2018/05/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にフラヴィアさんが現れました。
フラヴィア >  宿や酒場も併設し多くの冒険者を抱え、騒々しいことこの上ない――ここは夕暮れ前の冒険者ギルド。
 たった今ギルドの扉をくぐった少女には、何とも似つかわしくない場所。
 そんな場所を見回しては、一瞬、少女は僅かに口の端を上げて笑った。愉しそうに。
 そして向かったのは依頼を受け付けるカウンター。

「あの……よろしいです?」

 ちょい、と背伸びをしてカウンター向こうを覗き込む。
 何ともあざとい、年頃の少女らしく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にアシュトンさんが現れました。
アシュトン > (男は暇を持て余していた。具体的に言えば、仕事が無い。
いや、まったくない、という訳ではない。何やら雑務じみた、割に合わない仕事は結構あった。
そんな訳で――……何をするでもなく。椅子に腰かけ、テーブルに置いた蒸留酒をチビチビとやっていたところ)

……ありゃぁ、学院の制服か? 見た感じ貴族のご令嬢か、珍しいモンだ。

(別段、貴族が冒険者に依頼をするという事自体は珍しくはない。
が、大体は使いのモノが来る形だ。
しかも、ご令嬢なんてのがやってくるのは、そうそうと無い事だ。
逃げたペットさがしでも頼みにきたのだろうか?
これと言って興味は薄いが、暇に任せてなんとなく眺めていた)

フラヴィア >  微笑んだ少女を見れば、カウンター向こうで退屈そうに肘をついていた
受付のオヤジは一瞬目を丸くするも、すぐに気さくな笑みを浮かべた。
 また何か面白いものでも見つけましたかい、そう聞かれて少女が頷き、口を開いた。
 少々興奮しているのだろう、ギルド内であっても少し目立つ声色を上げ――

「ええ、おじ様も聞きませんでしたか? つい先日……」

 湾口都市に運び込まれた貴重なスパイスの噂。
 海賊、いわゆる私掠船が奪ってきた戦利品の一つだが、それが市場かオークションか、流れるとか。

「本当なら自分で行きたいところなんですけど……! 家族みんなに止められました」

 そりゃ当たり前ですよ、と笑うオヤジをちょっと睨んでから、カウンターにゴルドの詰まった袋を置いた。
 依頼料と、買い付けるための金。

「だから十分な報酬は用意しました! 信頼のおける方にお願いしてもらえます?
……まあ護衛を頼んで直接行けた方が嬉しかったりしますけど」

 腕が立って信頼できて暇をしている方はおりません? とオヤジに無茶振り。
 オヤジはまいったなと自身の頭を一撫で。とりあえずと、ギルドを見回してみれば――
 黒髪にロングコートの男と、ばっちり目が合ってしまうこともあるかもしれない。

アシュトン > (何をしに来たのかは分からないが、依頼であれば、内容と報酬次第では受けても良い。
報酬を抜きにしても、貴族との繋がりを作っておく、というのは非常に有用だ。
一般庶民やさびれた村の村長よりも、よっぽどと金払いがいい。上手くやれば、今後も仕事が回ってくる可能性がある。
なんて打算をしていた真っ最中、二人のやりとりが聞こえてくる。どうやら、主人とは顔なじみらしい)

「なるほど。仕事内容としちゃ、ダイラスまでの護衛…或いは単独で、スパイスの行き先を突きとめる感じか」

(貴族からの依頼となれば、馬車の料金は持ってくれるだろう。あとは、現地での滞在費か。
皮袋の何割が依頼に回るかは不明だが、金の用意としては十分だろう。
そんな訳で、同じように暇を持て余していたゴクツブシ共も、徐々に目の色が変わってきた頃合いに。
親父の瞳と、ばったり遭遇してしまう事となる)

「暇は持て余してるがな。腕と信頼は、さてどうだろう。
俺と正面から殴り合って勝てるヤツは……まぁ、幾らでもいるだろうな」

(くくっと、喉を小さく鳴らし。椅子を動かせば、少女の方へと向き直った。
親父曰く『真正面からやり合うなら、な』との事)

フラヴィア >  少女の声に耳を傾けるものが多くいたことなど気にせずに鼻息を荒くしていたものの、
ギルドを見回していたオヤジの動きがぴたりと止まった。
 それに釣られるよう、少女はゆっくりと背後へと振り返った。ふわりと髪も動く。

