胸板。
ほんとに何の罰ゲームだろうか、実は知らないところで怒りでも買っていたのだろうか。

見たこともない”それ”と格闘すること数分。
時に前後間違えて出かけたが、何とか着ることができた。

鏡を見てみれば、辛うじて胸と股の突起を隠す布をこれまた心許ない細さの紐が繋ぎ、うなじと腰とでリボンのように纏められている。

俄然として湧き上がる羞恥が顔を、肌を紅く茹でるのを感じつつ、隠すものもなければと腹を括りカーテンを開ける。

「お待たせ、随分といい趣味してるじゃない」

真っ赤な顔、澄み渡るような青と白を身につけて、引き攣る笑顔で精一杯の皮肉を投げつける。

クロイツ > 今日の予定は内緒でメイドたちと企画をしたもの。
その準備も最初こそは関わっていたのだが最後の方は日時の調整に追われ、その他の用意はお願いすることに。
そのお陰でいくつも用意した水着はどれを渡していたかは実は関与していなかったりして。
しかしおかしな物を選んだという考えは全くなく、どれも隠れては似合う似合うと大真面目に用意したもの。

「着れないなら手伝うよ?」

早く見たいという一心でつい急かすように声をかけて待ち。
更に数分ほど待てばようやくカーテンが開く。

「やっと出てきたね。待ってたよ」

ようやく開いたカーテン、水着に着替えた姿を満面の笑みで上から下と何度も見ては頷く。
人によっては色々と言うかもしれないが辛うじて胸と股を隠す布とそれを繋ぐ細い紐。
そんな頼りない水着に包まれた少女は可愛く奇麗、どうして顔が真っ赤なのかとそれだけが疑問という顔になり。

「そう?そう言ってくれるとシィ達と選らんが甲斐があったよ」

青と白のマイクロビキニに身を包んだエシルに近寄ると当然という様に腰を抱いて海へと導いて。

エシル・アルトワーズ > なんという事だろうかこの男、全くもって悪意の欠けらも無いのだ。
100%『よく似合っている』と喜んでいるのだ。

世辞か冗談かのような賞賛を受け呆気にとられているうちにクロイツは隣に並び立ち、腰に手を添えて海へとエスコートする。

ああしかし、視線がイタい。
そりゃそうだ、娼婦や踊り子が着たならばまだ色気もあっただろうに。
よりにもよってコイツもこんな貧相な身体に着られてしまったのだ。

突き刺さる視線から気を紛らわすように視線を隣へ移す。
実はまだクロイツの水着姿を見ていないのだ。
”何故か”目を細めながら隣の魔王を見遣る。その出で立ちは――

クロイツ > 基本的にこの男、少女が着る服はなんでもよく似合う。
自分なりに考え選んだ服は本当によく似合うと絶賛して褒めるのだ。
着てくれなければその日は落ち込みはするが直ぐにまた似合う服を探すというポジティブさもあり。

今は択んだ水着を着てくれているという事から、他にも自分の妻の姿を見せたいという様にエスコート。

周囲の視線を受ければ自分が選んだ水着を着るエシルが注目されている事に悪い気分はせず。
その身体も纏う水着も美しく奇麗だと思っているからだからこそ堂々としていて。
…もし今のエシルを貶す者がいればその態度は凶変するのだが今はその様子もなく。

「どうかした?僕の水着も見たい?」

そんなご機嫌の中で視線を感じると笑顔で視線を向けて腰を抱く腕に力を少し込めて抱き寄せ。
そういえば自分は見せていなかったと腰を抱く手を放してハーフパンツを脱ぎ、身体ラインがそのまま浮き出たような黒い水着姿となって。

エシル・アルトワーズ > ぎゅ、と強く引き寄せられればそこにはドヤ顔のような満面の笑み。
半ば当て付けのような視線も半分しか伝わっていないようだ。

おもむろに身を離せばするりとズボンを脱ぐ。
相変わらずよく鍛えられている腹筋胸筋に、魔王らしからぬアロハシャツが意外と細身にもよく似合う。
そして下はぴっちりと肌にまとわりつくような真っ黒なスパッツ。
元々そこそこの大きさのモノもしっかりと浮き上がるラインがまたセクシーでもある。
…実はナルシストな一面もあるのではないのだろうか。
陽気な笑顔を見ていると1人恥ずかしがっているのが何だか馬鹿らしくなってくる。
どうせこれ以上気にしたところで悪戯に雰囲気が悪くなるだけだし、
何よりああも嬉しそうにされてはなんだかこっちまで満更でもなくなってしまった。

