2018/05/27 のログ
■アシュトン > 「ではフラヴィア、と。
学院の制服も街の外じゃ目立つんでな、それなりに簡素な服を用意しておいてくれ。
如何にも貴族な服装だと、余計な面倒事に巻き込まれる可能性もあるんでね」
(まぁ、顔立ちや髪の手入れから察する事も出来るのだが、危険性は少しでも下げて置くに越さないだろう)
「なら、護衛費用と、必要なら外出工作費用、海路の移動費用と、滞在費用――……追加で出してもらえるなら、オークションに出る前に押さえて買い付ける事も、可能かもしれないがどうする?間に合わなけりゃ、こっちの費用は取らんよ。後は、海賊に遭遇した場合の危険手当か……」
(懐から一枚大きめの紙を取り出せば、必要経費、諸経費を順々に書き記してゆく。
相手が貴族という事もあって、やや高めの設定になっている。
伯爵本人であれば何の問題もないが、その令嬢とあってはさて、ポケットマネーはいかほどといった感じだろうか)
「なんだ、言ってる事の意味は分かってるみたいだな。
いやいや、冗談じゃぁないぜ? 実際に、金が足りない場合は、そういう方法で割引なんかもしてるからな」
(小さく笑みを鳴らせば、おおよその金額をまとめたモノを、彼女にへと見せ。
後は反応を待つようにしながら、グラスに残った蒸留酒を口に含んだ
親父が何か言ってるが、あーあー、きこえませーん)
■フラヴィア > 「お洋服ですね。目立たないような……髪、は、当日はまとめて……」
彼の言葉に頷きながら、懐から取り出した手帳に必要なものをメモしていく。
顔にかかったピンクの髪を手で軽く払ってから、髪に記されていく彼の文字を、追う。
「ふむふむ、なるほど。確かに二人分となると中々…………な、なか、なか……高っ!」
滞りなく滑るペン先をなぞっていた視線が、紫の瞳が丸くなる。
思わず、再び声が上ずってしまうものの、咳払いと笑顔で誤魔化そうとしながら――
「こ、こほん。……ええ、ええ。ダイジョウブ……です、用意していたもので足ります、ええ……」
そう言いながら袋の口を開いて彼に見せたものの、実際は割りとギリギリ。
オークション、どころか下手に高値がつけば足りなくなりそうな感じである。
■アシュトン > 「流石に綺麗な長髪を切ってしまうのはもったいないからな。
必要に応じてフードを被れば問題ないだろうさ。
俺と君の関係は、どうしたモノかな。恋人同士にでもしておくか?」
(冗談を挟み込むようにして、男の肩がまた上下に揺れる。
親子は厳しいし、主人と護衛では身分を隠す意味がない。意外と妥当な所、ではあるのだけれども)
「仕方ないさ。海路を使うとはいえ、それなりの距離がある旅だ。
万が一に備えるなら、俺も色々入用になるんでな。その辺を差し引きすれば、コレぐらいの金額にはなる。
ついでにいえば、腕と信頼を買う費用も、ね」
(貴族といえども、子供相手には割と容赦のない金額設定――いや、実際はそれなりに引いてはいるのだが。
とはいえ、安売りはしない。貰うモノはしっかりと、それが傭兵としての仕事な訳で)
「ふむ……それなりには、入ってるみたいだな。
だが、オークションになった分は足りるのか?というか、どんなスパイスを買い付ける心算なんだ?
