2021/03/09 のログ
■アーシア > 「そう、だったのですか……どうやら、私は本当に幸運であった様ですね……え?」
男の言葉に安堵したかと思えば、続く"大事な話"に些か緊張の面持ちを見せる。
一方通行であり、容易に引き返す事が出来ないということ。
迂回する他なく、示された方角には昏い一本道に連なる牢獄。
"男には反応しない罠"という聴いた事も無いモノがごまんとある、ということ――
「そ、う……なのですか。…………だ、大丈夫、です……っ。
元より独りで何とかしようと足掻いていた身、熟練者に先行頂けるというのであれば
それだけでどれ程心強いことか。簡単なサポートや法術であれば扱えますし、足手纏いにはなりません……っ」
心中に一寸差した不安を拭う様に声を上げれば、それは廊下に響き渡る。
身体は正直なもので、カクカクと膝は小さく笑ってしまって居たが。
男の言葉は的確で、尚且つ英断でもあった。
己が迂闊な性格である事をある程度自覚している修道女ではあるが、
男が先行を申し出て居なければ、足手纏いになるまいと焦り
容易に罠やら驚異やらに脚を踏み込んでしまう事になっていただろう。
とはいえ、正式な冒険者では無い彼女の注意力は低く、油断は出来ない状況ではあるのだが――
■グライド > 「元々、城の地下に有る牢獄なんて碌なもんじゃねぇ
重さ、男か女か、生命反応で…何て罠は、別に此処に限った話じゃねぇが、一杯有るってこった。
逆に、俺様みてぇなデカいの専用罠、なんて物も有ったりするが…。」
(何れにしても、誰が、或いは何が
どんな目的でそういう物を仕掛けているかは判らない、と言う事
上層で回収任務に当たっていた調査隊の練度を考えれば
彼女を先導するのは寧ろ、自分の為でも有る
変に踏み荒らされてしまえば、其れこそ冷や汗が止まらない
無論、だからと言って安全が約束された訳でもない、が
――通路を進み、左右に連なる幾つもの扉を通り過ぎてゆく
錆びついて口掛けたものも在れば、そもそも扉が外れてしまって居るのすら在る
魔物が何時襲い掛かって来るかも知れぬと在れば、油断は出来ず
あくまで、出来る限り音を立てず、慎重に進む
――暫くして、ふと、扉に何らかの文字が書かれているのを見つけた
生憎ながら、己には読み取れない類の、まるで刃物で刻んだような其れ
一度立ち止まり、扉の向こう、部屋の中の様子を伺っては
其処が、何も無い空間である事を確かめてから、背後を誘導して又進む
――きっと、ただ、其の儘通り過ぎていれば、何事もない。
だが、もし娘が、其の文字へと視線を向けて仕舞ったなら
教会の信徒である娘には、きっと読めてしまうだろう
其の文字が、まるで教会への皮肉と悪意を込めて
"本性を 現せ"
――そう、ノーシス教が用いる聖なる文字で、書かれて居るのを。
そして、其の瞬間。 娘の胸元で――チョーカーの魔力が、暴走めいて弾け
その身体へと、迸る、のも)。
■アーシア > 「そ、そういうもの、なのですか……? 胸に留めておこうと思います。
なにぶん田舎出身の無教養なもので、そういった文献とは今まで無縁でしたから……」
道すがら、男からこの手の場所に関する知識を受ければ真摯に聴き取り頷きを返す。
通路を進み、男が確認した事を確かめながら扉を潜り、男に習って音を立てぬ様慎重に進んでいた、最中――
「……? あの、ここに何か刻まれて……何かの警告文やもしれま、せ……、――……っッ」
ふと、男が一瞥した扉の文字がアーシアの視界に収まる。
男には読み解く事が叶わなかったそれの意味を、彼女は容易に読み取った。
"本性を 現せ"
その短い文章を目で追い、心の中で読み上げた、その瞬間。
ドクン、と心臓の鼓動が一度大きく、強く高鳴り、堪らずその場にピタリと脚を止めてしまう。
"本性を 現せ"
文章が、頭の中で、誰ともわからぬ声で以て響く。
