2020/09/19 のログ
■タン・フィール > 「うーっ…あづ~~~…っ」
炎天の直射日光を遮り、避けられるテントとはいえ、
反面で鍋を煮るための火の熱気が籠もる構造にもなっていて。
そんな中で数時間、薬作りの熱気と格闘していくことで少年の体力は大幅に削られていく。
おまけに、汗のひとしずくも薬の中に混入してしまえばこれまでの努力と素材が全て無駄になるという神経の消費も、
少年の幼い心身に消耗を強いていた。
「よし…あとは煮詰めるだけだし、ちょっと、きゅうけーい!」
薬鍋に蓋をして、予熱で煮詰める段階までなんとかこぎつければ、
テントの天幕までとてとて走り寄って、ば!と勢いよく開いた。
「んんーーーーーっ!!…きもち…いいっ!!」
外は生ぬるい風ではあるが、室温50度を超えそうなテント内に比べれば快適に涼しい風が通り抜けていて、
心地よさそうに汗ばんだ肌や顔を外気にさらし、
裸に羽織った大きめのサイズのシャツと素肌の間に風が通り抜けていくのが心地よい。
時折はためいた拍子で、少女のような両足の根本やお尻、薄い胸元が晒されてしまうが、全く気にする様子もなく。
ご案内:「薬屋のテント」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
■エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。
その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。
なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。
「──よしこんなモンかな」
その中の一室を臨時スタッフとして担当している金髪の男は、施術用ベッドの近くにあるアロマの噴霧器(ティフューザー)の前に立って
ゴソゴソと何やら怪しい挙動をしていた。
男の手が離れたあとには、噴霧器のそばには銀色の小さな箱のような物体が置かれているのが見える。
それは最近になって入手した撮影用の魔導機械であり、ようはマッサージ中の映像を撮影してやろうという魂胆である。
なおこの箇所だけでなく、室内の他の場所にも密かにいくつか設置済みのため、あらゆる角度からの撮影が可能になっている。
「あとはいい感じのお客が来るのを待つだけなんだが……おっとと」
眉下げて笑いながら、うまく『標的』になる客がやってきてくれるかどうかが問題だ、なんて考えていれば、
狙ったようなタイミングで背後のカーテンが開く音がして振り向く。
はてさて、そこに現れたのは男が望む対象なのか、それとも──