2016/08/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 郊外」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 「ふむ…」
王都の付近で釣りとかどうだろう?そんな考えが浮かんだのはつい先ほどだ。
人目の付かぬ場所で身を浮かべ、周囲を見渡せばこの河川を見つけたのだが…
「…釣りをするには、ちと浅過ぎじゃのぅ」
遠目に見た時に、妙に人影が目に付いたが気にしなかった。
が、考えてみれば…浅いからこそ、こうして人が集まっているのではないか。
川遊びに勤しむ子供達を眺めながら、はふん、と溜息をついた。
うん、釣りとかいう話じゃない、子供が遊んでいる川でそんな事が出来る訳がない。
■タマモ > 場所的に王都から離れている訳でもない。
まぁ、親が同行すれば危険も無さそうな場所だろう。
適当に座れそうなほど良い大きさの岩に腰を下ろし、ぽんっと唐傘を出せば照り付ける日を遮るように差す。
扇子は…それなりにいい風が吹いている、要らないか。
くるりくるりと唐傘を回しながら、まだ日も高い中、水の中で遊ぶ子供達に視線を向け直す。
風があっても暑い、あんな風に水の中で遊べれば随分と涼しいのだろうが…
見ている大人達は誰一人水遊びに参加せず、少し離れて眺めているだけだ。
そうなると、さすがにいい大人が一人だけ子供に紛れて水遊びとか、非常にやり難い。
ちくしょう、お前達も参加すれば良いだろうに。そう思わずにはいられない。
ご案内:「王都マグメール 郊外」に椿さんが現れました。
■椿 > 「は~ほんまに暑ぅおますなぁ、せやけど石ばっかりの都の中より都の外のほうがなんぼかましやねぇ」
店を閉めてみたものの、王都の中では風通しも悪く室内の温度は高い。
こらかないませんわぁと涼みに王都の郊外まで椿は歩いてきた。
からん、ころん、と変わらずに下駄がゆったりとした音を奏でてその歩みを知らせている。
石畳のように整地されていない地面は、その下駄の響きとともにじゃりじゃりと砂利を踏む音も混じっている。
「あらまぁ、お子さんらはえろう涼しそうやねぇ。うちも仲間にいれてくれはる~?」
サラサラとせせらぎの音とともに、水遊びに興じる子供の笑い声が聞こえてくる。
そちらの方へと歩みを進めれば、声の主たちがはしゃいでいる姿が見えてほんわか笑みを浮かべると椿はその傍へと歩み寄って。
親御さんとおぼしき人々に、どうもぉと会釈をすると子供たちに声をかけて自身も下駄を脱ぐと着物の裾をたくし上げて足を水に浸していく。
妖狐の少女の距離がどれほど離れているかはわからないが、椿が子供たちの輪に加わったのはおそらく見えているだろうか。
■タマモ > ぴくり、と耳が揺れる。
変わった音が聞こえた、というよりも、懐かしい感じのする音が聞こえたからだ。
軽くそちらへと視線を向けてみれば、なるほど、と納得する。
己と同じ着物姿の人間らしき人影が河川の方へと近付いていた。
「はて…珍しいものよのぅ…」
前にある妖怪と出会ったが、その者でさえ着物でなくこの地に合わせた衣服であった。
自分と同じ、拘りとかがあるのだろうか…シェンヤンという場所にも着物は無かった、自分が語っている東方とやらの者だろうか?そう考える。
…というか、そんな事を考えている中、気が付けば大人達と言葉を交わし子供達に混じろうとしていた。
いや、むしろ、しっかりと混じっていった。
「………」
沈黙、人が混じるのを躊躇っていたところをあっさりと混じった相手に、えー?といった感じになった。
耳と尻尾がへにゃりとへたる。
ちなみに、どちらからも視線さえ向ければ普通に見える距離だ。
■椿 > 「あはは、冷たっ、ほなお返しや~」