何度も、何度も、それは頭の中に響き渡り、その度身体に感じる違和感。
「な、ぁ……待って、下さ……っ、なにか、おかし、ぃ……っ」
身体の芯から何かがこみ上げてくる様な感覚と、急激に上がりだす体温。
目眩を感じて身体を強張らせれば、自分の呼吸がとても荒いものに変わっている事に気付く。
変化はそれだけに留まらない。体温の上昇と共に感じるのは、疼き。
下腹部から、それと、衣服に包まれた豊満な乳房の先端から、
じくじくと、じわじわと、何かが滲み出るかの様な強い疼きが湧き上がり――
「な、にが……? は、ぁ……はぁ……っ、は、ぁ……ん……っッ」
息苦しさを感じ、堪らずその場に膝をつく。
体温の上昇は留まる事を知らず、まるで身体中がグツグツと煮え返るかの様だ。
アーシアが膝をつけば、男も変化に気付く事が出来るだろう。
振り返った男が目にするのは、膝を付き、吐息を荒げ、頬を真っ赤に染めた修道女の姿。
額からは汗が垂れ落ち、瞳は涙で潤み――その首元が、煌々と桃色の輝きで照らされている異常な光景。
■グライド > 「なぁに、俺様も元々は田舎の農夫だ
初めは色んな物に引っかかっちゃあ、ひでぇ目に遭ったもんさ」
(だから、無知其の物が問題とは思わない
知らない事を知れたのだから、其れだけでも良い勉強になった筈だと
進みながら返す声音はやはり、のんびりとした調子
其処までくれば、其の声音が娘に緊張を与えぬようにする為
敢えてやっている物だとは、きっと気付けるだろうか。
かく言う己だって、全てを把握している訳ではない
人間一人が仕入れられる知識には限界があるし
何より、本来の専門分野は、戦争と闘争、そして護衛だ
だからこそ、専門とは言えない扉の文字を読む事が出来ず
何より、自分には影響が無かったが故に、安全と判断して通り過ぎた
其の結果――背後の娘が、膝を突くのは想定外。
振り向き、其の異様な光景に一寸眉根を寄せれば。)
「―――――! ……おいおい、何だこいつは…。
何かの罠か? ……ったく…魔術は苦手なんだぜ…!」
(首元で光るのはチョーカーか。
其れが娘へと、何からの影響を与えているのは見て取れた、が
――其のチョーカーは、娘が元々着けていた物ではなかったか?
或いは、道中拾った物を装備したという可能性も有るが、兎も角
其の側へと駆け寄り、叶うならば、其のチョーカーに指を掛け、外そうと試みるだろう
だが――きっと、其れよりも早く
娘の脳裏で、あの文字が強く浮かび上がる筈だ
"本性を 現せ"
其の文字が、チョーカーの光をより濃密にさせたと同時
娘の腹の奥底で――雌が、目を覚ます。
意識や精神へと影響を及ぼずに居るのは、其れが正常な手順では無いからだろう
結果、娘の肉体だけが、娘自身の支配下から剥離する
きっと、首筋へと金属鎧の冷気が触れただけで、娘にとっては刺激の筈
そうなってしまえばもう、娘自身にも何が起こったかは自覚出来る筈だ
身体が――其の肉体が、雄を、渇望しているのだ、と)。
■アーシア > 「まあ……っ。そう、だったのですね。ならば、私と同じです。……ふふ」
男の言葉に、アーシアの表情が綻び笑顔が浮かぶ。
のんびりとした調子でおどける様にしながらも、気遣いと教授をくれる男の背中を見つめながら
(優しい人……)
と。その心遣いを察しながら、心中に尊敬と好意を浮かばせた。
――……皮肉にも、チョーカーの暴走による呪力は、アーシアのそんな気持ちをも増幅させるに至る事となるのだが。
「――……ぁ、く……ぅ、ぁ……ぁぁぁあ……っッ!」
ズクン、と、一際強く、大きく下腹が疼くのと同時。
アーシアの身体は無意識の内に動き、目前に駆け寄って来た男へと――抱き着いた。
その首に両腕を回し、制御の効かない身体がまるで男に甘える様に豊満な身体をその鎧越しに密着させる。
