2017/06/09 のログ
ご案内:「川」にオーベさんが現れました。
■オーベ > 川岸の岩の上に胡座を組むようにして釣り竿をしならせるようにして魚の位相な場所へ餌を打つ
頭の上に乗せた子ザルにぐいぐい、と髪を引っ張られながらも流れる川の水面を眺める
先程まで、側にいた老犬も子猿を嫌ってか、森の方へ姿を消してしまった
「もうじき、もうじき釣ってみせるからな」
新調した釣り針を試すため、朝早くから清流へと赴いたが既に陽は高く…釣果の方と言えば、カラキシであった
自分よりも早く、同じ場所で釣っていたミレー族のご老体は五匹も六匹も手際よく釣り上げると、
『先に失礼するよ、お若いの』と折り目正しく頭を下げて陽の高くなる前に森の方へ消えていった
「魚はいる…いるはずなんだ…」
目を凝らせば、きらきら、と水中で陽の光を浴びて光る魚影が見える…しかし、そこへ餌を打っても
これが一向に食いつかない…そんな様子に首を捻っていれば、どこからか小猿が物珍しげにやってきて、
こうしていつ、餌に食いつくのか、と今か今か、と魚が餌に食いつくのを1人と1匹で待った…
いや、子猿の方はどういうつもりなのか、わからないのだけれども
■オーベ > そうして、もう半日…日が暮れる時合いまで何度も釣針を川へと打ち込むものの…この日は一向に魚がかからない
飽きたのか呆れたのか頭の上でぎゃーぎゃー言っていた子猿はいつしか森に帰り
それと入れ替えに森から老犬がひょっこり姿を表し、物言いたげに此方を見上げる
こうなると意固地になって後一度だけ、後一度だけ、と繰り返すが、やはり魚は釣れず…
ヨタカの鳴き声が聞こえ始めればようやく諦め、森の奥の小屋へ引き上げていくのだった……――
ご案内:「川」からオーベさんが去りました。