2019/12/29 のログ
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。

その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。

なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。

「──くーわわわ……」

──そんな中の一室で、施術台の横の椅子に座って待機しながら大欠伸をかましているのは、スタッフ用の作務衣に身を包んだ金髪の男。
男は正規のスタッフではないが、スタッフの一人である知り合いの頼みでヘルプとしてこの場に入っていた。
一応、名目としては冒険者としての依頼という形にもなっており、報酬も出すとのことなので、男としては断る理由もなかった。

──で、そんな事を定期的に繰り返しているうちに、男のマッサージは客の間で徐々に評判に
なりつつある、というのを知り合いから聞かされた。

男としてもここ最近妙に指名が多いような気がしていたが、どうやら気の所為ではなかったらしい。
まあ、評判になっているというのであればそれは良いことだと思う。
思うのだが──

「いや、それはエエのだが……俺様は一応冒険者なんですがねぇ。なんかもう
流れのマッサージ師にでも転身するべきか? ──む……?」

なんて、男個人としてはなんというか複雑な胸中をブツブツと吐き出していると、
ふとカーテンが開く音がして我に返り、顔を上げる。
個室は廊下に面しているため、受付を経ていない誰かも稀に紛れ込むこともあるらしいが、それはそれとして。

さて、訪れたのはマッサージを所望の客か、それとも──

エレイ > 果たして、男の前に現れたのは誰だったのか──それは本人たちのみが知る所で。
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」にリスさんが現れました。
リス > トゥルネソル商会、王都マグメール店は、平民地区と富裕地区の境目、大通りに有るお店。
 地上4階建ての煉瓦造りの建物であり、それぞれの階ごとに、様々な品物を取り扱っているお店である。
 そんなお店の店長である少女は、本日もいつもと変わらぬ様子で仕事をするのである、お客様をおもてなしするために、店の状態を確認してみたり、品物の陳列を行ったり。
 基本的な事は、店員のミレーでも出来るように教育しているが、やはり少女にしかできない事、接客も有るもので、そういう時は店員が呼びに来るようになっている。
 今日は、今のところ少女が呼び出されるような案件もなく、事務室で書類などの作業をするのである。

「んー。」

 事務室は、一階に有り、大きな窓があり、入り口から見てすぐ対面に有るので、少女が居るかどうかが判る場所となっている。
 一階は基本的に馬車の手配や武器防具の修繕、ドラゴン急便などのモノを売るのではなくサービスを申し込む場所となるので、そこまで人が貯まる場所ではないのだ。
 なので、誰かが来ても直ぐ少女が居る事は解るし、少女の方からもすぐわかる様になっている。
 さらりさらりとペンが書類を滑り、仕事を一つ一つ終えていく。
 少女は、小腹が、きゅ、となるので視線を上げる、今何時だったけ、と。

リス > 「あらぁ……。」

 時計を見てみれば、時間もいい時間となっている、朝から仕事をしていたのだけれども、もう、夜になっていた。
 そろそろ上がる時間にもなっていたという事である、仕事の残量を確認すると、もうほとんど残ってはいない後、書類にして数枚程度。

「それなら、終わらせてから、上がろうかしら。」

 ふむふむ、と書類を眺めて少女は小さく唸る。
 羽ペンを動かして書類を書き記す少女、その作業はすぐに終わってしまうものである。
 書き終わって少女は、手早くお金を数えて、引継ぎを作りお金をしまうのだ。

「これで、良いかしら。」

 金額に問題は無く、作業を終わらせて少女は小さく息を吐き出して。
 仕事を終えて、金庫にお金をしまってから窓の外を見る。

「何、食べよう。」

 家に戻って何かを食べるか、それともどこかに食べに出ようか。
 それを決めてからお店出ようかしら、と、外は寒いので。

リス > 窓の外を眺める、普段通りにお客様が入り、そして、上の階へと歩いていくのが見える。
 店員も慣れた物である、良い事ね、と思いながらも、思考は食事、肉にしようか、魚にしようか野菜にしようか、肉にしようか、肉にしようか。
 肉肉肉肉肉。

「ン、やっぱり肉ね。」

 ドラゴンの肉食動物の血は、やっぱり抜けないもので、肉料理が食べたくなるのはいつもの事である、別に野菜や魚が嫌いなわけではない。
 肉が一等好きなのである、それだけである。
 じゃあ、肉にしましょう、と少女は身支度を軽く整えて、カバンを以て、店員たちによろしくね、と言うのだ。
 そして、店を出ることに。
 さて、どのお店にしようかしら、平民地区の安くて量の一杯あるところか、富裕地区の美味しいお店か。
 家に帰るのもアリだ、家なら高確率でお肉であるし。

 とことこ、と、少女は道を歩き始める。

リス > 「そうね、あそこにしましょう。」

 少女は、うん、と小さく頷いて見せる。
 目的の場所が決まった、肉料理、量と味と値段がちょうどいい場所、今度は明るいときに、もっと別の場所も開拓しないといけませんね。
 そんな風に思いながら少女は、そのまま店に歩いていくのだった。

 そういう少女の一日―――。

ご案内:「トゥルネソル商会 王都・マグメール店」からリスさんが去りました。