子供たちの輪にあっという間に馴染んだ椿は、子供たちから水をかけられて其の後、その倍ほどの水を子供たちに掛けて笑う。
大人げないことこの上ない。
「……あらまぁ、珍しいこともあるもんやねぇ。」
ふと、視線をあげたところでぱちりと妖狐の少女と視線があった。
実はこちらの方向へ歩いてきたのは偶然ではない。気になる気配があったからだ。
しかしながら、涼しそうな子供たちの様子に意識は完全にそちらへと移っていた。
視線の合った少女は、己と同じように着物を身に着け、見慣れた唐傘をさしている。
おそらく気配の主はこの少女だったのだろう。
「ちょいとそこのお姉さんもどうえ~?冷とうてきもちええよ~?」
へにゃりとへたった狐耳と尻尾。
あれは遥か東の方の国にいる妖狐というやつだろう。
いや、確か東の国だけではなく、この国の隣のシェンヤンや、この国自体にも妖狐の類はいるのだろうけれど。
のほほんと笑みを浮かべると、ちょいちょいと手招きなんかしてみようか。
■タマモ > あぁ、この暑い中、とても涼しそうな光景だ…光景だけで、自分は涼しくないが。
…だけど、裾を上げて水に浸かるまでは良かったが、水をかけられて濡れて、後をどうするのか…という考えもあった。
いや、まぁ、自分が心配しても仕方ないのだが。
「む…?」
色々と考えを巡らせていたところで、視線の先の少女と視線がかち合った。
意識が子供達からこちらに向いた、それはすぐに感じれる。
「………ふむ。そうまで言うならば、仕方ないかのぅ」
声がかかれば、こう…理由付けが出来たと考えつつも、声をかけてきたのだから応えなければ、なんて感じに呟いた。
…別にそこまで強く誘っているようには聞こえなかったが、気にするな。
よいせ、と腰を上げれば、ゆっくりとした足取りで近付いていく。
まぁ、相手がこちらを見て考える事なんてものは、自分と似たような相手がどんな者かという考えだろう。
どう思っているか、とかは気にしない事にした。
…あ、なんか見覚えのある子供が居た、確か広場辺りだったと思う。
近くまで寄れば、それに気付く。子供の一人が、こちらを見たとたんに尻尾のお姉さんとか言ったからだ。
…いや、違う、それは違う。勝手に尻尾とか言うんじゃない。
そう言いたかったが、尻尾で遊ばれた時にも言わなかったのだ、今更言っても仕方ないとツッコミはしなかった。
「暑い時間帯じゃ、それだけ水を浴びれば涼しいものじゃろうな?」
水辺までは寄るが、まだ履物は脱がず佇んでいる。
…というか、こうして近くに居るだけでも、それなりにひんやりとして涼しさを感じるものなのだ。
水浸しになっているだろう少女を、子供達共々見遣りながら、声をかける。
■椿 > 「尻尾のお姉さん?ほんま立派なお耳と尻尾どすなぁ。」
声をかければ、狐の少女はゆっくりと水辺へと近づいてきた。
それに気づいた子供のあげた声に、うんうん頷いてそのもっふもふの尻尾を褒めた。
夏毛でボリュームダウンしているのだろうが、それでも立派にもっふもふだ。ついでに耳も短い毛が触れば天鵞絨のような肌触りがえられるのだろう。
「涼しゅうて気持ちええよぉ。ほれ、おねえさんも一緒にどうえ?」
水辺まで近寄ってきたものの、履物を脱ぐ気配はみられない。
ん~?と首をかしげて少女をみやり、子供たちと視線を交わしあうこと数舜。
せーのっと水に手を浸して、寄ってきた少女めがけてバザー―っと勢いよく水をかけていく。
■タマモ > 「………お主、話の分かる者のようじゃな?
そうじゃろうそうじゃろう、妾の耳と尻尾は自慢なのじゃ」
多少の縮みはあろうと、もふもふ感は健在の尻尾である。
いや、それが自慢という訳でもないのだが、褒められればふふんっ、と偉そうに胸を張る。
「あー…いや、こうして寄ってみれば、案外こうでも涼を得られるようでな?
