2016/12/19 のログ
ご案内:「ドラゴンフィート・組合の施設」にアーヴァインさんが現れました。
アーヴァイン > 城で激戦を繰り広げてから数日後、今日の仕事を片付け終え、飾り気のない机を前に古びた椅子を軋ませながら座り、無言のまま天井を見上げている。
彼等の族長たるとても大きな鳥から聞けた言葉は、想像以上に危うい自身の現状を語った。
人でありながら、人以上の力を求め、それが身体に宿せるほどに魔力のコントロールが行えたから起こせたのだという。
問題は、このヒビだ。
人でありながら人を超えたツケは身体に起きていた、これは目に見える器のヒビ。
これがあとすこし広がれば、お前は死ぬだろうと。

「……」

義妹も同様のことが起きるかもしれないと懸念されていたとも、その時に初めて知った。
自分も義妹も、人間にしては純過ぎるらしい。
義妹は人を憎むことも、人を嫌うことも、全て悪と断じて綺麗であろうとした結果…壊れてここを去った。
自分はと言えば、誰もが平等だと誓った言葉に準じて、命を落とそうとしている。
全く間抜けだろう。

「とはいえ…これを失うわけにもいかない。それに死ぬにもまだ早い」

遅かれ早かれ、こうなることだった。
力のある魔族と戦っていれば、その時に自分は限界を超えていただろう。
早かっただけ、対策ができると喜ぶべきかと苦笑いが零れた。
この力を完全に制御し、死なずに保つこと。
そしてもう一つ、もっと力がいる。
自分と弟は、恐らく魔族に対してのカードになるが、他の仲間達は一人ひとりでは対抗しきれない。
無論、争うつもりはないが、ただ力を行使したい輩がこちらを狙ったなら…無力はあまりに無謀。
それに、力があれば争う事にメリットを与えさせない。

「…スノウフルーフか」

争わないために力を高める必要があると考えながら、報告書にあった鳥の名前をつぶやく。
雪荒ぶ地方に住まうという、リトルストーム達の同族。
彼等のいう住処と、ここでの地形に整合性も取れたが、周辺の荒れ様に班を動かすのを躊躇っていた。
……仕事のことを忘れるための時間だと言うのに、結局考えてしまう自身に呆れたように溜息をこぼす。