2020/02/22 のログ
ご案内:「無名遺跡/塔の最上階」にリムリアさんが現れました。
リムリア > ふわりとした浮遊感を感じたと思った、その刹那の後に辺りの景色が一変する。
つい先ほどまで石造りの遺跡のこじんまりとした部屋に居たはず。
そこから出るための扉を潜ったところまでは、はっきりとしているのだけれど。

「ま、また……? 今度はどこ……?」

突然の転移は、これで二度目。
一緒に遺跡へとやってきた冒険者たちとも逸れてしまい、途方に暮れるばかり。
場所を確認するために周囲を見渡すと、吹き上げてくる風が新緑色のローブをはためかせる。

「え……? 外? 塔…!?」

見渡すばかりというほどの高さはないものの、周囲の木々よりは遥かに高い位置
下に降りようにも、階段らしきものは見当たらず、どこをどう通れば良いのか分からない。
目に付くものと言えば、周囲に彫り込まれた石像と、またしても扉。

つい先ほど扉を潜って飛ばされたばかりではあるけれど、他に行く当てがなく、恐る恐るその木製の扉の方へと近づいていく。
何か重々しい重圧を感じてしまうけれど、それだけにこの先に何かがあると思い知らされ。
知らず知らずのうちに、息を押し殺し。

獣魔目録 > ガリガリガリ、と硬い物体を擦るような音は木製の扉の左右に立ち、その手で扉を支える二体のガーゴイル像から鳴り響く、更に細かくいうのなら、石像の眼は塔の屋上に突如現れた冒険者と思しき少女の方へと向く音である。

だが、彼らの行動はそれだけ。
まるで少女の値踏みするような足元からその胸元まで視線を幾度も往復させて、ジロジロと嘗め回すような視線を向けるのみ。

片や木製の重厚なる扉の方は誰も手を触れていないのに少しだけギィと人の悲鳴じみた音をあげて微かに開き、その扉の向こう側を垣間見せよう。

その隙間から見える光景は単に扉が開いき屋上の向こう側が見えるのではなく、別の光景が広がっている。

其処から吹く風は新緑を思わせる清々しい緑の香り、しかしその扉の隙間からは緑は全く見えない。

見えるのは姿見というべきか、息を押し殺しおそるおそる近づいていく少女と寸分違わぬ鏡写しの姿、だが、鏡の向こうの少女の後ろにはヌラヌラと粘液が絡み滴り淫靡に輝く触手の群れ。

此処は無名遺跡の塔の屋上。
木製の扉を閉じるか否か、それともその向こうに希望を見出して開けるか、魔導書が生み出した扉の姿をした魔物は選択を待っている、そしてその脇に聳え立つガーゴイル像もまた少女の選択を待つ、もし……もしだ少女が扉を閉めたなら、次は二体のガーゴイル像達が突如現れた少女と交渉する権利を得るのだから。

少女に答えを促すように塔の屋上につめたい夜風が吹く。
その夜風に交じり周囲の遺跡からは微量な魔力が扉の方に吸い寄せられて、屋上はより魔力が濃厚なる空間となるだろう。

リムリア > 耳に届く不吉な物音に、護身用の短剣をぎゅっと握り締める。
その軋むような音が一体どこから聞こえてくるのか。不安そうに窺うと、それは扉の両脇を守るように立っていた石像からだった。
動くはずのない、それがこちらへと視線を向けてくる様子に、思わず短い悲鳴を上げ。

「――ひゃッ!? ……お、襲ってこない……よね?」

対になったそれらは、こちらを睨め付けるのみ。
それ以上の動きを見せなければ、安堵はできないものの、ゆっくりと慎重に扉へと近づいていく。
ひとりでに開く扉。それはまるでこちらを誘っているかのようにも思える。
僅かに開いたその向こうは、よく見えないものの、良く知る緑の香りが漂ってくる。
その香りに勇気を振り絞って、真鍮と思しきノブへと手を掛ける。
石像の視線を気にしながら、意を決してその向こうを覗き込むために古びた木のそれを開き。

「……え? か、鏡……? ど、どうしてこんなものが……?」

確かに風が流れてきていたはず。
けれども開いたその向こうに見えたのは、不安そうな表情を浮かべた自分の姿。
これまでと同様に、どこかはともかく、こことは違う場所に繋がっているものと思い込んでいただけに戸惑ってしまう。
けれど、そんな戸惑いも一瞬。自分の背後に映り込んだ触手に気づくと、短剣を抜き取り、慌てて振り返り――

ご案内:「無名遺跡/塔の最上階」からリムリアさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡/塔の最上階」から獣魔目録さんが去りました。
ご案内:「古城」に獣魔目録さんが現れました。
獣魔目録 > 此処はメグメール自然地帯に存在する小さな古城。

何時から存在しているのか、誰が城主だったのか一切の情報がなく、城内を探索してもその手の情報が一切見つからない不思議な古城である。

外見からして広くは無い古城なのだが、中に入ればその広さよりも清潔感があり、今の今まで誰かが生活していた気配すら感じるかもしれない、が古城の中を探索しても誰一人会う事もすれ違うこともなく、定期的に冒険者ギルドが古城の情報を得るためにクエストを発注するも毎回情報を得られず終わる事が殆どのようだ。

――…さて、今宵その古城に不思議なことが起こる。
あれだけ冒険者が城内を散策しても何も見つからず、の古城なのだが、新しい扉が見つかる。

その扉を発見した冒険者はギルドに報告し早速クエストとして扉の向こう側の探索が始まるわけだが、その扉の位置に向っても扉を見つけられる者と見つけられない者がいるようで……。

――…もし、今宵も誰かが古城に迷い込んでくる、或いは調査にクエストを受注して、理由は様々があるが古城を訪れるのであればその扉は容易く見つかるだろう。

そして扉を開き奥へ向うならば、其処は真っ直ぐな廊下。
奥は曲がり角で、其処に至るまでに幾つかの扉と壁側には絵画が大きな姿身を挟みながら何枚も並んで飾られている。

扉を調査するのもいい
飾られている絵画を調べ、気に入れば回収して報酬にしてもいい
奥へと進んで曲がり角を曲がって先を目指すのも自由だ。

だが、その選択肢は選んだものの運命を決める。
そしてどのような運命が待ち受けているかは選ばなければ判らない。

或いは注意深く観察し進むといい。
其処には必ずヒントがある筈だ。

獣魔目録 > 古城に訪れる者はないようだ。

謎は謎として残り、新たに見つかった扉の先は謎のままである。
だが謎が有る限り、まだみぬ宝が有る限り、きっと古城を訪れる者は居るだろう。


――…その古城を見つけること自体困難であるが、だ。

ご案内:「古城」から獣魔目録さんが去りました。