わざわざ濡れてまで、という程………そうはゆくかっ!」
実際に思ったより涼しい、言葉の通り後を考えて濡れるよりもこのままの方が…と主張しているところに、少女と子供達から感じる気配に、ぴくりと反応する。
各々の手が、川の水を掬おうと浸される、それがこちらへとかけられる、その瞬間を狙って…
「その程度のもの、妾にかかれば…ぷああああああぁっ!?」
ふっ、と鼻で笑いながら余裕の笑みを浮かべて避けようとする。
が、この戦いの緊張感のない場では、いつもの絶対的な回避能力は皆無だった。
ざばーんっと、あっさり水を引っ被る。
その後には、ほぼ全身水浸しの九尾狐の姿があった。
■椿 > 「うんうん、さぞかしもふもふしたら気持ちええやろねぇ。特に冬場はえりまk…いやいや、なんもいうてへんえ」
ふふんっと胸を張る少女に、うんうんと頷きながら椿も続ける。…続けすぎて思い浮かべた余計なことを言いかけてこほんと一つ咳ばらいをして誤魔化す。
「あはははは、これであんさんも仲間入りどすなぁ。立派な濡れ鼠ならぬ、濡れ狐様やぁ」
こちらの動きを察した少女が回避しようとする動きを見せる――しかし。
鼻で笑って華麗に回避、とはいかなかったようだ。
子供たちと共謀してひっかけた水の量は多く、頭の先から尻尾の先まで水も滴るイイ女が出来上がったわけだ。
子供たちと一緒になって椿は腹を抱えながら、コロコロと笑う。
■タマモ > 「うむ、それはもう気持ち良いものじゃぞ?妾とてよく分かっておるのじゃ。
………ほほぅ?」
実際に、幼少時代に母の尻尾でもふもふしたものである。うんうんとそこは頷いた。
が、その後に続く言葉に、ぴくりと眉が揺れる。
特には言葉は紡がぬが、にっこりと笑みを浮かべた。
「…よい度胸じゃ、小娘に小童共!
妾の本気というものを一つ見せてやろうではないか…!」
とはいえ、言葉通りに本気になる訳にはいかないが。
もう濡れているのだから意味が無い、履物と足袋とを共に脱ぎ去れば、ばしゃーんっと勢いよく水辺に飛び込む。
同時に飛び込んだ辺りの水に力を込め、少女や子供達へと飛び散る水飛沫の中の、少女に掛かる水にだけ細工を施す。
子供達には普通に掛かる水飛沫が、少女に対してだけ水増しして勢いよく襲い掛かった。
それはもう、頭の上からしっかりと、自分同様に濡らすようにだ。
■椿 > 「よろしゅおすなぁ、夏ですらもふもふは魅力やいうのに冬のその温かさと手触りは想像するだけで気持ちようなるわぁ。…堪忍堪忍、うちの黒猫さんを冬は襟巻にしたら気持ちよかったんよ。それはそうと、お姉さんの尻尾は襟巻にできるくらい長いん?」
うんうんと頷きながらの力説に、椿もうんうんと頷いて。
失言に対して少女の肩がピクリと揺れて不穏な笑みが浮かぶ。
笑いながらまあまあと少女をなだめながら、口が滑ったことを詫びる。
「あらまぁ、尻尾のお姉さんが本気になってしまわはったわぁ」
びしょ濡れになった少女が、ばしゃーんと水辺に飛び込んで臨戦態勢だ。
きゃーっと子供たちが歓声をあげて逃げ惑う。
「あら、あらら、あららら??なんや、うちの方にえろう水がわぷっ」
びしゃ、びしゃしゃ、びしゃしゃしゃ!
子供たちに飛び散る水しぶきと椿に掛かるそれは明らかにその量が違う。
あれよあれよという間に椿も少女と同じく頭の先から足の先までびっしょりと水に濡れてしまった。
「おもしろいお人やなぁお姉さんは」
そんなことで負ける椿ではなかった。びしょ濡れになりながらかがむと、少女の顔目がけて思いきり水を跳ねさせる。
狙い通りいけば、少女の顔面にこれでもかと水をひっかけることができるのだが果たして。
■タマモ > 「というか、この尻尾は力の象徴じゃ、あんまり気安くもふもふするものでもないんじゃがのぅ?