「ハイハイ、わたしの負けよ。ちょっと恥ずかしいけどそこまで喜ばれちゃね。」

観念してため息ひとつ。次の瞬間には照れくさそうな笑みが浮かぶ。

「クロイツもよく似合ってる。かっこいいよ」

頭から足まで。視線を上下させたあと頷く。
この男、実は何着ても似合うのだ。

クロイツ > 例えどんな視線でも愛する人からの視線は嬉しく笑みを向け。

魔術を得意としてはいるが男として必要と思える肉体は鍛えていてアロハシャツを着れば魔王と言っても信じられない姿。
普段は燕尾服のようなスーツで体型は見せないが今日だけはそれが浮きだす水着。
ぴったりとした水着はその下のものも浮き上がらせ更に視線を集めているが気にもせず。
エシルと出かけるのが一番の楽しみの自分、恥ずかしがっている姿も可愛く笑みを見せて。

「今日は何もしてないけど……僕の勝ちでいいよ。エシルならもっと大胆な水着でも良いかと思ったんだけどね」

照れくさそうな笑みを浮かべるエシルを抱き寄せ、そんな事を囁いて頬に軽くキスを落とし。

「ありがとう、そう言ってくれてうれしいよ」

上から下まで見られての言葉に今日一番という笑みを浮かべて。
このまま海辺を歩くもいい、何かして遊ぶのもいい、泳いでもいいし…どうしようかと問う様に見つめ返して。

エシル・アルトワーズ > 「勘弁してよ、これ以上大胆とかただの紐よ?」

頬に唇を受けながら呆れ気味に返事する。
嬉しそうな顔のまま視線が繋がるのを感じた。

さて、これからどうしようか。多分そんな感じの。

「そうね、何しようかな」
顎に指を遣り考えようとしたところ――

『おーいそこの2人、ヒマしてるの?』
『ヒマならビーチバレーやろうぜ、ちょうど2人足りなかったんだ』

陽気な呼び声とともに現れたのは浅黒く焼けた、これまたガタイのいい青年と、同年代くらいか、可愛らしいビキニに身を包んだ女性。
ナンパではないようだ。

「だってさ、どうするクロイツ。遊んでかない?」

チラチラと視線を背中に受けながら、見上げつつたずねてみる。

クロイツ > これ以上はただの紐、その言葉にエシルが纏う姿を想像し。
屋敷でならそれもいいかもと一人納得するように頷き。

「そうだね、今ぐらいがいいね」

皆に奇麗で可愛い姿を見せたいがそれ以上は独占したいという欲もあり。
色々と一緒にやりたいことが多すぎて決めれない優柔不断な姿。
どうしようかと一緒に考えようとした所にかけられた声に視線を向けるとそこには男女の二人の姿。

最初はエシルを狙うナンパかとも考えたのだが体格のいい青年とかわいらしい女性の組み合わせにそれはないと直ぐに気持ちを切り替え。

「そうだね、それじゃお邪魔しようか。うん、いくよ」

二人で遊ぶのもいいが大勢ならもっと楽しそう。
それに折角の誘いでエシルと共にこういう事をするのは初めてかもの思えば見上げるエシルに頷き。
青年に参加を伝えて誘われるままについていく。

エシル・アルトワーズ > ついて行けばそこには即席のコートがあり、それを囲うような人集り。
真夏の炎天下を熱狂する観衆はまるでバテるという言葉を知らないかのよう。

簡単なルール説明を受けてお互い頷けばいざコートへ。

片やサーファーパンツとビキニの青年カップル(?)、片やほぼ紐ビキニとアロハスパッツという取り合わせは色々な意味で視線を集める。
興味好奇下心etc...
頭を振って試合に集中する。

サーブ権はこちらから。
いざ、ボールを放り――
[1d10→1=1]
エシル・アルトワーズ > [1d10→1=1]
クロイツ > 「へぇ、結構本格的にやってる?」

二人についていけば即席なコートにそれを囲う人だかり。
どんなに暑くてもこんなイベントには人は集まり、熱狂する人たちにバテるという言葉は似合わない熱気。

ルールを聞くと簡単なようで奥が深く感じ、お互いに魔王と勇者。
無茶をしない様に気を付けて楽しもうとコートへ足を踏み入れる。

片方は健全なカップルに見える二人、そう片方はアロハシャツとスパッツ、そして紐ビキニという組み合わせは視線を集め、
戸惑いや好奇心、そして下心などを感じる視線を集める。

