2017/08/22 のログ
ご案内:「森奥の小川」に火棘さんが現れました。
■火棘 > 裸足の脚を小川に浸し、涼んでいた
大きめの石の上に腰を下ろし、靴もカバンも地面において
脚先を揺らしながら、流れてくる小川の水の流れを感じてる
岩の上で後ろ手に手をついて、川沿いは夜空も見える
周囲の木々の葉を揺らす音と、水音くらいしか聴こえない
腕の支えをやめて冷たい岩の上に仰向けに寝転がれば
足元は川の水で、上半身も岩の冷たさがちょうどよくて
ご案内:「森奥の小川」にレイカさんが現れました。
■レイカ > 夜になっても、里一帯の気温はなかなか下がらなかった。
季節はまだ夏なのだから、仕方がないといえば仕方がない。
何とか、風の通りもよくして少しでも涼しくしてはいるけども、それでも限界はある。
ただ、今私が困っているのはそんなことじゃなかった。
とても由々しき事態、里の井戸に水が来なくなってしまったのだ。
簡易的な水路を作り、ちゃんと水が供給できるようにはしているのだけれども、どうやらその水路が壊れたらしい。
おそらく先日の大雨が原因だろうとは、簡単に予測がついたけれども。
「……このあたり、でしょうか。」
もし、雨で水かさが増えて水路が壊れたならば、この辺りにその残骸があるはず。
あの雨から少し時間が経っていて、小川の水はずいぶんと透き通っていた。
流れも穏やかだし、足を滑らせて溺れる、なんてこともなさそうだ。
私は水路に使えそうな、枯れ木を探しながら小川を散策し。
そして、意外な人物にあっていた。
「あれ……カキョクさん?」
■火棘 > 「ん―…?」
静かなこと涼しいことが重なり、ついウトウトしそうになってた
寝てもないから、寝起きの不機嫌などなくて
自分の名前を呼ぶ声に、視線をむける
見知った彼女を見つければ、このような場所で合うのは初めて意外だったから
少し驚きつつも起き上がり
「レイカ、どうした?このようなところでなど珍しいな」
硬い石の上に仰向けになってたら、固まりそうな体を伸ばしつつ
つい、嬉しそうに笑みを浮かべながら
■レイカ > さすがにこの辺りまで来ると、夜でもヒヤリとした風が吹いていた。
あの里の場所は広く開いているので、クラス分には畑もできるし、そこまで不自由はない。
ただ、盆地になっているのかわからないけれども、非常に夜に熱くなるのが欠点だった。
風通しを良くして、少しでも熱がこもらないように。
熱中症や、水分不足が起きないように水の確保だけは、優先的に行っている。
水路を作り、井戸を掘ったのもそのためだ。
小川という、天然の水が常に里に行き届くように管理するのも、私の役目。
「ええ、実は里でちょっと問題が起きたので、その解決に。
カキョクさんは…もしかして避暑ですか?」
驚いた、ファイアドラゴンであるはずのカキョクさん。
その彼女が、まさか小川で涼んでいるなんて。
さっき、少し眠そうにしていたけれども、もしかしてここは彼女の寝床なのだろうか。
私は水路に使えそうな枯れ木を集めながら、そのように尋ねた。
彼女はもう、私の親しい友人のようなものだ。
恐怖とか、そのあたりの感情は一切ない。
■火棘 > 「問題?またなにかから襲われたりしたのか?」
少し前に、あの一団は燃やし尽くしたから、新手でも来たのかと
目つきも鋭くなる、彼女に対してではなく…あの里を荒らすモノへ向けて
「私も涼むこともある…人だと、人の体温も少し高くなるし
水に浸かれば涼しいとも感じる」
水流の感触もだけど、自分より低い温度は、涼しいと感じるくらい
竜でも人の姿でも体温調整はできるのだけど
枯れ木を拾ってる姿を眺めながら軽く脚を組んで
■レイカ > 「いえ、違いますよ。今のところ、襲撃は起きてません。
里へ引いてる水の道、水路に少し不具合ができたので、其れの様子を見に来たんですよ。」
風の精霊が教えてくれた、あの後。
森の出口付近で、真っ赤に燃える炎が上がり、人間の一団が消えてしまったこと。
もちろんそう仕向けるようにしたのは私、そしてそれを見て見ぬふりをしているのも私。
だが、それに関して罪悪感のかけらも、私は感じていなかった。
むしろ自業自得、ミレーに仇名す物だからこそ、私はむしろ一言だけしか思い浮かばなかった。
『ざまをみろ』……と。
「そうなんですか…意外ですね。
ファイアドラゴンは、水が苦手だと思っていましたよ。」
見つけた、水路の木だ。
ここをたどっていけば、おそらく穴が開いている場所か壊れている場所があるはず。
この近くで壊れている様子はないし、だとしたらこの先だろうか。
「カキョクさん、よかったら里に来ますか?