いやいや待て待て、本当にそう思うておるなら襟巻きから離れたらどうなんじゃ!?
…まぁ、長さは十分あると思うがな?」
とりあえず、褒められて悪くもないのだが、それだけは主張しておいた。
このままの話の流れでは、気安くもふもふ出来る場所なんて思われてしまわれかねない。
そして、詫びつつも襟巻きに拘る少女に、ばしゃーんっばしゃーんっと水面を叩いた。
でも、しっかりと問いには答えているところがあれである。
「ふふんっ、首謀者には相応の応報があるものなのじゃ、参ったか?ん?」
すっかりと水浸しになった少女に、再び胸を張って言葉を紡ぐ。
まぁ、身長的に水量の差はあるが、皆が皆同じような感じだろう。
とはいえ、少女にだけは細工が施されている。
それが気付く事も無いならば、じわじわと少女に広がっていくだろう。
どんな形であれ、水が掛けられれば掛けられる程に、ほんの少しずつその部分から体を熱くするように。
まだまだ水浴びの時間は終わらないだろう、長く付き合えばそれだけ…という感じになる。
まぁ、それこそが本当の応報であるとは、さすがに言わない。
「挑まれたならば応えるのが妾じゃ、それが、どんな事であろうとのぅ?」
もちろん、こういった事であろうとも、と水面をもう一度ばしゃりと叩いた。
小さいとか言わない。
…ちなみに、今の状況ではその程度でさえ避けれない。見事な直撃を受けるだろう。
■椿 > 「気安くはしぃひんよって、もふもふさせたってぇなぁ。そやねぇ、夏場はええんやけど、冬場はどうしても首元が寒ぅてねぇ。お姉さんも着物着てはるから分かるやろ?長さが十分あるなら寒ぅないねぇ」
今はびしょ濡れだから、自慢のもふもふも萎んでしまっている。もふもふするなら乾いてふっさふさのもっふもふの時でなくては、とうんうん頷いて。
律儀に問いに答える少女に、椿はほんわか笑みを浮かべながらよろしゅおすなぁと続けて。
「はぁ~びしょ濡れになってしもたなぁ。お姉さんの力かいな。なんや涼しいのに暑ぅなってきてしもたわぁ」
じゃーっと重くなった袖や裾を絞れば大量に吸った水が川面へと還されていく。
はしゃぎ過ぎたんかねぇと気づいているのか気づいていないのか分からない調子で笑い。
「何事にも本気で受け止めはるんやねぇ、好きやわぁそういう気性の人。ほぉれ」
どんな小さなことにも、全力で取り組む姿勢は見るのもかかわるのも気持ちがよい。
といいつつも、避けられない直撃を受ける少女に、更に追い打ちをかけて水をひっかけていく。
■タマモ > 「いや、待つのじゃ。気持ちは分からんでもないが、それをやるには妾は常に側に居らねばならんという事じゃぞ?
そうしている間、妾は何をしておれと言うのじゃ?」
尻尾が取り付け可能な訳でなし、それをやるには実際に側にいなければ出来ない。
その光景を浮かべながら、じと目で少女を見遣る。
…というか、拒否しないの?というのは言わないように。
「はてさて、水を吸った着物をそのままにして動き続ければ、疲れもくるものじゃろう。
…少し疲れたくらいで引くような事は、せんじゃろうな?」
どうせ、まだまだ水は掛けられるのだ、今絞っても仕方ないとこちらは諦めている。
こう、水を絞り切ったところを狙い、ばしゃーんっと再び水飛沫が掛けられた、あくどい。
…とはいえ、子供達も休憩、なんて訳ではない。こちらだけでなく、子供達からも水は掛けられていく事だろう。
少女が力に気付いてる、気付いてないは、今のところはどうでも良いか。
「やられたらやり返す、当然のこ…ぷわっ!?…お、おのれ…まだやるかっ!?
