2015/11/23 のログ
アーヴァイン > (つぶやかされた言葉に、そうだというように頷いて答える。そして、店主からの予想外のお叱りの言葉がかかると驚く内心、そう思われても仕方ないであろう格好をさせているのも事実で、文句一つ言わずに何度か頷いて、話に耳を傾けている)

勘違いさせてしまい、申し訳ないんだが…

(と、話が途切れたところで言葉を切り出すのだが…少女からの言葉が合間に入る。いや、多分そういうことではないと思うのだと、思いつつも、小さな体を抱き寄せようとするだろう)

自分も、なるべく首輪をさせたくないし、性についても…望まないことはさせたくはない。ただ、それを許されない存在もいる。偽善と言われるかもしれないが、可能な限り大切にしたいと思っているんだ、その点は…理解してもらえないだろうか?

(腕の中に収まれば、少女の金糸を優しく撫でるだろう。首輪も立場も、望みと押し付けているわけではないと伝わればいいが)

プラセル > 店主もまさか己からそんなとんちきな訂正が入るとは思っていなかったのだろう、呆気に取られたような微妙そうな表情である。そして、「いやそう言う事じゃなくってだなあ…。」と奇しくも青年の内心と合致する台詞が。

「?」

訳が分からないわ、とばかり。感情の乗り難い表情に僅かばかり、渋い色を作っていれば抱き寄せられる体躯。ほんの一瞬、驚いたように小さく双眸を開くも、逃げ出そうとする様子はない。
髪を撫でる手にもまた同じだ。寄る手には反射とばかりに瞳を閉じはしたものの、青年の手が己に理不尽な暴力を与えてくるものではないと、既に理解している。強張りは直ぐに解けてしまう。
そんな様子と青年の台詞に、暫く店主は悩んでいたようだが、最終的には「娘っこに無茶させてんじゃなけりゃあいいけどよお。」と渋々と言った形での言がある。

アーヴァイン > (店主も同じことを考えていたらしい。そう、年の話ではないのだと。それが可笑しくて、くすっと笑ってしまう。腕の中でなでられる少女へ視線を落とすと、なんだかよくわかっていないようだ。あの答えからもそうだろうとは思っていたが、一層笑みが深まる)

ありがとう、この娘もこんな感じで…無邪気というか、素直というか、そんな感じなんだ。もっと笑ってもらえるように努力する。

(理解を示す言葉に、安堵の笑みを浮かべてお礼を告げる。続いた言葉は店主への宣言というより、自身へ掛けた言葉だ。風も少し冷たく感じてきた頃合い、戻ろうかと思うも…先程少女が食べていた果実が少し気になり)

先ほどの果実を一袋もらえるか?

(店へのお土産も兼ねてと、そんなオーダーを頼む)

プラセル > 自身が同じ年頃の女性達と比べれば比較的小柄な体躯であると言う自覚はある。そう言う風に言われた事もある。だからこその訂正だったのに。しかも、己を腕に留め置く青年は笑ってすらいる。
己の怪訝とは裏腹、店主と青年の会話は何とか取り保たれたようだった。
努力する、だなんて紡ぐ青年に、毒気を抜かれたように強面を僅かに崩した店主。漸く、自分が思っていたような輩とは種類が違うのやもしれぬ、と思い始めたらしい。続けられたオーダーには少しばかり目を見張った後、「あいよ。」と袋を準備し始めて。

「――アーヴァイン、食べたことあるの。」

未だ食べきれていなかった果物を軽く差し出しながら問うた。
中も外も作りは林檎に似た果実。掌に収まる程度のそれは、幾らか齧られてはいるが、元が楕円に近い事は容易に分かるだろう。王都での流通は疎らではあるが、山脈の高い位置では多く実をならせるものだ。

アーヴァイン > (なんだか視線に不機嫌という一言がひしひしと感じさせられる。表情こそ動きが少ないが、行動の中に潜ませるような感情の動きが子供っぽさを何故感じて、妙に愛らしさを覚える。一目惚れしたと前に言ったが、改めて彼女に惚れているなと思わされる。店主が準備を始める中、顔を近づけていき)