この前いただいた、クコの実のクッキーがまだ残ってますよ。」
■火棘 > 「そうか、よかった…、また何かあれば、すぐに呼べばいい」
明らかにホッとするように、睨みつり上がったまゆも下がる
指差すのは渡した鱗で作った笛、いつでも駆けつけると約束したのだから
「苦手ではないな…苦手なものか…爺の小言かな」
口では負けてしまう相手、里にいる爺と嵐竜の爺扱いしてる者
思い出しては、ちょっと嫌そうに顔をしかめながら
「水か…大事だものな、ルーでも呼べば水くらいどうにかしてくれるのではないか?」
彼も彼女の話をしてたし
なんとなく、気に入ってるような気もしてた
「ん、行く…では私からもいいものをやろう」
岩の上から降りて、靴を履く置いてたカバンを持ち上げて
川上にあがるのであれば、ついていくしと
■レイカ > 里へ引いている水路、途中まではちゃんとその道が通っていた。
夜の道で分かりにくいし、いつもはちゃんと巧妙に隠している。
この辺りは人間が通る道ではないにしても、痕跡はできる限り隠しておきたかった。
いつ、どういう事情であの里が発見されるか、わかったものじゃない。
この九頭竜山脈で、あんな人工物があると知られたら。
「ええ、その時はよろしくお願いしますね。
ああ、ルーフェンさんですか…、確かにあの人の小言はきつそうですもんね。」
思い出しているのは、最初の出会いだった。
射かけてしまった後で、私は少しだけお説教を受けた。
そのお詫びという訳じゃないけれども、里に招待して少し食事を提供した。
もっとも、その射かけたことへの復讐として、高いところが苦手だということを、逆にカキョクさんに伝えていたようで。
わりと気さくなドラゴンなのかもしれないと思うのは、言うまでもなく。
「…いえ、自分たちのことはできるだけ自分たちでやろう。
そういって、私たちはあそこに居を構えたんです……って、いいものですか?」
だから、できるだけルーフェンさんやカキョクさんの力は借りないつもりだった。
もう、防壁は完全に完成している。
あの防壁は、ありえないかもしれないけれども攻城兵器にすら耐えられるようにしてある。
そして、ここのところ…どういう訳か空の侵入もあり得なくなっていた。
里の人が言うのだ、襲撃が比較的頻繁に起こる時間になると、空が緋色に染まると。
里に戻っていくさなかに、私は水路の壊れた場所を見つけた。
カキョクさんを制止し、そこの修理を始めながらも彼女の言う、いいものというのが少し気になっている。
■火棘 > 「…そう…チクチク言うのだ…しかも正論であるから、言い返せない」
あたり、とばかりに彼の名前が出てきたら
思い出しては小言や、説教も…身を案じてのこととわかってるし
長く人の世で生きてる彼の言葉は、正しくもあり
気を許してる彼女の前でもあり、感情はわかりやすく顔にも出てて
「でも、ルーとも話をしたが…私ができる範囲では
レイカの里は守る、ルーは私を守ると言っておったからな
結果的に私らで守るということになるな」
これは勝手に話、勝手に決めたこと
彼女がどう言おうと、お気に入りを守ろうとするのは自分も彼も同じだから
「いいもの、じゃ…このへんにもあるのかの
この先の季節には温まるものぞ、肉の餡を饅頭でつつんで蒸すのだ」
カバンの中に入ってるもの、少し温めれば蒸したてと同じように食べれる