高価なモノなら、そいつにまわす資金を、多めにとっておくべき、だとは思うがね。
……とっても、お安くなるプランがゴザイマスが?」
(袋の中身に手はつけないモノの、大きさからだいたいの入っている金額予想はつくところ。あと、相手の反応からも。
それを察しつつ、どこかのセールスマンか何かのように、囁き声をかける)
■フラヴィア > 「ふふ、ありがとうございます。ですがそこは兄弟とかでいいのでは――」
髪を褒められればくすぐったそうに微笑み――内心ではそうだろうとも流石はフラヴィアだ、なんて思っていたり。
と、兄弟と言ってから自身と彼の容姿を再確認。
全く違う髪と瞳の色。ツリ目とタレ目。性差があるとは言え頭一つは違う体格。
「……意外と恋人が一番自然……なのかも知れませんね」
そう結論付けざるを得ないのだった。
そしてお金のお話。カウンターでちらちらと、こちらを気にしているオヤジを少し見てから。
「大丈夫……わかっていますわ。護衛をお願いするのですから、ここは安く済ませてはいけないところです。
あの方も何も言ってはきませんし……あなたの腕前からすれば妥当な報酬なのでしょう」
とは言え、と自分の額に細い指先を当て、俯いて軽く呻く。
「む、むぐぐ……! そ、そうですね。まあ……もしも足りなくなるようなことがあれば、その時は――
い、いやいやダメダメ。大丈夫です、足ります。絶対に足りますとも」
■アシュトン > 「兄と妹も考えはしたんだが、ねぇ?
何百歩譲っても、血のつながりの欠片もないだろ……義理の兄妹じゃぁ、もう何でもアリで隠すネタには使えないし」
(彼女の見立て通り、共通点なんてありはしなかった訳で。つまるところ、他人同士の組み合わせである恋人、という設定が一番手っ取り早い訳である。
親父の方と言えば、金額の方は察しているだろうが、貴族の依頼という事で割増分には特に口を出すつもりはないらしい。
当然、相応の立場には相応の金額を貰うモノではあるし、ついでに言えばこの報酬の一部が仲介料となる訳である。
余程の暴利でもない限り、どうこうとは言ってこないだろう)
「はは、分かってるじゃないか。安いには安いなりの、高いには高いなりの理由があるって事だ。
この金額、払って貰えるなら、万全を期して安全を確保しよう」
(その点については、安心してもらっても良い筈だ。
実際、手間賃の中には移動に使う船の安全――場合によっては外国に売り飛ばされる事もあるので、過去の実績なんかも調べ上げる。得意分野だ)
「まぁいいさ。実際に行ってみて、買い付けて、足りるならそれで良し。
足りなければ――何処からかひねり出すなり、割引を使って貰うなり。
そういう形でも俺は問題ないさ。
良ければ、商談成立だ。一杯飲むかい?」
(そして最悪の最悪の場合、彼女の父親に取り立てるという手もある。
まぁ、彼女にとっては非常に困った事態となるかもしれないのだが
それはさてはて置いといて、蒸留酒の入った瓶を彼女に向かって傾けた)
■フラヴィア > 「怪しくて目立ってしまいますものね。では恋人のふりを――
あぁ、でしたら私も当日は、あなたのことをアシュトン、と呼ばせていただきます」
義理の兄妹だよー、と振舞う不自然な姿を想像し、口元へと手を当てて楽しそうに笑う。
そのまま振り返り、カウンターのオヤジを――彼の目を見ても少女に対しては愛想笑いを浮かべるだけだ。
「出会ったばかりですけど……流石はプロという感じですね。その言葉を信じて、頼らせてもらいます。
……ま、まあきっと足りますから……」
商談成立。その言葉を聞いてほぅと安堵の吐息を零す。付け足した言葉は少し震えていたけども。
そして差し出された瓶と、彼を交互に見て。酒を飲んだことなど殆どなかったが素直に頷き、空のコップを差し出す。
