2018/07/23 のログ
ご案内:「平民地区 不思議な民家」に紅月さんが現れました。
紅月 > [待ち合わせ・待機]
ご案内:「平民地区 不思議な民家」にゲイゼリクさんが現れました。
紅月 > ーーーカタタン、カタッ、ぱさっ…

シンプルな木製のローテーブルに、プチスコーンやクッキー、チーズをまぶしたスティックパイ。
ちょっとしたお茶請けを用意したら準備完了…今日は友人が我が家に来る日だ。

「とりあえず、安全な寛ぎスペースは確保…罠もあらかた解除したし、後は変なトコ弄らなければ大丈夫なはず」

エプロンをはずしながら呟く。
何で自宅にいて罠なんて物騒な単語が出るのかと言えば、家主にイタズラかます妖精さんなんかにオシオキする為だ。
窓辺にキラキラと揺れてるウインドチャイムやタリスマンも、魔石やおまじないが仕込まれていたりする。

「薬草やドライハーブは地下に下げたし、作りかけのマジックアイテムも引っ込めた。
キッチンも片付けたし…洗濯物も込んだよな、よしよし」

普段はアトリエみたいになっている1階リビングダイニング。
テーブルに椅子にソファーにローテーブル…シャンデリアっぽく見える照明は、蝋燭の代わりに炎の魔石が嵌まっている。
…禍々しいモノが見当たらない辺り、珍しく、普通の家っぽくなっている。

「…あっ、やべ、チェストの上がカオス」

部屋の端に、後で片付けようと思っていたディスプレイ用のチェスト…が、マジックアイテムやら魔石やら石の花やらでこんもり、というか若干こぼれてる。
…しかしもう待ち合わせの時刻、潔く諦めるか。

「…人を招き慣れてないと、慌ただしいなぁ」

自身のドタバタっぷりに…もはや、笑うしかなかった。

ゲイゼリク > さて、本日は以前タナール砦で知り合った治癒師さんもといユル友さんへの自宅ご訪問である。
一応、手ぶらでは流石に申し訳ないので彼女の特徴から異国出身の部下にあれこれ尋ね…。
で、異国のお酒と魚の干物とか色々詰め合わせて見繕って貰った。
それらが詰まった紙袋を右手に、あまり派手とは言えない私服姿で手紙に書いてあった場所へと訪れてみる。

「…んーと…お、ここかな?…うーん、見た感じは普通の民家、と言えなくも無いけど」

中はどうなんだろうか?と、思いつつも一先ず扉の方へと足を運びまして。
呼び鈴…みたいなのは見当たらないので、取り敢えずノックを数回してから呼び掛けてみようと。

「おーーい、紅さーーん。ユル友が来ましたよーー」

と、緩い何時もの調子で呼び掛けてみる。一応、ご近所迷惑にならない程度に声は抑えているが。
ともあれ、中から応答があるまで改めて二階建ての民家っぽい外観を観察してみる。

「んーーーー…なんかの店舗だったっぽいけど…紅さんは店とか開いてたりするのかねぇ?」

異国?出身の治癒師だろう、という大まかな当たりしか付けてないので彼女の活動はほぼ無知に等しく。
自然とあちこち観察してしまうのは癖みたいなものだ。殆ど好奇心から来るものなのだが。

紅月 > 部屋の壁掛け飾りのひとつ…文庫本くらいの大きさの、アンティークの鏡。
それに付いている小さなベルが、チリンと可愛らしい音を立てる。
…この家を入手して初めて鳴る、来客の合図だ。

次いで聞こえてくる男性の声。
鏡に目を向ければ友人が物珍しげに家を眺める姿。

「はいはーい、今行きま~す!」

タタッと店舗へ繋がる内扉を開け…掃除以外手を付けられていない、古めかしく落ち着いた店に出る。
曰く付きカフェ、もとい、妖精憑き物件を安く買ったのはいいものの…別件あれこれに振り回されてまだまだ全くいじり足りない。
そんな店内を抜け入り口をあける。

「や、リクさんいらっしゃい!
入って入って!」

かちゃりと扉を開けば、ドアベルがカラランと鳴る。
ユル友殿に笑顔を向けて、室内へ迎えよう。

ゲイゼリク > 少し外観を観察していれば、中から聞こえてくる声におっと、と視線を前へと戻しつつ再度扉の前へと移動。

出入り口の扉が開かれれば、ドアベルがカラランと涼しげな音を立てる。
現れたのは、この前出会った時とは違う洋装…私服姿?のユル友さんの姿で。

「おーっす、紅さん。じゃー早速お邪魔しちゃおうかねぇ。…あ、これお土産ね?」

と、東の異国のお酒やら魚の干物、野菜の漬物などあちらでは日常的に食されるそれらが詰まった紙袋を渡そうと。
ちなみに、鮮度の問題だがそこは部下が冷蔵的な魔術を施してカバーしてくれた。
入手経路についても、異国出身の部下がわざわざあこれ工面してくれたようだ。
少人数だが一人ひとりの能力は高い器用万能。第六師団のメンツは大体がそんな感じだ。