ならば、こちらも反撃を…おおぉっ!?…ぬあぁっ!」
まぁ、要するに子供という事かもしれない。
水が掛けられれば、しっかりとこちらからも返す。
もはや細工をした事なんてどうでも良い、子供達も交え、皆が何度も水を被る事になるだろう。
…水が掛けられる場所によっては感じてしまうくらいの熱を持ち始める、そんな少女の僅かな反応が見られるまでは、きっとそれを忘れて。
■椿 > 「せやねぇぴったりとうちに沿うてくれはったら、お互いに寒ぅのうてええんとちゃいますの?」
じと目の視線もなんのその、拒否をしない少女の問いかけにんーっと考えるように視線を上にやって、さも名案とでもいいたげに、どやっと少女を再び椿は見た。どやっ
「そういうことにしときましょかねぇ。わぷっ集中砲火とはっ」
じゃーっと重くなった着物を絞り切って、さてと思った瞬間に再開される水しぶきの攻撃。
ざぱーーんと大量の水をかぶって、しぼったことが無意味となってしまった。
髪も乱れ、辛うじて簪が刺さっている状態。
少女に乗じた子供たちにまで水をかけられて、ふっと眉間に人差し指を当てながら笑う。引きつっている。
「ま~だまだ~!」
やられたらやり返す、その言葉通り少女の顔面めがけて水をかけていく。
ばしゃばしゃばしゃばしゃっと静かな川のせせらぎとは程遠い水かけの応酬が繰り返される。
「…んっ…ぁっ…」
どれほどそうやって水を掛けあっていた事か、日も傾きかけたころになって胸元に掛かる水の感触に、椿はかすかな声を漏らした。
「はいはい、みなさん遊んでくれておおきに。気を付けてお帰りやす。」
子供たちの親たちが子供たちを呼んでいる。そろそろ帰るよーと。
はーい、と元気に返事をして親のほうへと駆け出す子供たち。
お姉ちゃんたちまたねー、ばいばーいと口々に別れの言葉をかけてくる子供たちに感づかれないように、笑顔を浮かべて椿は手を振り返した。
■タマモ > 「お主がもふもふで温い思いをして、妾は温いだけなのか?
妾にも何か寄越すのじゃ、そうすればしてやらんでもないぞ?」
寄り添えば確かに温かいが、それは相手も同じである。
そして、相手には自分の尻尾という更なる温もりが得られているのだ。…うん、納得いかない。
という訳で、自分への追加も希望してみた。
「自分だけ軽くなろうとは甘い甘い、水を絞り軽くなるのは…終わってからじゃ。
さぁ、徹底的にやってしまおうぞ…!」
自分も少女も、子供達も含め、自分だけそうしようなんてさせはしない。
さり気なく子供の一人二人もそれをしていたが、少女と同じ運命を辿っていた。
…まだまだ、水遊びの時間は終わりを見せていない。
そんな攻防が長々と続けられ、さすがに日も傾いてこれば終わりがくる。
その頃合に見せる少女の小さな声に、ぴくりと耳が揺れた。
…あぁ、そうか、忘れてた。そこで思い出したように、くすりと笑う。
親達に呼ばれて、その元へと駆けていった子供達。
それを見遣るようにしながら、少女の側へとするりと近寄る。
「いやはや、やっと終わったのぅ…?
して、先ほどのは何じゃろう、妾に教えてくれぬか?」
見た目は少女同士が身を寄せて、去っていく姿に手を振って見送るものだ。
しかし、そんな囁きを耳元に寄せながら、空いた手が肩に回されるようにして…指先が、するりと着物越しに胸元へ這わされた。
■椿 > 「そうどすなぁ…二人羽織で後ろからお姉さんを抱擁するのとかどうどす?首のあたりにうちの腕を回せばお姉さんも温ぅなると思うんやけど。」
寄り添うだけではダメだ、自分にも何か寄越せとの要望にうーんと椿は少し考え込む。
そして出た案はこれだ!と自信に満ち溢れて。
さんざんに水を掛けあった後、肌がじんじんと火照るように熱をもっていた。
子供たちへと手を振りながら、するりと少女が隣へと近寄ってくる。
「ほんま、子供さんの体力は底なしどすなぁ。…お姉さんが仕組まはったんやろに、無粋やわぁ…はぁ…」
まだ子供たちを見送っている途中、少女の囁きが耳に滑り込み、手を振っていない手がするりと胸元へ這わされるのに熱を持った体を小さく戦慄かせて苦笑を刻む。
つい、と金の瞳を少女の方に向けて少し首をかしげて熱い吐息を零して。
■タマモ > 「………二人羽織までは良いが、妾が前では尻尾はどう首に巻くのじゃ?