「あら……一筋縄ではいかない方、と言うことです?」

 彼と親父を交互に見ては、なるほどと言うように一人頷いた。

「でも確かにそういう方のが目立たず、護衛役としては最適なのかもしれませんね……」

アシュトン > 「十分な報酬か、見合ったモノがもらえるなら、損はさせないと約束するよ。
これでも、冒険者の中ではそれなり位に上の方でね。
お忍びで出かけたいなら、アリバイ工作をしてやってもいい。
丁度、君の通ってる学園と縁があってね。数日街を離れる、程度の用意は可能だ」

(片目を閉じて、軽く首を傾ける。
親父の説明をかいつまんで言えばこうだ。
『搦め手、情報収集、侵入、工作、その手の分野に関してはやり手である。
純人間であり、余計に怪しまれる事が少ない。
仕事の成功率は上等。
――ただし、タラシの部類何で気をつけろ』 )

「一言余計だ、親父。
んで、どうする?君が直接行きたいってんなら、恐らく今居るなかじゃ俺が一番だ
まぁ、単純に仕事を終わらすだけなら、俺一人の方が早いが」

(親父の付けたしに、シッシと手を振ってから。
逆に少女に対しては、緩く手招きをする。商談でもしよう、という事なのだろう)

フラヴィア > 「ふむふむ……」

 小首を傾げながら、彼の、続いてオヤジの話を聞きながら、目を閉じて少し考える。
 護衛が必要なのは家族を心配させないため。そしてその家族が信頼する、ギルドのお墨付きとなれば問題はないだろう。

「こちらの事情もすぐに察していただけたようですし……ええ、あなたがそう言ってくださるのなら」

 頷き、彼に頼もうと決めた矢先、付け足された一言。
 じとりと疑うような眼差しを数秒だけ彼へと向けるものの、すぐに首を振って笑顔を浮かべる。

「ふふ、冗談がお上手ですわ。私のような子供にまでそんなことを言っては、あちらの方に失礼ですよ」

 と、オヤジに笑ってからスカートを摘んでの一礼。そうして手招きする彼の傍へと歩み寄った。

「それでは改めまして。私はフラヴィアです。フラヴィア・ルカーノ」

 一礼してから、横の椅子へと腰をおろす。

アシュトン > 「君の説得で外出願いが叶うなら、それに越した事はないがな。
ま、とりあえずその辺の事も含めて、話を詰めていこうじゃないか」

(テーブルの真ん中を占拠していた酒瓶とグラスを、ずいと横へと移動させて。
親父曰く『……いやぁ、守備範囲が広いというか、節操無しというか……』
と呟いていたのだが。貴族令嬢に手出ししねぇよな?という疑いの視線が此方へとモロに投げかけられていた。
それを無視しつつ)

「ルカーノ……あぁ、名前位は知っている。伯爵家、だったかな。
俺はアシュトンだ、よろしく頼む。
さて、依頼に当たって幾つか決めておきたい。
様子からして、君が一緒に来るってのは確定かな?
んで、移動経路を陸路にするか海路にするか……後者の方が安全で早いが高い。
後は勿論報酬だけど……」

(暫く、フラヴィアの姿を眺め見ると、口の端を上げて)

「一晩、俺の相手をしてくれるってんなら、半額にまけてもいい」

(笑みを含め冗談めかしたようなセリフを吐けば、直後に親父から『おいっ』と突っ込みが入った)

フラヴィア > 「アシュトン様、ですわね。よろしくお願いします。
私のことは好きに呼んでください。特に一緒に移動するのなら、あまり目立たぬよう『様』も無い方が良いでしょうし」

 長い髪を下敷きにせず腰をおろしては、彼の顔を見上げた。

「ええ、自分の手で買い付けたい、見に行きたい……とも思っていましたの。
移動は海路で――ええ、報酬を含めて十分なお金を……」

 先ほどカウンターに出した袋をテーブルへと置いてみせた。
 だが彼が笑みを湛えながら続けた言葉に、一瞬声が裏返ってしまう。

「ひ、一晩……!? ……う、うふふ、冗談がお上手ですわぁ。子供をからかわないでくださいな」

 と、本日二度目の台詞を口にしては、ころころとした声で笑う。
 交通費・依頼料も含め、普通に買い付ける分には問題のないゴルドを用意している――
が、こういった物事には不測の事態がつき物だったりもするが。