2019/11/11 のログ
ご案内:「山の中の露天風呂」に刀鬼 紫沙希さんが現れました。
刀鬼 紫沙希 > 山があれば、そこを掘れば存外温泉が湧くことはよくあることであった。

山の中で掘削作業をしていた所、温泉が湧いたと言う。
泉質等を確認し、安全性が確認されたので鬼の一家はその温泉地を買い取り、簡単な囲いを作っては露天風呂として開放する。

特段入浴料を取らず、露天の風呂を堪能するだけの質素な風呂。
鬼はお忍びでここに現れては冷えた体を温めているのであった。

この風呂は混浴であり、男女、種族、身分の違いなく誰でも入れるのが鬼の方針であった。

刀鬼 紫沙希 > 湯は透明で、触れると僅かな滑り気がある。
野良仕事で荒れた肌がつるつるに戻ると評判であった。

鬼も最近は山の中で活動していることが多く、肌は荒れていかもしれない。
湯を手に取り、手先や首筋、身体へと塗り付ける。

そういえば、酒を用意するのを忘れたなと唇を尖らせる。
無くて死ぬほどではないが、無いと体が疼く。

代わりになるような物もなく、鬼は深く息を吐くのであった。

ご案内:「山の中の露天風呂」にアルブムさんが現れました。
アルブム > いつもの『修行の旅』として、山の中までやってきたアルブム。
しかし今回、この山に入ってきた理由は山籠りだけではない。
新たな温泉場が発見されたという噂を聞き、興味を抱いてわざわざ足を運んできたフシもある。
その温泉場は噂に曰く『鬼の棲む温泉』だとか。

「まぁ、この国には龍の棲む温泉だって妖怪の棲む温泉だってありますし。
 ほんとにオニなんているわけないですよね。ふふ……あ、あった」

かくして、荒々しい自然の中に忽然とそびえ立つ人工的な囲いを見つけ、目的地にたどり着いたことを悟るアルブム。
山中の温泉はこの国の重要な観光資源であろうが、さすがに寒くなってくる時候、まさか他に利用客はいないだろうと。
久しぶりにのんびりゆったり温泉を堪能できる! ……と、早足気味に囲いの方へ近づいていく。
ガラン、ガラン、と杖の先についた2つの鈴がけたたましく鳴る。

「…………………………あ」

中に入ってから服を脱ごうと、ローブ姿のままで囲いの中に踏み入ってくるアルブム。
すぐに先客がいることに気づき、びくりと全身を震わせて固まってしまった。

「………………ご、ごめんなさい。先客いらっしゃったのですね。確認せずに入ってきちゃって……すみません」

そして、立ちすくんだままで先客の方に恐る恐る気味に声をかけてくる。怒られるのも覚悟して、ぎゅっと杖を握りしめる。
性徴を感じさせない、男子とも女子ともつかぬ高音の声である。

刀鬼 紫沙希 > 鈴の音が遠くから聞こえる。
熊よけで鈴をつけると言う話を聞いたことがあるが、これほどけたたましいと熊は避けても別の物が寄ってきそうだ。

音が大きくなるにつれ、音の主が温泉目当てにやってきたのかと鬼は一人喜んだ。
折角整備した浴場、広く使ってもらいたい。

「おう。」

互いに視線が合わさり、鬼はその場で身を縮こませている少年?に笑みを浮かべる。

「別に確認する必要はねえぞ、ここはそういう風呂だからな。
ほら、邪魔にならねえよう詰めてやるから入りなよ。」

鬼は岩で覆われた風呂の隅で両手両足を広げ、寛いでいた。
浴場は広く、詰めれば10人程度は入れる。
ただし、湯は透明であり、鬼が持ち込んだ布は丸めて岩場に置いてある。
よって、大き目な胸も更に立派な一物も堂々と曝け出していた。

アルブム > 「………は、はい、こんにちわっ」

声を返されると、金髪の少年はポニテを大きく振りながらぺこりと深い会釈。その仕草には未だ緊張が色濃い。
アルブムの早合点ではあるものの、やっぱり先に浸かってる人がいる湯船にずかずか入り込んでしまうのは気まずい。
しかし、まぁ少なくとも先客の女性はアルブムを叱りつけたり叫んだりはしないし、むしろ隣に来いと誘って来てる様子。

「………あ、ありがとうございますっ! では、し、失礼して………」

決して狭い訳ではない湯溜まりだが、伸び伸びと手足を伸ばす先客がいると否応なく狭く見えてしまう。
アルブムは囲いの端でいそいそと衣服を脱ぐと、背を丸め肩をすぼめ、股間をぎゅっと隠しながら静かに湯に足を差し入れた。
暖かい。気持ちいい。しかし先客への遠慮がいまだ拭えず、小さく丸まるように身を屈めて湯へと浸かりこんだ。