鎧の冷たさを衣服越しに感じれば全身が敏感に震え上がり、身体の感覚が研ぎ澄まされている事に気付く。
「も、申し、訳……あり、ません……っ。
扉の文字、を……見た途端、身体に、異変、が……、……っ。
全身が、煮える様に、熱く……勝手、に……あなた様に、この様な……」
男の耳元で、切なげな吐息と共にそんな謝罪と説明をするアーシア。
まるで熱に浮かされたかの様な声色は、身体と同じく甘えるかの様な声だった。
(これ、は、何……? 私……おかし、い……。
触れられ、たい……この方に、身体を……触って、欲しい……。
逞しい手で、直接……隅から、隅、まで……全部……っ)
自分のものとは思えない欲求が急激に膨らんでいく事に同様しながらも、
身体は「この優しく逞しい男性に身体を委ねたい」と叫び、必死にその身を押し付けていた。
煌々と輝くチョーカーの光を男が観察すれば、それがどの様なものか理解する事は可能だろう。
アーシアに起こった異変がどういうものか、そして、その異変から開放する手段が
"目の前の女を犯し、己の精でその身体を満たす"というものだという事を。
――修道女の頭を覆っていたヴェールがとさりと落ち、美しい銀髪がさらりと姿を現す。
女性特有の甘い香りがふわりと立ち込め、男の鼻腔を満たしていく事だろう。
■グライド > (――否、きっと、時には冷酷だ。
今は、娘を放り捨てて行くだけの理由もないだけ
治癒師であるという娘が支援を出来るなら
同行させる方が楽を出来るだろう、何て打算も当然ながら在る
ただ、其れも踏まえた上で己を、お人好しだなぞという輩も何故か居るが
――指先から、外そうとしたチョーカーが離れる
金属鎧は、女の薄着では冷たさを感じる筈だ
其れでも、構うことなく己が体躯へ縋り付き、其の身を寄せた娘の様相に
初めこそ、何かに操られているのかという警戒が働き、其の腰を掴んで剥がそうとしたが
――かつて、僅か一時では在るが学んでいた魔術の知識
才がなく、真っ当に修める事は叶わなかったが
今も頭の片隅に残っていた、其の雑学めいた知識が
娘の身に今、何が起こっているのかを把握する一端となった
――正しく其れは、洗脳や支配に近い
チョーカーの力による、娘に課せられた呪い其の物、で在ると。)
「……ったく…何つーもん着けてやがる…。
………、……此れを抱えて上まで行くのは、流石にしんどいぜ、嬢ちゃんよう。」
(――少しばかり――考えた。
決して地上までの道程は短くない。 何より道中は魔物が居る。
そんな場所を、娘を抱えて移動するのは自殺行為に等しい。
ならば現実的な手は、たった一つ――娘を、鎮める事
引き剥がそうとしていた掌が、其の儘娘の腰を抱え
其の身体を、ゆっくりと抱き上げては、周囲を見回した
幾つもの牢屋の扉の中から、寝台がまだ朽ちて居ない場所を探す
そして、其の牢の扉を開け、後ろ手に、気休めでも閉じては
腰に下げた荷物から、巻布を寝台へと敷いて娘の身を横たえよう。)
「――――……少し待ちな。 鎧姿じゃどうにも出来ねぇ。」
(言葉は、短く。 一度娘の身を引き剥がせば、其の側で
身につけていた鎧兜を外し、丁寧に壁際へと並べて置き
――娘の前に、鎧の下へ隠されていた、其の筋肉質な体躯を晒す
雌、其の物である熟れた身体の娘とは対象的に、雄、其の物で在る気配
下当てとなる肌着を剥がし、鎧の上へと放り掛けては
改めて娘の姿を上から見下ろし、其の上へと、覆い被さって行くなら
――其れまでの間に、果たして何度、娘の脳裏に、あの文字が浮かび上がるだろう
其の度に襲い来る疼きの波が、娘の腹奥を鮮烈に灼けば
きっと、下腹へと、其の無骨な指が触れ、掌が置かれる頃には
既に其処は、弾ける寸前にまで、狂い蕩けている、か)。
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