ともあれ、彼女に紙袋を手渡してから中へと入れば、まずその店舗スペースをこれまた繁々と見渡して。

「おぉーー…外観から予想は何となくしてたけど、やっぱし店舗だったんだなぁここ」

あちこちにあるマジックアイテムと思しき物やそれらが用いられた調度品。
…なのだが、残念ながら普段のこの男は魔力を一切感知出来ない。ついでに魔術も使えない。
それを補うのが、今も右目に引っ掛けている片眼鏡なのだがそれも機能は今はオフにしている。
下手にオンにしっぱなしにすると余計な情報を暴きそうだし、ユル友のプライベートの侵害とかはしたくないもので。

紅月 > 「あらやだ、もうっ!
気なんか使わなくていいの、に…ごめん訂正ありがとう。
うわぁ、ほっけ!鰹節!しば漬けも懐かしいっ!」

紙袋を受け取り、チラリと目を向けて…二度見。
キラキラと、そりゃあもうキラキラと目を輝かせての大喜び。
今にも小躍りしそうな喜び様で紙袋を抱き締める。

「んふふ、そうよー?
面白い物件が叩き売りされてたから、つい勢いで買っちゃった!」

木目が出るくらい古い木の、ダークブラウンを基調とした店内…何故かほんのり珈琲の香りが残っている。
テーブルや椅子も店舗に残されている為、やろうと思えば商売もできそうだ。

奇妙な事に、たまにポルターガイストよろしくカタンと小さく音が鳴ったり、何故か熱々の珈琲が淹れてあったりするのだが…今日は大人しいな、客がいるからか。

「あっ、ここの内扉んトコで靴脱いで貰って…ほい、ルームスリッパ。
故郷の習慣なんだけどさ、なんか家のなかで靴だと落ち着かなくてねー」

慣れた様子でダークグリーンにオフホワイトの来客用室内履きを用意。
ちなみに自分はモカブラウンにオフホワイトの室内履きである。

さて、いよいよ住み処へ足を踏み入れれば…やはり木を基調とした落ち着いた室内が視界に広がるだろう。
所々に、鉢植えが置いてあったりもする。

「珈琲か紅茶か、お酒もあるけど…どうしよっか?」

とりあえずソファーをすすめて、のんびりしてもらおうかしら。
ニコニコ笑顔で飲み物の希望を問う。

ゲイゼリク > 「あーー俺はあんまし詳しくないけど、部下に異国出身の子が居てさ?
で、紅さんあっちの出身か、それに近しい人かなー?と、思って用意して貰った訳さぁ。
…うん、その感じだとお土産持って来て正解だったみたいだねぇ」

と、紙袋を受け取ってから彼女の反応に楽しげに笑ってウンウンと頷く。
異国にはあまり詳しくないが、本場出身の部下のチョイスだから外れは無い、と思いたい。

「面白い…?何か仕掛けがあったりとか?曰く付きとか…。」

何も感知出来ないのか、はて?と首を傾げる男。勢いで物件を買うとは中々に剛毅だねぇ、と呟いて。
改めて店内を一瞥すれば、「このくらい整ってたら商売もフツーに出来るんじゃない?」と、言ってみたり。

ちなみに、仮にポルターガイストが起きてもむしろ楽しげな反応を返すだろう。
”あちら”からしてみれば、怖がるでもなく逃げ出すでもなくなので期待外れの反応かもしれないが。
緩い、という事はつまりそれなりに神経も図太いという事なのだ。

「…お?これは異国の習慣かな?じゃー郷に入りては郷に従え…だっけ。
そんじゃまー、改めてお邪魔しますよー、と」

用意された内履…暗緑と白のルームスリッパへと、履いていた黒いショートブーツから履き替える。
そんな一幕があって、いざ改めて彼女の居住スペースへと移動すれば…。

「ほほぅ……うーん、この何となく落ち着く感じがいいねぇ」

と、笑いつつ薦められたソファーへと移動すれば腰を落ち着けまして。
さて、飲み物はどうしようか…コーヒーや紅茶も捨て難いのだが…。

「あ、じゃーお酒がいいかなぁ。今、お土産で持ってきた異国のお酒飲んでみたいかも。
いちおー2本入ってるから、どっちか片方で構わないんで」

ちなみに、片方は【墨桜】という銘柄のほんのり甘口のお酒。
もう片方が【鬼丸】というピリッとした辛口風味のお酒である。

「そーいや、クローロは居なかったり?彼にも挨拶したかったんだけど…」

と、例の意気投合した子竜の姿を何となく探してしまう。気分は何となく彼の兄貴分。