2016/07/14 のログ
ご案内:「芸術都市 骨董市場」にファルコさんが現れました。
■ファルコ > 才能が溢れる都市の一角にて、骨董市が開かれていた。
客に混じり、壺を手に取って眺める男が一人。
「成る程、これはいいものだ」
指で紋様をなぞり、機嫌がいいことをうかがわせる低いが明るい声が響く。
「その辺のガラクタとは違う。これほどの白磁のつ、ぼ……」
そのままくるりと裏返すと、その声が途端にしぼんでいった。
「おい、……この罅割れはどうした?発掘者の扱いが悪いと度々こういう事があるのは承知だが。
なに、もとからあっただと?」
カタカタと、僅かに手が震える。
「この破損は相当前のようだな。
なんということだ!これではまともに修復できんではないか!
くっ、せっかくの品を。陶工を探して直し……
いや、下手な者に頼むと却って台無しになるだろうな。残念だ。非常に、残念だ……」
■ファルコ > 勿論、人を頼めばより上等な修復もできるだろう。
しかしこれの価値としては、どうだろうか。
「せいぜいが70ゴルドといったところだな。
ひっくり返しでもしない限りは目立たぬだろうが、これ自体はそう古いものではない。50年ほど前か?
まあ、紋様が興味深いのは本当だ、買い取っておこう」
次に男の目に留まったのは、一枚の絵画。
「ほーう、これは、竜と戦う勇士の図か。
隅に、画家のサインと日付が書いてあるな。200年ほど前……服装や装備からすると、王国軍の兵士のようにも見えるが」
フードの奥、仮面に隠された赤い目が、絵柄をじっくりと眺める。
(……服装をはじめ、武器、顔つき、それら所々に後から手を加えた痕跡が認められるようだ。
元の絵が気になるな。気が変わって描きなおしたのか、それとも……
どうやら、訳アリの品のようだ。ここは回収しておこう)
「……買おう。12,000ゴルドだ。
ああ、即金で渡す。これでいいな?厳重に包んでくれ」
■ファルコ > 気が付けば、太陽はもう高く昇っている。
腹に手を当てれば、僅かに音を立てて空腹のサインが返ってきた。
「そろそろ昼時か。
今日はどこで食べるとするかな。あまり目立つ場所は避けたほうがいいのだろうが」
手ぶらの場合は、郊外の潜伏先に戻り現地調達が基本である。
が、そればかりでは文明的な暮らしとはいいがたい。気高き黒グリフォンの血が煩いのだ。
「やはり手間はかけるべきだな。どこかの酒場でもよって、依頼ついでに飯も頼もう」
足を向けるのは王都。しかし冒険者の酒場もたくさんある。
きょうはどこにしようか───
ご案内:「芸術都市 骨董市場」からファルコさんが去りました。