2018/02/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/廃公園」にカインさんが現れました。
カイン > 「…不覚。飲みすぎのせいで二日酔いとかいつ以来だ、数年ぶりな気がするぜ」

貧民地区の中心部から随分と離れた廃墟街の一角。
老朽化した廃墟しないせいで、治安を悪くする原因である
住人すらほとんど存在しない忘れられたような場所に、
ひっそりと公園の跡地が存在している。
そこに小さなぼやきと共に現れる男の姿があった。
本人の言葉通り、どうにも体調がいいようには見えない。

「繁華街とかのあたりは数か月どころか数日で道が変わってたりするが、
 この辺は道が変わらんから楽でいいな」

何せ増改築する者がいない。古くから貧民地区に生きている人間は、
廃道を移動する者がいるというのも納得だと考えながら、
手にした袋を地面に放り出して両手を開けると徐に腰に掃いた剣を静かに引き抜いて正眼に構え。

「ここならだれの邪魔にもならんだ、ろっ!」

呼気と共に剣を一閃する。
金属が鈍い光を反射しながら空気を切り裂き、水平に刃が走ったかと思えば、
切り上げ、切り下げ、そして元に戻る。
まったく同じ動きを寸分たがわぬ動きで繰り返すそれは、見る人間が分かれば形稽古と判るだろう。
逆に何の心得もない人間にしてみれば下手をすると奇行にしか見えないかもしれないが。

カイン > 同じ動きを繰り返し、敵を攻撃する所作を自分の体に慣らしこんでいく。
何千、何百と繰り返した動作を繰り返す度に自分の神経が研ぎ澄まされ、
二日酔いで散漫になった意識を取り戻せるのを自覚する。
とはいえ、気怠さが消えるわけではないので本調子とは言い難いのだが。
小半時も同じ動きを繰り返し、軽く汗の滲む程度に体を動かせば剣を下ろして息を吐く。

「ふう……やっぱ酔い覚ましにはこれが一番いいな。街中じゃやれる場所がないのが難点だが」

春先を感じさせる温かな風を身に受けながら、
大分マシになった体を確かめるように軽く手を開閉し、
握力が戻っていることを確認した後手にした剣をジャグリングでもするように、
放り投げて持ち替えてから無造作に剣を一閃する。
それだけで飛んで来た木の葉が真っ二つに分かたれ。

「とはいえ、イマイチ調子がよくないな」

その結果に不満そうにぼやいて二の腕を軽くたたく。

カイン > 「運動して気分もよくなったことだし酒でも…いや、やめとこう」

剣を収めながらすいた小腹を満たそうと、
口に出した言葉がそれだった。
即座に自分で否定しながら首を横に振る。
迎え酒は事を悪化させるだけであるというのはよく身に染みている。
バカなことをする暇があったら眠りでもするかと、
踵を返して路地裏へと消えていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/廃公園」からカインさんが去りました。