2018/09/16 のログ
ご案内:「ジード」にジードさんが現れました。
■ジード > 貧民地区の住人たちの塒が多くある区画の一つ。
その裏通りに店を構えている露店があった。
並べられているのは傷薬類のポーションや気付け薬、病薬の類で
普段男が取り扱っている如何わしい類のものは表に出されていない。
「はい、気を付けて帰んなよ。
…えーと、傷薬の減りが早いか。帰ったら少し作ったほうがいいな」
お世辞にも身なりが良いとは言えない子供に傷薬を手渡して
その後ろ姿を見やりながらぽつと呟く。
それなりに繁盛はしているものの、儲けの少ないものばかり取り扱っているので収益は左程でもない。
■ジード > 「例の化け物騒動のせいかな。どちらかというと傷薬の類の方がお金にはならんけど」
その分作るのに手間にもならないのは楽でいい。
頬杖を突きながら露店の内側から街並みを眺めると、
相変わらず人通りがないように見えてひょっこりと人が現れるのが散見される。
何とも不思議な光景だと妙に感心した様子を見せ。
「ま、そうでなきゃこんな入り組んだ場所には住めないか」
周りを見回せば自分の周りにも無数の路地が組み合ってるのがよく解る。
初見でくれば今でも迷いかねない。
ご案内:「ジード」にアリゼさんが現れました。
■アリゼ > 露店の前を時折行き交う人々の中に、いつもの甲冑姿のアリゼが現れる。
重さを感じさせない足取りでジードの露店にまっすぐ向かってくると、
彼女は何かがぎっしり詰まった布袋を腰から取り出し、周囲の人間に見えないよう
こっそりとジードの前で紐に縛られたそれを解き、中にあるものを見せる。
「ジード、儲かってるか?
この前の依頼、報酬の清算がようやく終わったぞ。
書類によれば……なんと5000ゴルドだ!」
中に詰められた貨幣はギルドによって検品された本物ばかりで、
紛い物や混ぜ物はまずないと言っていいだろう。つまり、価値もほとんどそのままということだ。
すっかり腐敗が進行したこの国において、これはとても重要である。
歪んでいたり変に軽かったりする貨幣はその価値を疑われ、大抵いくらか値引かれるのだから。
■ジード > 「おお?」
のんびりと周りを見回していた所にやってきた人影に声をかけられると、
それが見知った相手と気がついて驚いた表情を浮かべて目を瞬かせる。
値を告げられれば軽く手をうち。
「そりゃあ良かった。…もうちょっとふっかけても良さそうなもんだけど」
経費とかを考えればと笑って言いながら頷きながらも、
相手の上機嫌そうな様子にこちらも笑って返し。
「それでなにか使う当てはあるかい?ああ、
それだけあれば解呪の薬の材料費は幾らか揃いそうだけど」
■アリゼ > 「……それなんだが、正直使い道が分からなくてな。
知っているとは思うが私の武器や防具は手入れする必要もない。
武器に至っては研いだり打ち直したりということがいらないんだ」
ここにやってくるまでは金が余れば魔族や呪いに関する本や情報に費やしていたんだが、と
アリゼは困ったように胸の前で腕を組み。
「正直、この国に来てからそういう気持ちになれないんだ……
なんというか、呪いも自分の一部ではないかと思えてきてな。
解呪はもう少し考えてみたいんだ」
そうしてアリゼは露店の中に踏み込み、ジードに顔を近づける。
ジードの瞳に写ったアリゼ自身が見えるほど近い距離で、アリゼは囁いた。
「試したい薬、あるんだろう♥
それからでも遅くはないんじゃないか?」
雄を誘う雌の甘い声色に切り替えて、いつの間にか鎧も威圧的な重装から
胸や腰といった最低限の部位だけを隠す露出の多い軽装へと変わっている。
ゴルドの詰まった袋はジードに握らせ、後はそちらのご自由に……といった雰囲気を漂わせて。
■ジード > 「使い道がわからないとはまた、ビックリな物言いだな。
――いや、確かに君の境遇を考えたらそういうモノかもね。
呪いをなんとかしたいというのがないとしたら、そうだね。
何かしたいこと何か思いつかないのかい?」
少し考えながら少し考えて言い返しながらも、
相手の言葉に少しだけ考える仕草をする。
それならば呪いのことをと思っていたのだが、
言われた言葉に思わず目を瞬かせながら近寄ってきた女の腰を引き。
「ふうん?なるほど、それじゃあ折角だしアリゼのためにとびきりの薬を用意しようか。
それじゃあ、部屋に行こうか。近くに俺のアジトがあってね。そこでなら色々と用意できるよ」
耳元でささやきながら荷物を手にとって耳たぶをはみ。
ご案内:「ジード」からアリゼさんが去りました。
ご案内:「ジード」からジードさんが去りました。