「エシル、頑張って勝とうか」

サーブ権を貰うとボールを任せるというようにパス。
そして放たれたボールは……

「―ア、痛!!」

まさかの後頭部に直撃、ダメージはないが完全な不意な一撃に視線がぶれてふらつき。
手が宙を掻くように動く手がエシルの紐ビキニに引っ掛かり、それを手に反射的に握ったままに砂浜に倒れてしまう。

エシル・アルトワーズ > しまった。駆け寄ってしまったのが運の尽きだった。

つい力んでしまったか、弾かれたボールは予想を大きく外れてクロイツの後頭部へ吸い込まれるように直撃してしまった。
想定外の衝撃にふらつき、倒れる――そう思った時には身体は駆け出して手を差し伸ばす。
しかし、魔王の手は触れ合うことなく――その指がわたしの水着、その紐に引っかかる。

やばい、と思った時には既に手遅れだった。

そのまま布切れを握りこんで倒れる魔王、その勢いで裸のまま投げ出されたわたし。
ああ、視線が刺さるし身体が熱い。羞恥と、尻にまとわりつく熱砂と両方で。

キャー、と黄色い声と共に目を覆うふりの女性と、うぉぉぉ、と雄叫びをあげる男性の声が炎天を染め上げる。

流石に羞恥の限界だった。

「い…いやァァァァァアアアっ!!!」
次の瞬間にはまるで転移魔法でも使ったかのような速さで逃げ出した。水着を回収することも忘れたまま。

なんだなんだ、と振り返る人も一瞬で引き離して岩場に逃げ込む。
立ち入り禁止と書いてあった気がしたがとりあえず今は人目につきたくないのだ。
荒く上下する胸板を反らし、日陰で冷たい岩に背を預けるとそのままずるずるとへたり込んでしまった。

なんだろうか、そんな気がしなくもなかったからか。
涙が出るわけでもなければただ呆然と。

クロイツ > いくら魔力があろうと体を鍛えていても不意打ちにはめっぽう弱く。
特に信頼し愛している人に警戒などするはずもなく。
完全な不意打ちで後頭部にボールを受けるとその衝撃に簡単にバランスを崩してしまい、倒れる視線に駆け寄ってくるエシルと伸ばされる手が見えれば反射的にそちらに手を掻く。
それがまさに失敗、手は伸ばされた手を掴む事無く水着を掴んでしまう。

そのまま砂浜に突っ込んでしまうと黄色い、そして雄々しい雄叫びが上がる事に視線を上げ…。
そこには裸で座り込むエシルの姿。

一番綺麗と自分が思う姿に一瞬見惚れてしまった間に悲鳴を上げて走り逃げる姿を視線で追い。

「エシル、待って!」

急ぎ起き上がれば観客を押しのけるようにコートから抜けだし後を追いかける。
既に後ろ姿も見えないがイヤリングの共鳴でどこにいるかは分かり追いかけ。
途中に立ち入り禁止の看板を見つけはしたがそんなものは無視して更に進んでいく。

「良かった……いたね」

更に探すように進めば日陰の岩に背を預けて座る姿を見つけて安堵の息を吐き。
その隣に黙って座ると肩に腕を回して抱き寄せ、もう片手で慰め落ち着けようと梳くように髪を撫でていく。

エシル・アルトワーズ > 「あ…クロイツ…」

声が聞こえて顔をあげれば。
走ってきたのか汗で前髪を張り付かせて荒く息を吐く想い人。
こちらと目が合えば安心したように息をつき、こちらへと歩み寄る。
1歩、2歩…そして隣へ、腰を下ろせば肩を抱き寄せられる。
冷たい背中と暖かい腕と熱い体が置き忘れた涙を今更になって溢れさす。

「うぅ…ひくっ、クロイツぅ…ぐじゅっ…」

自分でも情けないような声、涙で滲んだような声だ。
誰が悪い訳でもない、彼を責めるのもまた筋違い。
こういう時の涙は一体なんなのだろうか。

頭を撫でる温かさが一撫でする度に心を落ち着かせ慰める。
その証拠に鼻水混じりの声も何とか人に聞かせられる程度にまでは落ち着いたようだ。

「ありがと。それと…さっきはごめんね、痛かったでしょ…」

少し潤んだ声で、横目に口を開く。