あんまりやりたくはないが、妾が後ろになって一緒くたに尻尾を巻いた方がお互いに温いと思うんじゃが…?」
自分の尻尾を自分に巻くとか、やろうと思えばやれない事はない。
が、その姿が余りに間抜けだからという理由でやっていないのだ。
まぁ、二人羽織を包むような格好ならば…自分が後ろなら目立たない、これこそ名案ではないか?と主張してみた。
肌を触れさせてみれば、その体はすっかりと火照ったようになっているのが感じられる。
まだ子供達からこちらは見える、手を振ったまま、目立たぬように胸元を指先でなぞっていく。
「いやはや、あそこまで続くのは予想外じゃったのぅ…
ふふ…首謀者には相応の、言うたじゃろう?
さすがに子供であればせぬが、ほれ…お主はお主で、可愛らしいもので、ついな?」
ここまれこれば、細工はばれているだろう。
少女の言葉にはっきりとは言わないが答えながら、つんっ、と指先が胸の先を突く。
姿が消えるまでは、もう少しか…しゅるりと伸びる尻尾の一本がお尻を這い、撫で回されているような感触を与える。
向けられる視線の中、出来るだけ感じさせてやろうと…と、少女の瞳がこちらへと向けられれば、見詰め返す。
そろそろ、河川から誰の姿も見えなくなっただろう。そのタイミングを見計らい、ゆっくりと顔を寄せていく。
少女が何の動きも見せないならば、そのまま唇を奪ってしまおうと。
■椿 > 「後方にしゅるっと巻けばええんとちゃうやろか?お姉さんが後ろでもええんやけど…そしたらほら、お姉さん前が見えなくなってしまわはるやろ?」
横に尻尾が届くならば後ろにも届く余裕は十分あるということで、彼女が後ろに回るというのも椿としては問題ないが、肝心の彼女は椿よりも…その、なんだ…身長が8センチほど低い。
二人羽織の状態では完全に視界0になってしまうんじゃないかと。
「ほんまにねぇ、うちらもお子さんたちの元気にあてられてしもたねぇ。お姉さんも結構好き者なんやねぇ…」
指先が胸元をなぞってくるのも、つん、と硬くなった胸の先を突くのも、子供たちに気取られぬように手を振ったまま素知らぬ顔をするもののそのたびに、ぴくりと振っている手が止まる。
まだ子供たちの姿は見えている、そんななかで尻の方に尻尾が伸びて撫でまわされる感触に、ぞわぞわと肌が粟立つ。
狐の少女へと向けた瞳は、似た金色の瞳と重なりじっと見つめ返される。
ぴくぴくっと目の下がかすかに痙攣して、感覚を耐えているのだと伝わることだろう。
「………」
ようやく子供たちの姿が完全に消えた。唇を奪おうとする動きに、拒絶するでもなくそのまま重ね合わせれば、何度か離しては重ねてと繰り返し次第、口づけは深くなっていく。
■タマモ > 「………この際、向き合ってしまえば良いんじゃろうかのぅ?
前を向かねばならぬ理由があるならば、妾が前というので良いんじゃろうがな?
そうすれば…ほれ、色々と温かくなりそうじゃろう?」
そういう事をする状況となるならば、人前で…とかはないだろう。
それならば、色んな意味でそうするのが、ある意味楽しめるというものだ。
意見を述べた後に、くすりと意味深に小さく笑って。
「若いというのは良い事じゃ。…ん?それに関しては否定はせぬぞ?
