2015/10/18 のログ
ご案内:「設定自由部屋3」にアサヒさんが現れました。
ご案内:「設定自由部屋3」からアサヒさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈:人狼の縄張り」にティルダさんが現れました。
ティルダ > 「………………!!!」

暗い夜空に向かって遠吠えをして、少し待ってみる。しかし、返ってくる声はあまり多くはない。もう一度とばかりに吠えて見ても結果は同じだ。

「……さて、今夜はどうしようか……」

それでも、狼の耳と尾を持つミレー族の女は満足げに笑う。腹は空いていないが、喉は少し渇いている。近くの川に行って、ついでに水浴びをしてもいいかもしれない。そう思い立つと、腰かけていた切り株から降り、木々の合間を縫うように走り出す。急ぐ事情は何もないが、急がない理由もない。真っ暗な森の中でも、その足運びには全く躊躇いがない。しかし、縄張りの中に侵入者がいないか、その鼻は常に風に運ばれてくる匂いに注意を払っていた。

ティルダ > 川縁につくと、月光で反射する水面の眩しさに暗闇に慣れた目を細める。しばらくその光を眺めながら、美しいというのはこういうことを言うのだろう、と思った。

「ん……これを汲んで、運んで、火に掛けて……温めてから入るなんて、信じられない」

身にまとっていたボロ切れを傍らに放り捨て、川の清水に足を浸すと、その冷たさに吐息と愚痴るような言葉を漏らす。何故冷たい水ではなく、わざわざ湯で身体を清めようとするのか。自然は元より完成されているのに、何故いちいち手を加えたがるのか。
人間はとにかく、他のミレー達が何故自分のように自然に還ろうとしないのか、ティルダには本当に理解できていなかった。

ティルダ > 「……ふぅ」

長らく水に浸っていた身体を持ち上げると、濡れた身体が月明かりに晒される。実際どれくらい身体が清められたか、ということはあまり考えていない。水で身体を洗い、ある程度綺麗になった、と自分で思ったら上がるというだけだ。

「ん……」

その前に、両手で川の水を掬い、口元へ運ぶ。外側からだけでなく、内側からも身体が冷やされていくが、それくらいでどうにかなるほどヤワでもない、と自負している。渇きも癒されれば、もうここに用はない。この川が縄張りの境界に近いことを思い出すと、またボロ切れを身にまとって森の中に駆け出していった。

ご案内:「九頭龍山脈:人狼の縄張り」からティルダさんが去りました。