2022/07/03 のログ
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にシェリルさんが現れました。
シェリル > 旅館内で起こったとある事件の調査で訪れていた探偵。
ここ最近は探偵業に加え、学業も本格的に忙しくなっており、
まともに休みも取れていなかったので調査のついでに温泉へ浸かり、
マッサージもあると店員に勧められれば期待に胸を膨らませてマッサージ室へと訪れる。

施術の説明を受け、用意された下着と肌着に身を包み、個室のカーテンを開く。

「……えっ、マッサージって男の人にしてもらうの?」

カーテンの向こうで待っていた男を見詰め、探偵はやや警戒した様子で一歩後ろへ後退る。
こういうところのマッサージは受けたことがない。
てっきり女性客には女性のマッサージ師が付くものだと思ってい様で、
訝し気な視線が目の前の金髪の男へと向けられる。

ここまで来てやっぱりやめますとも言えないので。
何か変なことをされれば声を出して助けを呼べばいい。
そんな楽観的な思考で奥のベッドへと歩み寄る。
その間も、探偵の視線は男へと向けられており、その表情には緊張と不安の色が見えていた。

エレイ > 「──やあやあいらっしゃい。ウム、まああ女性のマッサージ師もいないことはないのだが
あいにく手空きの者がいないのでな、俺が担当させてもらうことになるがどこもおかしくはない」

カーテンの向こうから現れた客──その年若い少女が、男を見るや警戒したような声と
挙動を見せれば、男は笑顔で人差し指を立てながら珍妙な口調でそんな説明を。
不安を拭いきれないままベッドへと近づく彼女を、楽しげな笑みのまま目で追いつつ。

「……だがまあ女の子としてはいきなり男にマッサージをされるとあっては不安顔になってしまうのも
仕方がないという意見。なので施術の前にまずは軽く話でもして緊張とかをほぐすのがいいと思った。
というわけで座ってくれたまえ」

アロマが効いてくるまでの時間稼ぎも兼ねて、少女にそう提案し。
ベッドに腰掛けるよう促すと、自分はベッド脇の小さな椅子に腰を下ろすと彼女に向き合って。

「じゃあまずは自己紹介からですかな。俺は謙虚な旅人で冒険者のエレイというのだが
呼ぶ時は気軽にさん付けで良い」

なんて、ドヤ顔を披露しながらまた奇妙な自己紹介を繰り出すのだった。

シェリル > 「そういうことなんですねー。
まあ、今はどこも人手不足でしょうし、そういうことであれば私は構いませんが」

腕を組み、若干薄着の胸を隠しながら男の説明に耳を傾ける。
見た感じ悪意は感じられないのでとりあえずここは納得の表情を浮かべて首を頷かせた。
客をもてなすセッティングのされたベッドの上へ腰を掛け、良い香りのアロマに鼻をすんすん鳴らしながら視線は男の碧い瞳へと向けられて。

「それはそうでしょうよ。
異性に触られるなんて、普通は怖いですし……。
お話、ですか? 別に良いですけど……カウンセリングみたいなもの、ってことですよね?」

向き合う様に椅子へ腰を掛ける男へ平坦な声で告げれば体も其方へ向き直し。
若干、体の暑さを感じながらも男の話を聞く探偵。

「エレイさん、ですね。冒険者ですか。
バイトか何かでマッサージ師もやってるってことですかね?
あっ、私はシェリルです。学生で、探偵もやってます」

首や額に汗が浮かび、やや息苦しさを覚え始める。
体の内側から熱が広がっていくような妙な感覚に、シェリルは心の中で疑問を浮かべた。

この体の異変はなんだろう。
この部屋に入った時から頭がボーっとして、妙に汗が噴き出してくる。

それがアロマの効果だとも知らず、シェリルは手のひらで額の汗を拭いながら男へ告げる。

「……話はもう大丈夫です。
はやく、始めてもらってもいいですか……?」

気だるげな表情を浮かべたまま、探偵はベッドへうつ伏せになって寝転んだ。
徐々に息も上がり始め、体も桃色が差し始める。
この状況が続くのは本能的にマズイと感じたのか、
さっさと終わらせてもらってここから出ようと。

エレイ > 「そんな感じですかな。一応全身マッサージをするつもりでいるが、重点的に
やってほしい箇所とかあったら遠慮なく言ってくれたまへ」

ハッハッハ、と何が楽しいのか笑い声を上げながらカウンセリングのようなものか、という
問いには頷いて、マッサージに関して何かしら要望があれば聞く、という旨の言葉を返した。

「ウム一応は冒険者としての依頼の一つではあるのだよ。シェリルちゃんだな、よろしくだぜ。
ほう、学生で探偵であるか。そいつはなかなか忙しそうね?」

年若いし冒険者ではなさそうだから学生かなにかか、という見当はついていたものの
探偵というオマケまでついていたことには、さすがの男も驚きに軽く目を丸め。
そういえば若い有名な探偵の話を以前誰かに聞いたことがあったかな、なんて記憶を辿りつつ。

「──ン、そうすな。そろそろ良い頃加減っぽいので始めるのがいいと思った」

どうやらアロマが効いてきたらしく、滲む汗でしっとりしてきた様子の彼女を眺めて目を細め。
せっつく彼女に大きく頷いてみせるとやおら立ち上がり、まずは開けっ放しになっていたカーテンを閉ざす。
その後のことはカーテンの奥に秘され、知るのは当人たちだけで──。

ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
シェリル > 「……そうですね、それじゃ──肩凝りが酷いので肩を重点的にやっていただけると」

疲労は堪るばかりである。
楽しそうに話す男とは対照的に、普段の疲れが酷く顔に出ている探偵はそう要望を返し──。

耳へと流れ込んでくる男の言葉に相槌を打ちながら、
体の異変は徐々にその片鱗を見せ始め。

「……はぁ、よろしく、お願いします」

アロマの効果は絶大らしく、若干の疼きを感じながらも、
締まりゆくカーテンを眺め──。

その先のことは二人のみぞ知ることであった。

ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からシェリルさんが去りました。