2018/09/18 のログ
ご案内:「とある森」に紅月さんが現れました。
紅月 > ーーーかつ、かつ、しゃら…

全く、奴等の"お茶目"には困ったものだ。
つい先程まで、私は昨今の愚痴を可愛い可愛い我が友である翼竜にダラダラと呟きつつ…世に出回っても問題ない程度の威力のお守りを自宅で量産していた。

最近己の遊び場や仕事場には天使を模した鋼の絡繰騎士が跋扈しており、それ故に都へ引き籠る事を余儀無くされていて。
いっそ奴等と戯れてみようか悩みつつも、其れをやると知人達に"お説教"または"オシオキ"されてしまいそうだと…まぁ、一番は要らぬ心配をかけぬ為なのだが。
とにかく、植物達と触れ合えない現状は精霊混じりの己には非常に大きなストレスとなっていて。
その発散の為の芸術活動と愚痴だったのだが。
…それを聞いていた妖精の一人が何やら閃いてしまったらしく。

あれよあれよと妖精の小道に落とされ、気付けば森のド真ん中。
ここが人間領なのか魔族領なのか、それすらわからぬ有り様である。

「……、…いつも思うんだけどさ、気を効かせるならもうちょっと優しく地面に降ろしてくれないかな…」

空間と空間を繋ぐ輪からペッと吐き出されるが如くに唐突に其処に現れた紅は…強かに尻餅をついた地面と尻と、思わず両方撫でつつに独り言つ。

紅月 > しゃがんでいた其処から立ち上がれば、土や砂をパッパと払う。
辺りを見回せば…緑、緑、緑。
…確かに"森に帰りたい"とはボヤいたが。
さすがにこんなに唐突に運ばれると、景色の落差に目がシパシパする。

「……まぁ、せっかくのご厚意だし。
ゆっくり気を休めるとしますか~…」

んんっ、と、思いっきり伸びをする表情は笑顔。
何だかんだ嬉しいのだ…妖精達の気遣いだとか、久々の濃厚な生命の氣の溢れる場所に来れた事だとか。

上空から聞こえるクスクスという笑い声に視線を向けて「お散歩行ってきます」と声をかける。
…さぁ、未開の地の探索の始まりだ。

紅月 > 未開とは言ってみたものの、それは"己にとって"であって…ひょっとしたら知っている場所かもしれない。
案外王都の近くとか、九頭龍の山とか…魔族領内の、よく妖精達にイタズラで飛ばされてる深い森の何処かとか。
いや、仮に知っている場所だったとしても…故郷の山でもあるまいし、恐らく判断出来ぬだろうが。

「とりあえず、水…かしら。
何処かに栗の木ないかな、栗」

大地や木々に尋ねれば、きっと容易く答えが聞ける。
…けれど、それじゃあツマラナイ。
人間の国に溶け込むという事は、ある意味"不便さも愛する"と言うことで。
祖国には『郷に入っては郷に従え』という言葉もあるし、己としては結構"人間ゴッコ"は楽しくて好きなのだ。

ひとまず優先すべきは水と食料…サバイバルの基本である。
かつかつと軽快な足音を響かせながらポヤポヤと何処とも知れぬ森を散策する姿は、もし事情を知る第三者がその場に居たなら呆れ顔をされること受け合いである。

紅月 > 暫し後…水場も栗もいまだ発見には至っていないが。
紅月の片腕には竹ザルと、その上にアケビや山葡萄やザクロ…美味しいジャムが作れそうな果実が並んでいた。
水分も栄養もとれるし、ある意味大当たりではあるのだが。

「自然薯があれば理想なんだけどなぁ…いや、アレはまだ少し旬には早いか。
…ん、鬼百合引っこ抜いてユリ根喰うかね」

ポイポイと山葡萄を口に放り込みながらキョロキョロと…なんとも暢気な散歩は続く。

ご案内:「とある森」にグライドさんが現れました。
グライド > (――まぁ、己も傭兵では在るからして
例えば野宿と言う物にも慣れては居るし、一度や二度では無い
一月位ならば野山に籠った事も在るし、山で起こる大抵の事は経験した心算では在ったが。)

――――………流石に人は落ちて来ねぇよ。

(偶然其れを見て仕舞ったが故に、だ。
其れが己の見間違いで無いかを確かめるべく、こんな夜半に動いた訳だが
――茂みをかき分けた先、何となく覚えの在る姿を見かけた気がして、僅かに眉を顰めた)。

散歩には、ちょいと遠出が過ぎねぇか? コウ。

紅月 > 「……んむ?
…はれ、いおふぁん……んくっ」

不意に声をかけられ、振り向く。
ぱちくりと男に向けられる目、むぐむぐと動く頬、口のすぐ側にある指先にも山葡萄が一粒。
…唇は果汁ですっかり潤っている。

こくん、と喉を鳴らして飲み下せば…果実の甘い香りを纏いながら、男のもとへと近付くだろう。
さすがにザルの上の果実が落ちそうだから駆け寄りはしないが、早歩きで嬉々と笑顔を咲かせながら。

「なんだ、イドさんが居るなら人界か」

グライド > ―――……やれやれ、見間違いじゃなかった訳だ。

(此方を振り向いた相手が発した声に、予感が確信に代わって、小さく溜息
茂みから出てゆっくりと近付いて行けば、暢気に山葡萄を齧って居る姿を見て、僅かに首傾げ。)

