2023/03/19 のログ
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。

その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。

なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。

「──さーて、今日もブブイーンと張り切ってやりますか、ねぇッ……と」

その中の一室に腕をグリングリンと回しながらやってきたのは作務衣姿の金髪の男。
知り合いからの依頼という形で臨時のマッサージ師としてやってきている冒険者、という立場は今も変わらないのだが、
もうすっかりここの一員として馴染んでしまっていた。
そんな自分に時折疑問を持たないでもないが、男自身としてもなんやかんやこの仕事は
気に入っているのでまあいいか、とあまり深く考えないことにしたのだった。

「今日はどんなお客が来るかねぇ……」

ともかく、男は施術台の傍のスツールに腰掛け、腕組みしながら客待ちを始める。
出入り口のカーテンが開かれ客が現れるか、あるいは魔導機械の通信機を通して客室への
出張依頼が来るか。
いずれかの訪れが、今日の男の仕事の開始の合図となるのだろう。
もしかしたら、受付を経ずに紛れ込んで来てしまうような珍客が現れる、なんてこともあるかもしれないが。

エレイ > やがて客が現れれば、男は立ち上がり笑顔で迎え入れ──
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
ご案内:「平民地区 冒険者ギルド」に竜胆さんが現れました。
竜胆 > 平民地区にある冒険者ギルドに、ドレス姿の少女が足を運ぶ。
 濃紺のオープンバッグのドレスは、貴族か何かと思わせる格好で、静々と歩く姿も又教養があるようにも見える。
 実際に教養があるのだけども、其れよりも背中にある物を見て、彼女の頭を見て、冒険者は納得するだろう。
 頭部には、竜の角があり、ドレスの背中の部分からは、竜の翼が広がっている。
 スカートで見えないが、下の方には竜の尻尾がちらりと見えている。
 人竜―Dragonhalf―と呼ばれる存在である、他の良い方からすれば、ドラゴニュートとも言えただろう。
 人外の種族は時折冒険者に成り、人ではありえない軽装の儘、人以上の成果を果たすという。
 と言っても、いま、冒険者ギルドに足を運んだ娘は冒険者では、無い。

 金色の竜眼で、ねめつける様に冒険者ギルドの中を見回して、扇子で口元を隠しつつはぁ、と溜息を吐き出す。
 期待はしてなかったけれど、矢張りと言う感じのため息を吐き出しつつも。
 冒険者の好奇の視線を受け止めつつも、気にした様子はなく、するり、と足を進めて、ギルドの中へ。
 一歩、一歩、静かに足を運んで進む少女は、依頼の掲示板を通り過ぎ、此方を見ている受付を通り過ぎて。
 冒険者の集まっている場所へと進んでいく。

 ギルドの、酒場部分の方へ。
 直接依頼をするという方法も顔見知りが居ればできるだろう。
 酒に酔った視線が幾つも飛んできて、それを気にすることなく、人を探す様に、様々な冒険者を見回して進む。