2016/05/15 のログ
ご案内:「秘密社交倶楽部 跡地」にナルラさんが現れました。
■ナルラ > これは私の敗北の物語、呪われし血に向き合い、神に出会いその祝福を受けたと良い気になっていた男の戒めの物語。
あの時私は知っていたはずだ、たまたま運が良かっただけだったのだと
その後の戦後処理、政争、ティルヒア領へ善良な王を送り込めた、政争も軍備も上手くいっているように見えた。
いや、その考えは浅はかだったのだ、一人の少女を探し連れ戻す、それだけの事もまともにできない
私に無力感を与え、そしてヤルダバオートの恐怖を再認識する事となる。
これは、私の敗北の物語だ。
■ナルラ > 時は少し遡る、ここは秘密社交倶楽部の会場、いや会場だった場所と言うべきだろうか。
顔のない騎士団が乗り込めば、何名かの護衛の者がいた、何名かの仮面を被った貴族がいた
そして疲弊し、使い捨てられようとした『肉』として捧げられた者たちがいた。
「貴様ら、ここに我が妾がいると聞き、推算した神妙にしろ!」
だが、貴族の護衛にしては脆弱過ぎる騎士は雇われたゴロツキ。
何名かの仮面を被った貴族たちも残っていたのは、たまたまこの会場に誘われただけの者、立場の弱い者
秘密社交倶楽部の中枢部に関連するものはおらず、ほぼ徒労に終わった。
■ナルラ > 「見つかったのは……これだけか?」
証拠品として抑えたのは、非合法な記憶操作の霊薬と何名かの逮捕者だけだった。
「次だ、お前の記憶……調べさせてもらうぞ」
彼らの記憶を覗いたが、宴の内容を垣間見えるだけ……ただ、探し求めた少女が宴の肉として捧げられた事は判った。
「……やはり、ここにいたのか。」
その事実だけは判っても、
肝心の彼女を保護することはできず、行く先を知るものもほぼいなかった。
「貴様、思考しろ……マリアージュはどこにいる!」
運良く、彼女とキスをしたものがいたが、行く先を探ってもただセレネルの海上、大きな船の中と判るのみ。
行く先を探る度に、何者かの邪魔が入る事だけが判るくらいであった。
彼女はまだ生きている、それが判っただけでも幸運といえようか。
■ナルラ > 会場となった場所の所有者サンチム男爵は、先日謎の死を遂げており、彼からは何も情報を得ることはできなかった。
私の行動を先読みするかのように、いや嘲笑うかのように見事な蜥蜴の尻尾切りである。
秘密社交倶楽部の本丸に至る証拠は残ってはいなかった。
■ナルラ > 「う……!」
そんな時、背中にゾクッと冷たいものが通りすぎる感覚が通り過ぎ
る……私はこの感覚を知っている、
真っ黒な、深淵の闇ともいうべき黒い感覚、かつての私を縛り付けていた者
『這い寄る混沌』
その微かな気配であるが影響力は強く、思わず嘔吐しそうになる。
「そうだったな……そうであったな。」
私はすっかり忘れていた、カルネテルは呪われた血族、闇に魅入られし一族
かつての私より深い闇、『這い寄る混沌』の祝福を受けたものはまだ他にもいることを。
兄上……いや弟か
他の王族や貴族、その影響力を受けているものはいるかもしれない。
だがそれが誰かは判らない、秘密社交倶楽部の闇は手を出すにはまだ私は未熟であり脆弱だ。
■ナルラ > いくつかの証拠を入手したとしても、手がかりにならない手がかり、蜥蜴の尻尾切り要因の貧困貴族
そして、コレは後に思い知ることになるのだが、あまりにもスムーズに行われた裁判
それらは私への警告であり、己の弱さを再認識させるものであった。
そしてまた闇への誘い、ヤルダバオートの再び軍門へとくだれそう言われたような気もした。
アイオーンの下で生きるより、吾輩かとして生きるほうが楽でいい
女もすぐに返してやろう……
そんな囁きが聞こえた気がした
「誰が!」
剣を抜き、何もない空を切る。
あの声が幻聴なのか真実なのかは知るすべはない。
■ナルラ > この時の襲撃、逮捕者等から秘密社交倶楽部、壊滅の噂は流れた……
だが壊滅などしてはいない。
より深い闇に紛れ込んだだけである。
壊滅の噂も、秘密社交倶楽部の存在を隠すために、私は上手く利用されたのであろう。
結局女一人救えていない、私は無力感とヤルダバオートのさらなる恐怖を胸に抱え、彼女の探索を続けていった。
向かう先は恐らくダイラス、ただかすかに感じることができた彼女の情報は船の上。
マグメールから出港した、南へ向かう大きな船はダイラスに寄港するだろう。
彼女との再開をアイオーンに願った、神からすれば取るに足らない私の願いを。
■ナルラ > この後、ほぼ漂流状態のプリンセス・オブ・セレネル号が見つかるが、そこでもまた彼女がいた痕跡を見つけられただけ。
彼女はまだ見つけられない。
再開を果たすのに、長い時間をかけることとなってしまった。
私は脆弱だ、何でもできるつもりが何もできない
たった一人の少女を見つけ出し、家に無事に連れ帰ることさえ出来やしない。
このままヤルダバオートを倒すことはできるのだろうか?
私一人では到底ムリだ、仲間がいる、強き魂を持つ仲間が。
マグメールの闇は、まだ晴れそうにない。
ご案内:「秘密社交倶楽部 跡地」からナルラさんが去りました。