2018/07/31 のログ
ご案内:「レアン村」に芙慈子さんが現れました。
■芙慈子 > レアン村―――王都の華やかさの欠片もない、寂れた村。
建物は煉瓦造りが多いが、領主の家だけは木造で異国めいている。
外との交流はあまりないのだが余所者を拒んでいるわけではなく、たまに迷い込む旅人をもてなすことしばしば。
昨晩も同様に、ささやかながら宴を催した。
領主の一人娘である黒髪の少女は客人の部屋へと繋がる襖を、ちょいと開け。
「おはようございます。よく眠れましたか?」
正座し、覗かせる顔は少し幼い。
ご案内:「レアン村」にシドさんが現れました。
■シド > ダイラスへの帰り道。突如巻き込まれた嵐に領地にまで帰還することができなかった。
最悪の場合は洞窟で野営も止むを得ないと思った矢先に村の明りを見つけられたのは僥倖。
またその村長が快く歓迎を意にして領主の家に泊めてくれたのは奇跡的だ。
宴の後は疲労に身を任せてすぐ床に伏せた。
雨上がりしっとりとしたもの、畳の澄んだものが重なり合う朝の薫りと女性の声が目を覚まさせる。
静かに体を起こしては乱れた銀髪を掌で後ろに固めるように掻きあげてから声のする方に顔を向け。
「おはよう。先日は感謝する。本当に助かったし、宴の酒も格別だった。」
■芙慈子 > 慣れない客間に知らない土地。
心を尽くせども朝、目の下に隈の出来た客人を見ることも多い。
しかし今回の客人に関しては、その心配は無用だったようだ。
いえ、と言うように頭を振って穏やかな笑顔を向け続ける。
「おくちに合いましたか?良かったです。
この村は王都とはちがう食事やお酒しかご用意出来ないので…。
あぁ、そうだ。土がぬかるんでいますから、ご出立は昼すぎが良いとおもいます」
どことなく未熟な言葉遣いは、田舎者であろうと貴族の娘として甘やかされた結果かもしれない。
それでも精一杯丁寧に接している様子。
■シド > 向けられる笑みに品定めするように顔立ちを一瞬眺めてしまう。
それを誤魔化すように片目を瞑ってから、古傷が幾多も刻まれた盛り上がる上半身にシャツを羽織っていく。
「料理も心が籠もっていたが地酒が格別だ。
酒は東方のものかな?よく九頭龍の水浴び場にいってその酒を飲むから好きなんだ。
お土産に10ダースくらい買わせてもらえると嬉しい。自分の土地でも広めたい。
――そうか。ではもう少しのんびりできるな。」
口に咥えた結い紐で後ろに銀髪を束ねてから、ふといつまでも正座している少女の姿に小首を傾げる。
元来あまり慇懃無礼は好まぬ身。だから言葉遣いよりも、いつまでも膝を重ねている姿に唸って。
ゆっくりと歩み寄りその膝を抱え込んで。正座する姿を不思議と好奇心に輝く眸で眺めていく。
「礼儀のつもりか知らんが、それは疲れんのか?」