―――……何処か判って無いで歩いてんのか?
ったく、暢気なもんだ…まぁ、御前なら大抵の事は大丈夫だろうがよ。

(俺が居るならってなんだよ、と、思わずツッコミを入れつつ
被ったままの兜に手を掛け、ゆっくりと外しては、顔を出そう)。

紅月 > 「ん、もう、ぜぇーんぜん。
いやぁ~ちょっとばかし、だいぶ?
"最近遺跡から涌いてるヤツラのせいで迂闊に森でのんびり出来ない"ってボヤいてたらさ、気付いたら此処に居た感じ?
…うん、"また"なんだわ」

遠回しに迷子かと問われれば、ざっくりと要点を絞って説明してみるものの…普通なら首を傾げる状況。
ただ、偶然なのか何なのか…人ならざる者達の悪戯を喰らった時、もしくは妙なトラブルに巻き込まれた時、何故かこの男とよく会う。
だからというのもあり…何となく察してくれるだろうと、思いつつに。

「妖精さん達、悪意ゼロだからなぁ…
とにかく、家からいきなり森のド真ん中でさ…何処なのかなんて見当もつかんよ、あははっ!」

竹ザル小脇にケラケラと笑う様は、相変わらず危機感もへったくれもないユルさで。
男が兜を外せば、いつものように笑みを深める。
…やはり、鉄仮面より素顔の方が好ましいのだ。

グライド > ―――……前に見た”アレ”か。
相変わらず難儀なのに好かれてやがるなぁ、御前は。
遺跡のゴーレムは確かに難儀だが、其れで此処に飛ばされてちゃ世話ないぜ?

(結局其れは迷子なんじゃなかろうかと思うけれど。
取り敢えず此処に居た事情と言う物は、察し良く理解した。
まぁ、其れまでに散々この目で見て来たから、と言うのが大きいが。)

―――……やれやれ、此処はハイブラゼールの傍だぜ?
俺が良く野宿慣れに使ってる森だ、ま、普通だったら安全とは言えねぇがな。

(傭兵連中の間では、割と有名な場所でも在る。
一般人が出歩くには危険な程度に獣は居るが、知識が在れば問題無い
己が仮面を外したことで、笑う相手に己もまた口端を吊り上げて見せれば
ふと、己が出て来た茂みを示して。)

向こうにキャンプは張ってある。 少し歩く事には為るが、迎えが無いなら一旦来るか?

紅月 > 「そうなのよ、ね…???
……は、ハイブラ…港湾都市の?
あーそっか、確かにその辺りなら…喜びヶ原よりゴーレム少ないらしいもんなぁ」

言われてみれば、と、納得したような…けれど何とも言えぬ表情で脱力して。
ハイブラゼール周辺なら、おそらく九頭龍山脈辺りの方なんだろう。
何なら秘湯的な温泉も楽しめるかもしれない。

「あ、じゃあお邪魔しよっかな?
…駄賃代わりになるかわかんないけど、デザートには困らないわよ」

クスクスと冗談混じりに笑って、ついでに竹ザルの中身…アケビに山葡萄にザクロと甘味だらけであるが、それを見せようか。
彼が案内してくれるなら、やはりキョロキョロと楽しげに辺りを見回しながらついていこう。

グライド > ……あー、御前、来た事無いのか?
大体その辺だ、まぁ九頭竜とは厳密にゃ違うが…。
ゴーレム連中は居ない筈だ、てか、俺ぁ其れを調べに来たんだがな。

(元々、此処は他の傭兵達にも使われている場所だ
もしそんな場所にゴーレムが湧いて居るならば、其れは早く広めて置かねば為らない
まぁ、幸いながら、取り敢えず今の所は発生を確認はしていないのだが。)

んじゃ着いてきな、ちょっとした水場も在るぜ、流石に湯はねぇが。
……デザート? はっ、確かにそうだな、困りゃしなさそうだ。

(女へと声を掛け、元来た道を戻って行こうとする中で
ふと、見せられたザルの中身に視線を向けては、其れと、女の顔を幾度か見比べて
――多少、意味深に笑い飛ばした後で、又歩き出すだろう。
とはいえ、告げた通りに近い場所では無い。
獣道の様な場所を、暫し歩く事に為るだろう、一寸した散策は続く)。

紅月 > 「あはは、実はまだ港に行ったこと無いんだよね…森には行くけど賊狩り目当てだし、散歩ならもっと山奥に入ってくからなぁ」

ぽりぽり、と軽く頬を掻いて苦笑を…思えばカジノにも滅多に行かないし、ダイラス周辺は行こう行こうと思ってスッカリわすれていた。
と、いうか…王都以外の人里に行ってないなぁ、なんて今更に気付きつつ。

「お、やった!
汗流したかったんだよねー、水浴び出来れば充分充分!」

己の顔と、果物と…視線の動きに続いた男の笑みに軽く首を傾げつつ。
彼の思惑に気付かぬまま、のほほんと彼との散歩を楽しんで。
…キャンプで起こったアレコレは、また別の機会に。

ご案内:「とある森」からグライドさんが去りました。
ご案内:「とある森」から紅月さんが去りました。