可愛いものは可愛い、こうして…愛でたくなるものじゃ。
もちろん、お主が良いというならば、それ以上に可愛がったりもしたいものじゃがのぅ?」
どうせ言葉だけならば、去っていく人間に聞こえる訳がない。
言葉をかけていきながら、指の動きは、尻尾の動きは、大胆になっていく。
着物越しに器用に突起を摘んで捏ね、更に増える尻尾でお尻を揉むように弄ったり、その谷間を擦りあげたりしていた。
「ふふ…居なくなったようじゃ、遠慮は無用じゃな?」
唇が重なる寸前にそう呟けば、抵抗もないその唇を奪う。
続けれるならば、口付けは濃厚なものへとなって。
それを合図に、振っていた手が内股へと滑り込み、またも着物越しに太腿を撫ぜ、股間へと這わせていく。
次々と伸びる尻尾さえも、どれも直接触れようとはしない。
与えられる刺激はすべて着物越しのものだが、着物に覆われる肌のすべてに向けられていた。
■椿 > 「それもそうどすなぁ、冬に寒い外に出かける処ばっかり想像してしもてたわぁ。」
割と人前で尻尾を襟巻にすることを想像していたが、歩く必要がないときにすれば彼女と向かい合っていても問題はなさそうだと納得した表情を浮かべて。
「うちも、そういう欲望は好物なんやけどね。んっんっ…いっつもは、煽るのが性分なんどすけど、煽られる側になるとはなぁ」
段々と大胆になっていく動き。指先と尻尾の異なった感触が濡れた布越しに火照った肌をまさぐる。
夏生地とはいえ、分厚い着物のそれごしに指先に感じることは殆どないだろうが、捏ね回される胸の突起は硬く張りつめて布の動きにすら耐えがたい感覚を生み出して、お尻を揉まれ、谷間を擦りあげられるのにその尻尾を挟もうとするかのように臀部が動く。
「はぁ…ん…お姉さんは、しながらされるんが好みどすか?それとも、なんもされんのが好み?」
ちゅるっと唾液同士が絡み合う水音が立ち、少女と少女の舌どうしがこすれ合い絡み合う。
お互いの唾液を交換して、歯列をなぞり、粘膜をなめあげて。
胸を弄りながら、股間へと布越しに這う手に反射的に太腿が戦慄いて、くちゅ、と濡れた感触が伝わってくる。
はぁと、息がだんだんとあがってくる。主導権は完全に狐の少女に握られている。
着物越しに、否着物そのもので火照った肌を愛撫するようなその動きにもどかしさを感じて。
触り触られながらも混じりあい、それとも自身には触れさせないタイプか問いかけて。
■タマモ > 「うむ、寒い日に外に出るなんて好き好んでする気はないのじゃ。
それならば、そういった方向で十分じゃろう?」
うんうんと、納得した少女に頷いてみせる。
こうして自分の意見が通るのは、なんとも嬉しいものだ。
「ほほぅ…まぁ、好みと食欲を満たすという二つの意味合いじゃ、妾にとってはな?
もっとも、他の感情もあるにはあるが、妾はやはりこれが一番好みじゃ。
ならば、煽られる事の良さをたっぷりと教えてやる方が良いんじゃろう」
着物越しにも感じる程になっている体、さて、では直接となったらどうなるだろうか?
言葉と共にそう伝えながら、体中へと這わされている尻尾が、帯留めを、帯を解き、着物を肌蹴させようと動き出す。
もちろん、その間も脱がす邪魔にならず触れられる限りは、その体を弄り続けていって。
「ん、ちゅ…半端なのはどうしてもな?するにしても、されるにしても、集中して出来た方が良いのぅ。
さて…では、妾からも問わせて貰おう。
お主のこの体、妾はどこまで味わって良いものじゃろうか?
