2016/12/11 のログ
ご案内:「山小屋」にオーベさんが現れました。
オーベ > 暖炉で火の爆ぜる音がする。窓からさす光は暖かいが外に出れば寒いのであろう、時折、窓硝子を叩くような風が吹く
椅子に座り、何時しかうたた寝をしてしまっていたらしい…ズボンの裾を強く引かれると、
椅子からずり落ちそうになってしまう寸前で目を覚まし、なんとか踏ん張った
犯人は判っているのだけれど、テーブルの下を覗き込めば、パタパタと尻尾を元気良く振る小さな獣…
青みがかった毛並みに四本の足は靴下を履いているように白く、同じように尾の先もまた少し白い

「…さっき、ご飯あげたばかりじゃないか…」

話が通じるわけではないけれどそうゴチた
未だにぐいぐい、とズボンの裾に噛みつき引っ張るので足元が危うい
ちらり、と暖炉の熱が程よく届く位置に陣取る老犬に助けを求めるような視線を送れば、
鼻を鳴らしてそっぽを向いた…拗ねているようにも見える、がやはり真意は測りかねる

「オマエ、あそこで寝てる爺さんに遊んでもらえよ…」

やれやれ、と思いつつ足元に戯れる獣…小さな狼を抱き上げれば、嫌がって腕の中で暴れに暴れる
…が、それも慣れた様にあしらえば、抱いたまま食料の貯蔵庫の方へ向かい、どこにあったかなー、と収納を漁り始めた

オーベ > 棚を探れば砕いて菜園にでも撒こうと思っていた骨を見つけ出す
すん、と鼻先に近づけて匂いを確かめてみるが、嫌な匂いはしなかった
暴れる狼をなんとか抱きつつ暖炉の傍まで戻れば、骨を少し離れた所へ投げ起き、
それから暴れる狼を下ろしてやると、ぱ、と骨の方へ駆けていき戻ってこない
噛み砕けるほどには育ってないからガジガシ、と噛りながら遊んでいるのだろうと思う
ズボンの裾は少しかじられて生地が解れていたが、これ以上の被害は無さそうである

「…野生生まれってやっぱ、地力が違うな」

感心するような呆れるような声色で零せば、温くなってしまっているお茶を飲む
あの小さな狼を自分で育てるか野生に帰すか、ぼんやり考えなていれば、そのうちにまた眠くなり始め……――

……――強い力に足を引かれ、びり、という音で目を覚ませば噛み切られたズボンを眺めて、やれやれと溜息を零すのだった

ご案内:「山小屋」からオーベさんが去りました。