2016/12/15 のログ
ご案内:「演習場」にステファンさんが現れました。
ステファン > 馬の腹を軽く小突いてやればゆっくりと歩きだす
遠くでは槍を持った兵が隊列を成し声を上げている
もう一方では的に向けて弓を引き、もう一方では若い騎士たちが馬に跨り一団となって素早く
陣形を変えながら移動していった…

いつも通り、執務室で事務仕事をしていれば、戦傷から復帰し訓練に戻る兵たちを激励して欲しい
と、頼まれ演習場まで足を伸ばした…士気が上がったかどうかは判らぬが、激励のスピーチを終えれば、
後はもう、お役御免…武門の誉れ、とさえ言われた家の出身であったが訓練の場にいても、
さほど役には立たないであろう自覚はあったから、演習場を伴も付けずに久々に愛馬に跨り、見学していた
自分を知る者が遠目に此方を見ればギョッとしたように肩を竦めてから、何だ…、と明らかにホッと
する様を眺めるのが面白い、というのもあったが、このまま執務室に戻れば、また忙殺するのは間違いない

…と、なれば愛馬の運動も兼ねてこうして視察のような見学のような冷やかしのような事をしているのであった

ステファン > 武術はからきしだが馬は好きである
小さい頃、父に最初にせがんだのは馬であったし、武術ほどに馬術の方は劣等、という事はなく、
下手すれば亡くなった父や兄より、上手く馬を乗りこなしてみせた…馬上で戦う、となれば話は別であったが

「…訓練している兵たちはどこに配属されていくのだろうね…?」

青毛の愛馬に語りかける
タテガミを編み込まれ、綺麗にブラッシングされた愛馬は如何にも貴族が騎乗しそうな風体であるが、
戦場で如何に動くかをしっかりと調教されており、少しのことでは動じない
ただ少々、小奇麗であったから若い騎士や歴戦の騎兵、と言った風体の兵には笑われてしまうのだった

「…まあ、それでも良いさ。そら、少し駆けようか?」

軽く手綱を絞り、脇腹を小突く
乗り手の意図を汲んだ愛馬が次第に歩測を早めてスピードが乗れば、勢いをそのままに柵を飛び越えた
飛び越えた所で、スピードを落とし輪乗りすれば、首筋を軽く叩いてやり

「…よしよし、ずっと厩舎にいたにしては今のはよく身体が伸びていた…」

大した馬だ、と思う反面、乗り手が私ではな、とも思う
僅かに浮かんだ苦笑に冷たい風が吹き抜けていき、浮かんだ表情を拭い去る
再び馬を御して柵の内側に沿って歩きだす