どこか限界はあるか?無いのならば…妾が満足するまで好きに楽しむ事じゃろうて」
少女の問いに後者である事を答え、逆にこちらからも問う。
その答えが聞ければ、その唇は再び塞がれる事だろう。
舌を絡め取り、唾液を混ぜて押し戻し、少女の口内を味わいながら流し込む。
着物越しである刺激も、着物が脱がされれば一旦止められる形になる。
当然、少女の回答次第では、先ほどまで与えていた以上の刺激が与えられる事は分かっているはずだ。
それが、少女の想像する内か、それ以上なのかは…まだ分からない。
■椿 > 「寒い冬に、温いとこでもふもふに包まれるなんて幸せな心地になるんやろねぇ」
今やれば暑いだけだが、寒い時期になれば極楽だ。
うんうんと頷く少女に椿もうんうんと頷いて意見を完全に受け入れて。
「お狐さんも、精気を吸わはりますん?煽られるんにはなれとらしまへんのや、お手柔らかに頼んます。」
しゅるしゅると尻尾が器用に帯留め、帯と確実に着物を無防備なものに変えていく。
相手も着ているものは同じだから構造もわかりやすく脱がしやすいだろう。
帯を解く間にも尻尾はいたずらに臀部を撫でまわし、臀部だけでなく余すところなく撫で上げるのにふるふると小刻みに震え、ぁ、ぁ、と小さな喘ぎがその唇から零れ落ちる。
「ほな、うちはあんまり手出さずにお姉さんに楽しんでもらえるようきばらなあきまへんなぁ。お互い気持ちいいのが一番やさかい。…どこまでも、お姉さんの気のすむまで隅から隅まで味おうてくれたらええよ?うちも、こう見えて人間とは違うさかいなぁ」
逆に問い返された事に、蠱惑的な笑みをその薄い唇に浮かべてそう答える。
人とは違うから、そう簡単に壊れることもない。
好きなだけ、欲望のままに貪っていいのだと。
その欲望そのものを椿は好んでいるのだから。
ちゅぷ、と再び絡み合う舌と押し返される唾液が空気を弾けさせ粘ついた音をたてはじめる。
入り込んできた舌を擽るように動かして、絡めとられていく。
帯はすべて外されて、着物と襦袢は二の腕にかかるのみ。
着物ゆえに下着をつけていないために正面にいる彼女には全てが見えてしまうことだろう。
とがりきった胸の突起も、太腿に伝う情欲の証も。
■タマモ > 「ふむ………良さそうじゃのぅ」
少女の言葉を聞き、頭の中でその光景を想像する。
…うん、間違いなくそれは心地良いものだろう。まだ先の話だが、いつかはやってみようと思ってみた。
「あー…その点は安心するが良いぞ?
こういった行為で妾が欲するは、受ける快楽に湧き上がる淫らな気、みたいなものじゃ。力やらを吸い取る訳ではない。
ふふ…慣れておらぬからこそ、しっかりと教え込むのじゃ、そういうものじゃろう?」
力を吸い取る事も可能だが、別にそこまでするつもりはない。
それは無用な心配と伝えつつ、その手は刺激を与え続け、尻尾は少女の肢体をゆっくりと晒していった。
「では、それでお願いしておこうか。気張る必要なんぞはないぞ?気楽に快楽を受け止め、可愛らしい姿を見せてくれれば良い。
………そうかそうか、では、遠慮は無用じゃな?お主の隅から隅まで…すべてを味わってやろう。
そう言われれば…うむ、そうみたいじゃ」
少女の答えに、満足そうに一つ頷く。
さて、簡単には壊れないだろうが、どこまで見せてくれるのか…非常に楽しみだ。
自然と笑みを深めながら、触れていた部分がはだければ、まだその手は感じる場所を触れない。
そして、唇も一旦離せば、尻尾は二の腕に掛かる着物を除いていく。
一糸纏わぬ姿へとすれば、じっくりと確かめるように胸へ、股間へと視線を向ける。
「遠慮なく味合うならば、少々場所を移そうか…好きなようにという妾の楽しみ、もう逃がしはせんからのぅ?」
脱がせた帯や着物は尻尾の1本に掛けたまま、再び伸びる手が少女の背に回され抱き寄せられる。
そして、囁かれる言葉。川辺に立つ2人の姿は、ゆっくりとその場から消えていった。
ご案内:「王都マグメール 郊外」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 郊外」から椿さんが去りました。