「ありがとうございます。……では少しだけ」
■アシュトン > 「あぁ、その方が自然だからな。何、別段特別な事をする訳じゃぁない。
なんとなく、それっぽく見えれば十分さ」
(歳の差が妙に見えるだろうが、存外、そういう明らかに妙な点があった方が納得しやすいという場合もあるのだ。
あからさまに怪しい部分が、他の部分を覆い隠してくれる、ともいえる)
「護衛やら何やらは手慣れてるからね。一番困るのは海賊の襲撃だが、まぁ近海な上に、それなりの船を選ぶ心算だからコレも問題はないだろうさ。
ん~……? 俺としては、むしろ足りない方が楽しいんだけどね」
(おおよその経費を頭で勘定していたところ。
なんともまぁ落ち着きのない、自己暗示のようなセリフに、喉を鳴らして笑ってみせて)
「おやおや、両親に秘密でお酒だなんて悪い子だな。
二人だけの秘密だぜ?」
(唇で大きく弧を描けば、コップに度数の強い酒を注ぎ込んでゆき。
乾杯をするように己のグラスを掲げてから、残りをグイと飲み干して。
度数の強い液体が、喉を刺激しながら胃へと下ってゆき、熱い感触を残した)
■フラヴィア > 「海賊……ええ、お任せします。むしろ今の段階ですと、襲撃を受けた時の危険手当ての方が私の頭を悩ませますわ……」
そのためにも襲撃は避けたい。と、両手を合わせて軽く祈る少女。
それはまるで一枚の絵画のようで、だが現実は現金に金の心配をしているだけだった。
「あら、なんだか素敵な響きですわね。うふふ……秘密にしてやってくださいな」
とくん、と心地良い音と共に酒が注がれ、強い香りが漂う。
目を伏せ香りを少し楽しんでから、少女もまたグラスを掲げてみせるのだった。
「では少し……いただきます――……!?」
飲んだ経験などなかったが、大人はがばがば飲んでいるしいざとなれば肉体操作で即座に分解も出来るだろう、と甘く見たのが間違いだった。
喉と胸を通る熱さに、顔を真っ赤にさせながら目を白黒させる。
■アシュトン > 「ま、最悪の場合は、海を泳いで陸地へかな。その辺の対策は一応しておくよ。
ははは、俺の代わりに存分と祈っておいてくれ。もっとも、へそくりでもかき集めておく方が確実だけどね」
(はてさて、彼女の懐具合は一体どうなってしまうのだろうか
いっそ、やらせの襲撃を用意して――いや、流石にそれは冒険者として良くない。
裏の仕事であれば、話は別だったが)
「大人の階段は、親に秘密で上るのが礼儀作法だからね。
この秘密を守るのは、タダにしておいてやるさ」
(なみなみと注ぎ終えれば、自分のグラスを空に乾かし。
二杯目を己の方に注ぎ始めた頃合いだった)
「どうだい、大人の味は? 中々に刺激的だろう?
おやじー、水水」
(もうちょっと軽い酒なら兎も角、蒸留酒である。初めて呑むには、やはり刺激が強すぎるようだ。
一気に顔色が変わる様子を楽しげに眺めながら、呑気な口調で親父に水を持ってくるように声をかけていた)
■フラヴィア > 「あらお優しい。ふふ、口の堅さも一流の条件……かしら?」
口元に運んだグラスでは重い液体がたぷり、と揺れギルドの明かりを反射している。
もう一度鼻をうごめかしてから、口をつけた。
そして――
「けふっ、けふ……、そ、そそそうです、わね……! 喉がビリビリ……
あ、ありがと……んぐ、んぐ……!」
半分ほど残しグラスをテーブルに戻しては、子供のようなむせ方をして彼を見て。
オヤジが運んできた水を奪うように受け取っては、一気に飲み干す。
「ぷはぁぁ……」
そうだらしなく吐いた息は熱く、酒臭い。顔は真っ赤な、フラフラする頭もそのままだ。
■アシュトン > 「依頼人の事情をペラペラしゃべり回る冒険者なんて、信用ならんだろう?
