2018/08/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/空き地」にカインさんが現れました。
カイン > 繁華街の喧騒を遠くに聞く空き地、そこに残る石垣の残骸らしき物に男が腰掛けていた。
周囲をゆらゆらと鬼火のようなものが照らしている様はまるで幽霊か何かの様。
どこからどう見ても怪しい見てくれである。
最も、少しでも魔法に触れたことのある人間ならばそれが対して珍しくもない魔法の類と知れるだろう。

「さて、っと。仕事が一段落ついたと言えば聞こえは良いが、
 依頼主も何もこんな所を送り先に指定しなくてもいいだろうにな。
 場所も半端だし、どうするかねえ…」

なぜこんな所にいるかと言えば、護衛の依頼を終えた後だった。
つい先程依頼人とここで別れたばかりの小休止。
といえば聞こえは良いものの、繁華街に行くにも宿に行くにも半端な距離に面倒になり時間を潰しているのだった。

カイン > 「酒の一つでもあれば暇潰すのに不足はしないんだけどな。
 貧民地区といっても、こんな所じゃ犬猫位しかいやしない」

ゆらゆらと揺れる明かりに惹かれたように時折現れ、
入れ代わり立ち代わり去っていく空き地に住み着いているらしい猫を横目に肩をすくめる。
どこかに所属しているわけでもない以上、野良具合ではその猫と大差のない身の上ではあるのだが。

「ま、空き地じゃ追い剥ぐ相手も居ないからな。仕方ない」

どこに居ても油断ならないのがこの地区の特徴とは言え、
何もない場所となれば話も変わる。どこか他とは違う、
ゆっくりと時間の流れに息を吐いて頬杖を付きながら身を委ねることにする。
誰も通らない道を特にあてもなくぼんやりと眺め。

カイン > 「今度護衛の依頼を受けるときはなんか用意しとくか。
 ……小瓶程度の大きさで酒やらなにやらを見た目以上に入れられる道具とかあればいいんだが」

マジックアイテムとしては本当にありそうなものを口に出しながら、
真剣な様子で少し考える仕草を見せる。
もしも本当に存在していたとしてもどれだけの値がつくか解ったものではない。
別に金に困っているわけでもないが、そのためにわざわざ探して回るのも割に合わない。
騒々しい繁華街の方へと視線を向けると、軽く肩をすくめ。

「得体のしれないものならあの辺りでいくらでも手に入るんだけどな」

ただし、役に立つものが手に入るかどうかは別の問題だが。

カイン > しばしの間そうやって一人の時間を過ごしていたが、
流石に空が白み始めるのを見れば文字通り重い腰を上げる。

「とりあえず、酒の一つでも飲んでくるか」

そう小さくぼやいてその場を後にしていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/空き地」からカインさんが去りました。