今のは、歳のことだけじゃなくて、こんな可愛い娘を泣かせるようなこと、するんじゃないぞって叱られていたんだ。

(だからあんな言葉になり、理解に至った店主は表情を和らげた。そんな男二人の会話の解説を耳元へ囁くと、続いた言葉には緩やかに頭を振る)

いや、ないんだが…美味しそうに食べていたから、店の娘とかのお土産にと。

(こうしてみてみると、あまり見かけない果物だというのは分かる。リンゴの一種だろうか?と思いつつも、再び少女へ視線を戻す)

プラセルの好物だったりとかかな?

プラセル > 寄せられた顔。耳許に落とされる言葉に擽ったさを覚えて小さく肩を震わせながらも、全てを収めきればはつりと瞳を瞬かせて口を開き―――かけて、留めた。思ったまま、今のタイミングで考えた事を口に出すのはよろしくないのでは、と判断したのだ。
その代わり、短く「そう。」とだけ答えた。

「―――うん。好きよ。」

そうして、問われた言葉。ほんの一瞬、悩むような間を空けた後、双眸が仄かに和らいだ。
そうだ。私はこの果物が好きだった。今思い出したような、そんな感覚だ。
そんな折、果物を袋に詰め終わったらしい店主が「お待たせ」と言いながら袋を差し出してくる。値段はどうやら相場より、若干安くなった程度。

アーヴァイン > (僅かな間、何かを言おうとしたようにも見えたが、返事の言葉は小さな一言だけ。なんだろうかと思うも、その意図までは読み切れない)

…そうか、それはいいことを聞けた。

(宿に来てからは、少しずつ彼女のことを知ってきたつもりだが、好物を知ったのは初めてのことだ。嬉しそうに補ヘムと、再び金糸を撫でる)

ありがとう、お代は…。

(店主の差し出した袋を受け取ると、代金を腰に下げた袋から取り出す。予想していた金額よりも若干安くなっていた合計額に、店主の好意を感じ取れば、重ねた御礼の言葉とともに代金を渡す)

貧民地区にCollar lessという酒場がある、良ければ今度来てくれ、サービスしてもらった分、お礼をしたい。

(この娘もいると言葉を続けて、プラセルを優しく撫でると冷えた風が抜けていく。いこうか?と声をかければ、少女の手を握ろうとするだろう)

プラセル > 再び、手元の果実を齧る。相変わらず、芳醇な蜜の風味と歯ざわりの良い触感。だけど、やっぱり、何かが違うのだ。
美味しいのに、何かが。
それを、今の自身に知る術はないのだけれど。
代金を受け取った店主は青年の言葉を聞けば強面を先よりも分かりやすく緩め、「ああ、あんちゃんあそこの人だったのか。それならそうと早く言ってくれや。」と何処か和らいだ雰囲気に。そうして今度邪魔するぜ、などと言って二人を見送るのだろう。

「……ん、」

青年の言葉にまた小さく頷いて、それから握られた手を握り返す。
ほんの少し、緩めた歩調で酒場へと帰って行くのだろう――。

アーヴァイン > (宿の名を口にすると、店主の反応も更に柔らかになった。変な宿だと言われ続けていた分、その言葉が嬉しくて、すぐに言葉が出てこない)

…あぁ、是非頼む。

(見送られるがまま歩き出すと、仕事道具の入った背負袋から上着を取り出す。夜の見張りの時など、冷え込むときに使うポンチョ状のものだが、それを彼女にかぶせようとするだろう。彼のサイズに合わせているので、膝ぐらいまで丈がありそうだが。ところで…さっき、何を言いかけていたんだろうか。小さな返事の前、なにか言いたげだった時のことを気になりつつ、夕暮れの帰路を二人で歩くだろう)

ご案内:「王都マグメール 夕暮れの市場」からプラセルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 夕暮れの市場」からアーヴァインさんが去りました。