2018/08/01 のログ
芙慈子 > まだ清らかでうぶな歳ではあるが、少女に至っては異性の肌を見慣れている節があり、
頬を染めるでもなく、起床の準備を始める男の背を平然と眺める。
平屋建ての建物といい、村には少々変わった文化が根づいている。
それを褒められ、少女は嬉しそうな色を表情に差して頷き。

「用意しておくよう、いっておきます。後で朝ごはんももってきますね」

そのために、ちょうど立ち上がろうかと思っていた矢先。
“それ”といわれたものがなにを示すのか、すぐには分からなかった様子で目をぱちくりとさせた。

「人前では足を投げ出すことは良くないと、お母さまから教えられています。
 ………しびれますよ。シドさまもやってみれば、分かります」

静々と答えてはみたものの、本音も言ってみせる。
距離の近づいた男性に対し、軽やかな笑い声混じりに。
それでも足を崩さないのはやはり母親の教育の賜物か。

シド > 「ありがとう。だが足が痺れたことを言い訳に朝食を零さないでくれよ。
 『その』正座のせいでな。」

軽口を叩きながらも思考を巡らせる。近づいても警戒心を出さない姿に眸を細めつつ。

「足が痺れるのは嫌だから遠慮するよ。生憎、私の両親はそんなに礼節を知らなかったから尚更。
 朝食までもまだ時間はあるだろう。暇人の相手をしてくれないか。
 ――こっちで。」

手を伸ばして少女を抱えあげようとする。抵抗がなければ寝台まで運び。膝上に乗せてしまおうと。

芙慈子 > 「気をつけます」

引き続き、穏やかな笑顔を見せた。
実際、日々こうしていれば痺れるのは長時間座していたときだけなのだが。
軽やかな会話の中、突然抱き上げられれば暴れることもなく。
男性のシャツと少女の着物が衣擦れの音をたてる。
ちょこんと、膝上に乗せられれば異国の人形のようだろう。

「おはなししますか?夜伽のまねごとも出来ますよ。
 ――――あくまで真似事ですけど」

先ほどの笑顔とは別種の、歪んだような微笑み。
色のある行為もない行為も、少女にとってはあまり差異がない。

シド > 「あー、冗談だ。それに、客人だからってあまり気遣わなくていいぞ。
 てっきり悲鳴でもあげて驚くかと思ってたんだが。」

思ったよりも抵抗がないことに微かに違和感が過る。
膝上に乗せる重みもあまりに軽く。真上より覗き見れば人形の如き精巧な顔立ち。
少女の足を伸ばして、その髪を梳かしてやる以外に手を動かさないのは人形を愛でるような気持ちと。
なにより危機意識があったから。
だが――

「ほぅ?」

容貌からすればオマセな挑発とこちらを仰ぎ見るような妖艶な眼差しに眸を静かに瞬かせ。
振り袖の胸裾から手を忍ばせて肌を撫でようとしていく。

「両方希望したいが、いいかな?」

芙慈子 > 「ふつう、悲鳴をあげるものなのですか?」

敵意も見えないのに?知らない人でもないのに?
そう言いたげな少女の価値観は世間からズレているのだろう。
過剰に気を遣っている自覚もないので、心底不思議そう。
しかし猫可愛がりというのか、必要以上に求めてこなかった男性の手が
胸元に伸びれば、すぐに普段通りの少女となり。

「もちろんです。
 気を遣わなくて良いとシドさまはいいましたけど、私たちにとってお客さまは特別ですから」

含みのある言い方をする少女の肌は、触れれば温かい。
血色のあまり良くない肌ではあっても、皮膚の下には確実に血が流れている。
しかし手を忍ばせるには少々物足りない身体の作りだろう。
谷間もない胸元は薄く、華奢で。触れる人だけが分かるような、ほのかな膨らみだけ。

シド > 「……まぁ、その通りだな。
 君にとって私はお客様なのだから
 ……あ、しまった。こんなに『お近づき』になっておきながら名前を聞くのを忘れてた。
 教えて欲しいな。」

少女の世間のズレというより怖がらせてしまうという危惧が強すぎた。
そう認識したから少女の価値観については疑問は挟まない。
その代り温かな華奢な肢体を丹念に掌で弄り。柔みを手で押し潰しながら仰ぐ頬を撫でていく。
結びが弱かった髪紐はやがて解けて滝のように銀髪が黒髪に降り落ちる。

「さて、場所はここで良いが。」

誰ぞ側にいるやもしれない。小さな頭に唇を押し付けて一度立ち上がれば眩い朝日が差し込む窓辺に。
カーテンを勢いよく締めて二人だけの空間を作り上げた――

ご案内:「レアン村」からシドさんが去りました。
ご案内:「レアン村」から芙慈子さんが去りました。