2019/03/01 のログ
リシェ > (やがて、扉の開く音がして。入ってくるのは、誰、だろうか。
もっとも、例え、どんな人物だったとしても。
或いは、人ですら、なかったのだとしても。)

「…ようこそ、おいで、くださいました。今夜は、わたしが、お仕えさせて…いただきますので……」

(少女は、役目を、飼われる理由を、果たすだけ。
此処暫く、酷く荒れて、乱されて、壊されかけすらもして。
それでも、変わらない、変えられない、生き方に。戻るだけ。
客を迎え入れれば、部屋の扉は閉ざされて。明日の朝まで、きっと、開く事はなく…)

ご案内:「王都マグメール 王城 寝室」からリシェさんが去りました。
ご案内:「町外れの薬屋」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 町外れの野原に不定期で設営されるテント…

それは近頃冒険者や酒場で話題になる、この国に来たばかりの少年魔術師の薬屋。

冒険の支えに、夜のお供にと、眉唾な並の薬とはかけ離れた効き目に、
今日も噂を聞きつけた客がちらほらと現れては、
様々な用途の薬を求め、望み、手にすれば満足して帰っていく。

「ありがとうございましたーっ。
…ふうっ…ちょっと休憩…」

3人組のパーティに、渡し終えて一息ついたのは、
まだまだあどけない少女のような容姿の少年薬師。
うーん、と背伸びしながらサイズの合わない大きな椅子にもたれかかりつつ、

ハーブティーを飲もうと、薬草を湯煎するための器にそのまま真水を注ぎ、
それで飲んでしまおうという子供らしい横着さで、じっと次のお客が来るまで片手で本を読み耽る。

「良い香り」と言って差し支えない、薬草やスパイスの香りが、
テントの内外にふんわりと漂って。