2017/04/16 のログ
ご案内:「廃墟」にルーフェンさんが現れました。
ルーフェン > 森の奥、シンと静まり返った騎士団の古い砦は今では見る影もなく
幾度も、外敵の侵入を拒んできた壁が残っているだけで、蔦は絡み放題、草は生え放題と言った具合である
それだけ、荒れ放題にも関わらず周囲には小動物一匹の気配もなく時折吹く風だけが、
草木を揺らして小さな葉音を立てている
山賊が身を隠すにはまさにうってつけであり、騎士団の秘宝が眠っていそうでもあり、
あたりに生える草花には薬効があるのかもしれない


小動物一匹近づかない理由
それは時折、辺りに低く鳴り響く地鳴りのような音であった
…その音の正体は、単純に腹を空かせた男がピクリ、ともせず、壁の際に倒れており、
稀に未だ生きていることを知らせるように腹を鳴らしているのであった

「…った……ら…へ…」

ごそごそ、と時々身動ぎしながら念仏のように呟く声も風に打ち消されてしまう
行き倒れたドラゴンの命の灯火が今まさに消えそうになっているのでありました

ルーフェン > 元を辿れば、数日前
興味本位で潜った地下遺跡…それも、このあたりでは無名遺跡と呼ばれている地下深層での激しい戦いが原因であり、
刃を交えた相手は、古代の神々が作り出した超魔術兵器だったかもしれないし、
人類滅亡を掲げた怪しい集団が復活させたちょっとお寝坊な魔王様だったかもしれないし、
人類救済の旅を続ける勇者一行であったかもしれない

どちらにせよ、なんにせよ、大空を縦横無尽に翔ぶドラゴンが土と溶岩と岩だらけの地下遺跡深層で、
ドラゴンの姿となり、伝説の一端になるような…或いは御伽噺のような…ひょっとしたらくだらない
笑い話のような戦いを繰り広げて決着も定かならぬまま、その一方がこの場で地面で列をなす蟻を
虚ろな瞳でぼんやりと眺めているのであった

大空を翔ぶ種のドラゴンが地の底で戦ってはならない

結局、何と戦ったのかは定かではないし、覚えていないのだが、きっとあの遺跡に降りる何者かが、
自分と戦った相手を打倒してくれるであろう…たぶん、きっと…

ルーフェン > …廃墟の周辺ではしばらく謎の地鳴りが続き、周辺を通りがかった冒険者も気味悪がったとか…
ご案内:「廃墟」からルーフェンさんが去りました。