彼や、彼女に食べさせたかったから、彼女に会えたのはちょうどよくて
脚が止まり、水路の壊れたとこを見つけ
しゃがみこむようにして、修理を見守りながら説明をして
■レイカ > 「ルーフェンさんは、カキョクさんよりも長く生きているんですね。
私もそれなりに長く生きていますけど…きっと、彼方達に比べたら赤ちゃんみたいな年齢でしょうね。」
私はエルフだから、人間よりもずっとずっと長寿だ。
そんな私でも、きっとルーフェンさんやカキョクさんに比べたら、本当に子供みたいなものだろう。
長く生きている彼らに助力してもらえるのは、本当はとても嬉しい。
あの里に、最高の門番がいるということになるのだから。
「………そうですか、其れなら仕方がないですね。
じゃあ……よろしく、お願いしてもいいですか?」
里には、傭兵団が時々駐屯している。
だが、彼らはいないときのほうが多いし、その場合は私が一人で護ってきた。
精霊の力を使い、できるだけ早く発見して先手を取る。
そうすることでしか、私が大勢に勝つのは難しい。
だけど、この二匹の龍が里を護ってくれる。
最強種であるドラゴンが護ってくれるともなれば、もう心配することは何もない。
「あ……もしかしてお饅頭ですか?」
なるほど、確かに寒くなればこれはとてもいいものだ。
保存を利かせるために、里に帰ったら冷たくしている保存庫に置いておこう。
水路は、簡単な修理で治りそうだった。
地下水を見つけられたらよかったけれども、あいにくそこまでのことはできない。
だから、こうして原始的な方法で、水を引くしかないのだ。
■火棘 > 「ん、数百年眠ってたそうだ…今は眠そうにしてることもあるけどな
いつも眠そうだし、爺だし…まあ、いい雄じゃ」
自分も彼のことを詳しく知ってるわけでもない
話してくれたことから考えると、一人で目を覚ましても世は変わって寂かったのではないかと
「任せておけ、小さな子もおる場所だしな」
彼に言われた覚悟ということ、自分の目の届くとこでは彼女の守るものを
同じように守ってやりたいことで
「んー…この辺ではなんというのか知らんが、肉まん?とかならわかりやすいか?」
どちらかといえば、中身は肉だから軽食になりそうなものか
お菓子などではないのは、確かで
「蒸し直せば食べられるからな、これは私の里では、小さな子も大人も好きなのだ」
修理を進める彼女を見ながら、彼女の集落の子が喜ぶのを想像しては
楽しげに
■レイカ > 「数百年……ですか、本当に途方もない時間ですね。」
私も年齢よりもはるかに上だった。
そんな彼の知識は、きっと役に立つ時も来るだろう。
もし気が向いた時には、少し防壁に関してアドバイスをもらうのも、悪くはないかもしれない。
「このあたりでも、その名称は変わりませんよ。
というよりも、その呼び方以外私も知りませんしね。」
この里では、これを作ることはできない。
理由は簡単、材料が存在しないのだ。
ただ、蒸し上げることは何とかできなくはないはずだ、火を起こすこともできるし、
だからこそ、里の子供たちにも食べさせることができる。
もう少し寒くなってから、里の皆で食べるとしよう。
修理を終えて、私はゆっくり立ち上がった。
「あ、そうだ…カキョクさん。
実は、里に名前を付けようと思ってるんですけど…何かいい案はありますか?」
あの里を護る二匹の龍。
それにちなんだ名前を、私はつけようと思っていた。