2018/04/17 のログ
ご案内:「宵闇の城・キルフリート」にロザリアさんが現れました。
ロザリア >  
月光を厚い闇雲が覆う深夜
雨のなか、時折、稲妻の光に照らされる厳かな古城

その姿は今宵、喜びヶ原へと現れた

「──ふむ」

カチャリと茶器が音を立てる
窓一つない城の中、雷の轟音を聞きながらロザリアは紅茶を落ち着けていた

「外は荒れた天模様のようだな…人は、今宵は訪れまいか」

ふわりと立ち上がり、私室を出る
いくつか階段を降りれば一階の大広間、その奥の謁見の間へと歩いてゆく

ご案内:「宵闇の城・キルフリート」にルーシェさんが現れました。
ルーシェ > 「……なにこれ?」

ヤルダバオートの街とやらを見てみようと向かった帰り道。
雨の中、何処も彼処も濡れることなく街道を進んでいたところ、妙なものを見かけて立ち寄ったのだ。
窓のない城の姿に、はてと首を傾げながらも近づいていけば、鞭の持ち込み禁止の落書きにプスッと思わず吹き出す。

「城って王都にしかなかったはずでしょ、何でこんなところにあるのか……ぁー……うん、そっか、そういう事か」

不思議に思いながら歩んでいくと、感じる魔の気配に一度足を止めて城を見上げる。
目を細めていき、横棒並びの様な察した顔になりながらも何度か頷きながら更に進む。
同族、その上に魔王とあれば彼女の部下達も襲いかからないだろうか。
当の本人はそんなことお構いなしに、たのもーと間の抜けた声を上げながら両手でドアを押し開き、稲光を背に仁王立ちである。

ロザリア >  
「──………」

こんな雷雨でも来客はあるものだ
城の中のアンデッド達は警戒体勢に入っていない、むしろ……

それどころか灯りを持って案内するように整列し来客…ルーシェに一礼を向けていた

謁見の間に向かおうとしていた足を止め、踵を返す
門を開いた先は開けたホールになっており、ちょうど互いの姿が反対に位置するように向かい合う

「珍しい来客であるな。ようこそ、吾が城へ──」

感じ取れる魔力の波長、最近どこかで感じたか…
そんなことを内心考えつつ、相対する

ルーシェ > 鬼が出るか蛇が出るか、そんな心地で扉を開いていく。
縄張り意識の高い魔族なら勝手に入りやがってと襲いかかってくるか、そんな事を思ってしまう。
開けた後、仁王立ちで待ち構えてみると……城内のアンデッド達が何故か敬礼している。
明かりで紡がれた道すらあり、思わずパチパチと瞳を瞬かせていく。

「ぇ、あ……ぁ、ありがとう?」

そんな歓迎されるような事をしただろうかと思いつつも、道を進んでいく。
すると目の前に現れたのは背の小さな娘。
薄い金色の長い髪に、青い瞳、そして白い肌は人のそれより陶器の様な色合いに感じさせられる。
先日であった吸血鬼の友人を思い起こす姿を、じっと見つめていた。

「……あれかな、人間誘い込む罠みたいな…? お邪魔してます~……えっと、吸血鬼さんかな、多分」

彼女が何を感じ取っているのか、その様子には気付かぬまま明朗な微笑みを浮かべながら答えていく。
相対した状態ではあるも、こちらは特に距離感を気にすることなく近づいていく。
よく見える距離へ、直ぐ側まで近寄ろうとした。

ロザリア >  
「如何にも。吾はここの城主、ヴァンパイアのロザリアという。
 人間を誘い込む罠、というのも相違ない。今宵は生憎の荒天であるがな」

青白い魔力の灯りで照らされた大ホール
そこに在る黒朱のドレスの吸血鬼は優雅にドレスを揺らし、歩み寄る

「先日、タナールにいたであろう。その魔力の匂いに覚えがある」

ルーシェ > 「そっかぁ……殺しちゃう派、それとも従えるかほっとく派?」

この手の城なら興味で飛び込む人間も居るだろうと思えば、納得しつつ笑みを浮かべるも何処か引きつってしまう。
そして一間置いて問いかけたのは、魔族でも人間にどう接しているかの確認。
喧嘩したくない派の自分としては、殺る気満々の相手だと気遣うところは多々あるからで。

「ロザリアさんね、よろしく~。ぁ、私は魔王ヴェパールって言ったほうが分かりやすいかなぁ。でも、ルーシェでいいよ~、あんまり魔王感出してると疲れちゃうし」

彼女の自己紹介に釣られるようにして、名を名乗っていく。
魔王としての呼び名の方を先に伝えるも、言葉通りにあまりしっくり来ないのもあって、誤魔化すように笑う。
あっけらかんと軽いノリで笑うのも、あまり魔王っぽくないと言われる要因というのも忘れて。

「わっ、広いねぇ……ん? ぁ~居たよ。噂の第七師団の一番偉そうな人? と少し喧嘩しちゃって大変だったよ」

明かりが広がり、天井高く広いホールを見渡しながら子供のように驚き、瞳を丸くする。
屋敷もこれぐらい派手にしたら魔王っぽく見えるかなと考えつつ、首を傾けたところで掛かる声。
嗚呼と言った様子で思い出しながら答えると、ちょっとした事故の様に語りながら、噂話の前のように手招きの如く掌を揺らしていった。