2022/11/03 のログ
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
■エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。
その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。
なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。
「──はーいお疲れチャン。また来てくれたまへ」
そんな中の一室から、満足げに出ていく宿泊客を笑顔で見送る、スタッフ用の作務衣姿の金髪の男が一人。
今日も今日とて知り合いからの依頼で、臨時のマッサージ師として仕事に精を出しているのだった。
「ふぃー……こういう普通のマッサージも悪くはないのだが、そろそろ一発エロマッサージでもしたいところであるなぁ」
個室内に戻り、施術用のベッド脇の椅子に腰掛けながらそんな詮無い独り言を漏らす。
今日は現状、立て続けに男の『標的』にならない客の来訪が続いたため、男はごく普通のマッサージ師として
仕事をこなすばかりであった。
男としてはそれもそれでやりがいを感じなくはないのだが、やはり役得の一つぐらいは欲しいところであった。
「まああそれも時の運というヤツなのだが……──おっとと一息つく暇もなさそうだったな」
ボヤキを続けようとしたところで、閉じたばかりのカーテンが開く。
各個室は廊下に面しているため、稀に受付を経ていない誰かも紛れ込むこともあるようだが、それはさておいて。
現れたのは男の『標的』になりうる客か、それとも……。
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にアストラさんが現れました。
■アストラ > 冒険者であるアストラが初めて利用した老舗の温泉旅籠。
初日は親切な人に案内されて温泉を楽しんで、気づけば翌朝。
日ごろの疲れが出たのか、温泉にゆっくりと浸かって疲れを落とした後、異国情緒溢れる旅籠内を好奇心のままに散策していたところ、マッサージ室と書かれた部屋の前へとたどり着いた。
「あら、ちょうどいいわねぇ」
肩も腰も凝っていたところだし、解してリフレッシュしようと決めて、受付カウンターを訪ねた。
手続きを終えて、ちょうど施術が終わった後であり手の空いている貴方の個室へと通される。
暖簾とよばれる布地のカーテンを開いて中を覗き込み、そこにいる作務衣姿の男性へと視線を向ける。きっと彼が施術者なのだろう。
「こんにちは。宜しくお願いしますね」
緩く三つ編みにした、腰まで伸びる長い銀髪。
金色の垂れ気味な双眸と、浴衣に身を包んでも伺える豊満な胸元に、大きな尻が帯を巻いた腰のくびれと比較して目立つだろうか。
どんなマッサージを受けられるかは施術者によると言うので、期待しながら胸に手を当てて微笑んだ。
■エレイ > 「──へいらっしゃい。うむ、こちらこそよろしくだぜ」
カーテンの向こうから現れた、客用の浴衣に身を包んだ宿泊客らしき女性を認め、
男はニッと快活な笑みを浮かべながら、ビシッとサムズアップしてその声に応じながら
ゆるりと歩み寄っていって。
「ささ、どーぞごゆるりと。お客サンは初顔サン……ですかな。始める前に
聞き取りをすることでより充実した施術が認可される。
今日は主にどこらへんのマッサージをご所望で?」
ジロジロとその顔から、主張の強い豊満な肢体までを無遠慮にジロジロと眺め回しながら、
主に施術を行うべき場所を訊いておこうとそんな質問を投げかけて。
■アストラ > 快活で気さくな男性のようで、その整った顔立ちから浮かぶ人好きしそうな笑顔に、イケメンねえと内心ちょっと喜んだ。
逞しくて顔がいい異性は一緒に過ごすだけでも眼福だというのがアストラの持論である。
「ええ、初めての利用なの。温泉も気持ちいいし、食事も美味しいし、素敵なところね。
そうねぇ……ちょっと肩や腰が凝ってるみたいで。あまり詳しくはないから、お任せしたいわ」
細い肩を自分の手でとんとんと叩くように。
よくよく見られているようだけれど、マッサージ師としては観察するのは当たり前なのかしらと楽観的なことを思いつつ、質問に答えて案内を受けよう。
「あぁ、浴衣のままでいいのかしら?」
脱いでと言われれば困ってしまうかもしれない。
浴衣の下には下着をつけないのがマナーだという噓か真かわからない話を鵜呑みにして、今は素肌に薄い浴衣一枚しか身に着けていないのである。
少し緩んだ袷からは、白い素肌と柔らかく張りのあるむっちりとした谷間が貴方からは見えているかもしれない。
■エレイ > 「でしょう? 俺も日頃から客としても利用しているのだが居心地が良くてついつい
居座ってしまうという意見。まああそんな縁で今こうして働かされているわけなんだが……」
なんて言って、男は眉下げて笑いながらポリポリと頭をかく。
作務衣の胸元から覗く胸筋や、袖から覗く上腕筋の盛り上がりが、男の体の逞しさを物語っていて。
「そうかなら今回は肩と腰をメインに、全身マッサージということでエエですかな」
彼女の後ろ側まで回り込んで全身を眺めつつ、差し当たってのマッサージプランを告げながら
ぽん、と気安く肩に手を置いて。
会話の間にほんのり漂い続けているアロマの香りが、彼女に少しずつ浸透して安心感を与えると同時に、
体に触れられることへの忌避感を削ぎ落としていて。
「──ああ、もちろん脱いでもらうのだが流石になんも身につけるなと言うわけには
いかないのでこいつを……浴衣を脱いだ後巻いちゃってくれぃ」
そして浴衣のことについて問われれば、眉下げて笑ってそう答えつつ、近くにあった
小さなラックを引いてくる。
ラックの上にはカゴが置かれており、中には折りたたまれた白いバスタオルが
入っている。浴衣を脱いだ後はそれを体に巻いておけということらしい。
袷の間から覗く谷間に、密かにちろりと唇をねぶって湿らせつつ。
彼女の体を更に室内へと引き込みながら、開きっぱなしになっていた出入り口のカーテンをしゃ、と閉める。
その後のことは、閉ざされた幕の内側に秘され──
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
■アストラ > 【移動】
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からアストラさんが去りました。