それに、可愛らしい御嬢さんの秘密を胸に秘めておくというのは、それはソレで楽しいモノさ」
(喉を笑みで鳴らしながら、二杯目をちびりちびりと口に運び。
酒の刺激にテンヤワンヤな姿を、相変わらずと面白そうに、口元で弧を描きながら眺めている)
「ま、貴族の社交界に酒はつきものさ。今から少し位慣れてたって損はないさ。
良い飲みっぷりだ、もう一杯いっとくか?」
(一気に飲んだのは水だけれども。
そんな仕草を見せれば、親父にぎろりと睨まれた気がした)
「しかし見事に出来上がったな。流石に、その状態じゃ帰れない、か。
親父、部屋を一つ。俺は大事な大事な依頼主様を、寝かせつけてくるよ」
(ヒラヒラと手を振れば、親父はなんとも怪訝な表情を浮かべるも。
どちらにせよ、このまま帰すのも難しいだろう。やや釘をさすような一言と共に、二階にある一室の鍵を寄越してくる)
「さて、それじゃお嬢様。ちょいとばかり失礼しますよ」
(ゆっくりと椅子から立ち上がれば、すぐ傍らとまで移動して。
身を屈めれば両腕を差し出し――そのまま、お姫様抱っこで部屋までお連れするとしようか)
■フラヴィア > ふんふん、と彼の話を興味深そうに聞いていられたのも、ほんの数十秒前のこと。
今の少女は何とか椅子に座っている、といった様子だ。
その能力で浮かせ床に触れないようにしていた髪も、落ち着きなく揺れている。
「は、はひぃ……こんなの、何杯も飲んだら倒れる……ぅ」
能力を使い即座に分解、なんて事をする余裕はない。視界はぐるぐる頭はふらふら。
それでもテーブルに肘をつき、何とか倒れずにいたものの――
「あ、あれ……? アシュトン、さま……?」
ふわ、と浮くような感覚。心地よさに目を細めればそのまま意識が遠のきかけ、慌てて頭を振る。
そしてされるまま、彼が取ってくれた部屋へと運ばれたのだろう。
■アシュトン > 「流石に、もうちょっと軽いヤツを勧めるべきだったな」
(いやぁ失敗失敗と、まるで反省のない口調。
親父と少しやり取りをしつつ、その後に。両腕で抱き上げ抱き寄せると、余り揺れない程度の速度で歩きはじめ。
ゆっくりと階段を上ってゆく)
「その調子じゃぁ帰れないだろ? 酒が抜けるまで一晩、今日は泊まって行くことだな。何、友達の家にでも、と言っておけば問題ないだろうさ」
(軽い身体を抱き上げたまま扉の前へとたどり着けば、器用に扉を開いて。
室内といえば、簡素ではあるものの掃除も行き届いており使い心地は良さそうだ。
シーツも張り替えたばかりであろうベッドへと彼女の身体をゆっくりと降ろせば、淵へと腰を下ろす)
「そう言えば、仕事の関係で一つ忘れてた。
恋人同士って事で行くんだが、バレない様に、ちょっとばかり練習しておく必要があるんだよな」
(横顔で見下ろすままに、片手を差し出すと。
長い髪に指を添え、梳くように緩くと頭を撫でながら。軽い身のこなしで、自分もベッドの上へと登ってゆく)
■フラヴィア > 「……」
逞しくもよく引き締まったその腕に抱かれての移動は、僅かな揺れもあってか随分と心地良いもの。
まるで遠くから彼の声が聞こえているような気もするが、気にせず。瞼を閉じ体を預けるのだった。
扉の開く音に僅かに顎を上げて反応を見せるも、そのまま横にされ――
「んっ……むむ……ぅ。練習……?」
白いシーツにピンク色の髪がさぁ、と広がる。
柔らかなベッドの上で横になり、少しは気分も楽になってきたようだ。
自身の額に小さな手を当てながら横を探せば、彼がすぐ傍、ベッドにいることに気が付く。
が、まだ思考は霞がかかったように曖昧で。
■アシュトン > 「そう、練習。
フォローもするが、場合によっちゃ細かなやりとりで勘づかれる事もある。
だから今の内に練習しておいて、本番で上手くやり過ごせるようにしておく訳さ」
(なんとなく、もっともらしい言い分、な様な気がするが。
実際のところ、二人の存在を気にする存在は、ごく一部だろう……まぁ、どこかの貴族が、コレ幸いと狙ってくる可能性は、否定できないのだが。
髪を撫でる手が、やがて頬に触れ、緩くとさすれば顎筋をなぞり。
ぼんやりとした少女の顔へと、男の顔が近づいてくる)
「だからフラヴィアも、俺の事を愛しい男だと思って、練習してくれよ?」
(口端が軽くと上がると共に、顎先へと指を添えて。
顔を寄せ付けると、そのまま、可憐な唇を覆うように口づけそ落としてゆくと、しようか――)
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からアシュトンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からフラヴィアさんが去りました。