2020/09/23 のログ
ご案内:「図書館」に獣魔目録さんが現れました。
■獣魔目録 > ――…おぞましき欲望をこめた或いは無尽の知識を綴られた魔導書を人間に読ませるために、ヒトの手に委ねる為に今日も魔導書の化身は書架を整理する。
彼の名は白紙の魔導書。
魔導書として魔力を籠められた1冊の白紙の書。
製作者はその魔導書に一片の文字を綴る事無く命を絶ったか、それとも魔導書を破棄したか理由はわからない、ただ結果として白紙の魔導書として此処にいる。
一切の記述がなければ魔導書としても価値はなく、こうして受肉することも出来ない、筈であったが読み手を誑かす魔導書や淫らな悪夢を見せる魔導書達から僅かな魔力を得てる事で受肉している――…全ては魔導書たちの願いを叶える為に。
特に中心核となっているのは魔獣の皮で装丁された1冊の魔導書である。
名は『獣魔目録(じゅうまもくろく)』
大陸に住まい魔獣で一目でも人間の目に止まった魔獣であれば全て記載されているというその名のとおり魔獣に特化された魔導書。
手にしたモノは獣魔目録に記述された魔獣であれば必ず一度は魔獣と交渉することが出来る、手にしたモノが必要としている魔獣の情報を得ることが出来るという希少な魔導書の中でも特にレアなモノで、その分魔導書に籠められた魔力は膨大であり、1冊の魔導書に意志と肉体を与えることは非常に容易い。
結果、その魔導書を必要とする人間を見つけるために白紙の魔導書はこうして本に携わる仕事をしながら、知識と力を求める人間を捜し歩いている――…今夜は解読依頼を受けた本を司書が座るべき図書館のカウンターに座り、司書の真似事をしながら、解読中である。
■獣魔目録 > 魔獣ではなくモンスターにも分類されない野生の生物。
敢て分類するなら動物と言えばいいか、魔力の影響も何も受けていないそんな獣たちを模写した挿絵と詳しい生態が書かれた本――…である気がする。
挿絵などは見れば判る。
しかし動物の生態に関しては認識しようとするとモザイクの掛かる術式が本自体に刻まれているのか、読みづらい。
しかし是は本であり魔導書であるのは間違いなく、読めない魔導書なんて何の役にも立たない。
ならば何か仕掛けが有るのではないか?と推測し、その動物図鑑?と思しき本と手持ちの本の中で一番力のある獣魔目録を並べ、目録より力を借り受けながら図鑑の方を一ページ一ページ丁寧にめくり続けた。
肩肘ついて、眉間に皺を寄せ、両目を絞り細くして睨めっこ。
これが当りであれば絶対に力として欲しいし、是が巻き起こす騒動も見てみたい、と、絶対に解読してやると、鼻息を荒くする。
――…その姿はフードを被るローブ姿の人影。
決して図書館に似つかわしい姿とは言えないのに、図書館の利用者は何も言わず、周辺でも極普通の図書館として認識され冒険者や平民地区から富裕地区の人間まで幅広く利用しているのに、誰も1人として違和感を感じていなし、苦情も来ない。
まあ素顔を見せず安いボロボロのローブを身につける人間なんて別段珍しくも無いのだろう。
そのお陰でこうして司書の真似事し、ヒトに混じり生活するのに助かっている。
どうも今夜は解読作業が捗らない。
そんな時は気晴らしをするか、と別の本を取り出して読み始めて。