2023/07/13 のログ
ご案内:「エロトラップダンジョン」にオルティニアさんが現れました。
■オルティニア > 「――――くくく……っ、ふふっ、あ――はっはっはっはぁっ! 馬鹿め、馬鹿めぇぇえっ! このあたしがこんなチンケな罠に引っかかるとでも思ったぁ? ざぁぁんねんっ! 高貴なエルフ様にはバレバレなのよっ!!」
見事な三段笑いも高らかに響かせるのは、ヒカリゴケに石組みの壁をぼんやりと照らされたダンジョン中層での事。
一見すれば行き止まり。
しかし、経年劣化か地震による崩落か、金髪エルフの眼前の壁にはぽっかりと穴が空いていた。
そして夜目の効くものならば、ランタンで照らさずとも気付くだろう。
細身であればどうにかこうにか潜り抜けられそうなその穴の先、小部屋の中央にででーんっといかにもな感じの宝箱が置かれている事に。
三流冒険者であれば嬉々として身体を突っ込み、宝を狙いに行くだろう。
多少なり心得のある者ならば、何らかのトラップを警戒し、まずは慎重に壁の仕掛けなど探り始めるのではなかろうか。
しかし、この罠に関して言えばそれは愚策。何故ならば
「あたしには分かってンの! あんたが壁に擬態したフロアイミテーターだって事がねっ! ほら、既にバレてんだから、諦めて正体現しなさい! けっちょんけっちょんにぶった切ってやるわっ!!」
鞘走りの音も勇ましく引き抜いた銀の細剣。
その切っ先をびっしぃとカッコつけて壁に突きつける小躯のエルフ。
小柄な体躯に見合わぬたわわがその大仰なアクションに合わせてたゆゆんっと揺れた。
■オルティニア > しーん………。
豊満な双丘の揺れ撓みが収まり、高慢ちきな気性の覗く口上のやまびこが消え去っても、穴の空いた壁はぴくりとも動かない。
「…………………。い、いやいやないない。ここは悪名高いエロトラップダンジョンなんだから。ただの幸運で隠し扉に繋がる壁に穴が空いてて、それを偶然あたしが見つけるとかないから。………ないからっ!」
よもやの可能性がちらりと過ぎったのだろう。
自信満々殺意たっぷりの笑みが揺らぐ。
しかし、知的なエルフ様は騙されない。
こいつは絶対にフロアイミテーターであり、あたしみたいな超絶美少女が近付いたなら途端に正体を現し取り込みにかかるのだ。
そうして出来上がるのはお尻だけを無防備に突き出して、腰やら手やらはがっつり壁にハメ込まれた無様な状態。
伊達に同じ手に3度引っかかってはいない!
――――とはいえ、こうまで反応がないと……。
「ふ、ふふんっ。そっちがその気ならあたしにも考えがあるんだから。先手必勝、くたばんなさいな、おバカさんっ!」
すっと腰を下ろしてじゃきんと構える刺突の姿勢。
後は軽やかに踏み込んで、未だただの壁のふりを続ける不埒者に目にもの見せてやればいい。
―――しかし、しかしである。
これがもしも本当にただの壁であったなら、まあ、オルティニアのレイピアはそんじょそこらの安物でもないのだから大丈夫だとは思うのだけれども、もしかしたら、万が一があれば、切っ先が欠けたりとか、最悪の場合は折れてしまったりとかするかも知れない。
構えを取った美少女エルフの白頬につぅぅ……っと一筋の冷や汗が伝う。
なんという高度なカケヒキ。敵ながらあっぱれだ。
ご案内:「エロトラップダンジョン」に虹石の獣さんが現れました。