2019/12/21 のログ
ご案内:「村の川辺」にキザンさんが現れました。
キザン > 国境警備の詰所からほど近い寂れた村の川辺、西の少し遠い所では何も無い村が静かに佇んでいる。
その村を分けるように流れる川の近くの小さな道を歩く男二人がいた。二人とも帝国の武官だった。
その内一人は上着に袖を通さず羽織って身に着け、火のついていない煙草を咥えている。
けだるそうに歩く男とソレについていくもう一人の武官が脚を止めると、遠く見える村に目が行った。

【暇ですね隊長、村もいつも通りだし】
「そうだな…めぼしい生娘がいないんじゃねぇか?」

もう一人の武官が思わず吹き出すと、煙草を取り出しながら歩きだす。隊長と呼ばれていた男はそのまま
別方向へ川辺をぶらぶらと歩き始め、疲れたような怠そうな表情のまま遠く見れるすっかり
瑞々しさの失せた木々のある山を眺めていた

「はーぁ…めんどくせぇ」
反対の方向に歩く男は詰所に戻る所、休憩と称して国境を完全に留守にして1時間ほど話し込んでいたのだった。
そろそろ戻るかと、その方向に歩き始めた所であった

キザン > 1時間話し込んでいた時よりも男の歩く速度は極めて遅い。歯を動かして煙草を上下に動かしながら
たまに吹く風で足元に舞う枯葉をつま先で蹴飛ばしながら、ゆっくりした川の流れを眺めては
足を止め、またひどくゆっくり歩きだし、また眺めるというのを繰り返していた。

正直な意図としてはそのまま真っすぐ詰所に帰るのが怠いという所である。
とはいえ残った煙草は咥えている1本だけ、詰所に帰らないわけにはいかなかった。
そう、あくまで仕事の為では決してなかった。