「……………………!!」

ここにきて初めて、先客の女性の大きく広げた脚の間に、普通の女性が有するはずのない器官がついていることに気付いた。
アルブムは視界に入ったそれを数瞬まじまじと見つめてしまい、そしてぐっと目を瞑りながら視線を逸らそうとする。
ふたなりを目にするのはこれが初めてではないけれど、「局部」とされる箇所を眺めてしまうのはやはり恥ずかしい。

「…………う、えと。お、お姉さん………ここ、よく、来られるのですか……?」

しかし沈黙を作ることには耐えきれず、紫沙希のほうに視線を向けないまま、ぎこちない世間話を切り出そうとする。

刀鬼 紫沙希 > 「はいはい、こんにちは」

人形の様に規則正しいお辞儀は育ちもあるが、固くなっている証拠か。
身体に糸か棒でも入ってるように直線的な動きに鬼は肩を震わせる。

「この風呂は気兼ねなく入るように作ったからな。
無礼講だ、無礼講。」

湯が温かいのか、素面にも関わらず顔の赤い鬼。
少年が裸になり、下腹部を隠しながら入るところをそれとなく見ている。
小振りながら立派なモノがぶら下っているようだ。

そして、少年も鬼の体にある大ぶりのソレが目に付いたようだ。
視線を外すも、一瞬の間向けられた視線は鬼を刺激する。

「寒い時はよく来るぞ。
ここは静かで気兼ねなく寛げるからな。
そういう君はどうなんだ?
修行僧のような格好だが、山歩きは冷えるだろう。」

鬼は四肢を伸ばして相変わらず寛いでいる。
視線を逸らしながらも話しかける少年が面白く、鬼は興味津々だ。

アルブム > 「………作った? もしかして、お姉さんがこの温泉場を作ったんですか?」

嘘か真かは定かでないにせよ、そういう口ぶり。
紫沙希の言葉にはっと顔を上げ、なるべく脚の間に視線をやらないように相手の方を見やった。
――それでも湯面に浮かぶ2つの大きな乳房はどうしても視界に入ってしまう。
未だ異性の肉体に免疫の薄いアルブムとしては、赤面し狼狽せざるを得ない。

「あ、あの。ありがとうございますっ! ぼく、お風呂大好きなので、こういう温泉もよく使うんです。
 よく王都を離れて旅をするんで……寒くなってくると川で水浴びするの辛いですから。とっても助かります!
 …………その。タダで入ってよかったんですよね?」

感謝を感じたら口にすべし。話す時は相手の顔を見て。でも、なかなか裸の女性は直視しづらい。
そんな戸惑いに苦々しい笑みを浮かべながら、たどたどしく言葉を連ねる。
そうしてる間に、身体を縮こませるのにも疲れてきたか、徐々に四肢の緊張も解けていく。
股間を隠すのもやめ、見た目の年齢相応の男性器を露わにする。まぁ、目の前のふたなり女性のそれには到底敵うまい。

「ぼく、アルブムっていいます。……そうですね。修行僧、だと思います。
《かみさま》が修行しろって言うから、1年の大半は山とか野原で過ごしてます。
 野宿はもう慣れっこですけど、やっぱり寒いのよりは暖かいほうが好きですから……えへへ。
 ……そういえば、その。お姉さんがこのお風呂を作ったってのが本当だとしたら……」

なおも視線のやり場に困るように空色の瞳をせわしなく動かしながらも、なるべく相手の方を見ようと頑張って。

「……もしかして、お姉さん、『オニ』さんだったりするんです? なんて……」

髪に隠された額の角にはまだ気付いていない様子。

刀鬼 紫沙希 > 「まあ、正確には整備しただがな。」

ついつい口走ってしまった。
鬼は胸元に視線を感じるも、隠すものでもないとのびのびと寛いでいる。
厚くなってきたのか、岩の上に上がる。
脚だけを湯につけ、胸も下腹部の逸物も最早湯の中にすら入っていない。

「それは良かった。
君みたいに風呂好きに使ってもらえると何よりだ。
そう、タダだ。 旅先では何かと路銀に困るだろう?
風呂位気兼ねなく入れると便利だろうと思ってな。」

簡単な囲いだけの風呂は自然と開放的な雰囲気を作り出す。
こちらに視線を向けづらく、苦悶している少年に鬼はじわりと近寄るのであった。
少年が四肢を伸ばせば、鬼の視線も少年の体へと向けられる。
年相応の身体であったが、どちらかと言うと美少年の類であるか。

「かみさまの声が聞こえるのか、凄いものだな。
この風呂はいつでも空いてるから、近くに寄った時に使うと良い。」

アルブムと名乗る修行僧の話に相槌を打っていると、言い辛そうな彼と視線が合わさる。

「そうだぞ、刀鬼 紫沙希と言う名の鬼だ。
鬼と言っても別に人を食うわけでもないし、ただ欲求が強い位だ。
ほれ、ちゃんと角も生えているぞ?」

前髪を捲りあげ、短い角を見せる。
触れば堅く、短いこの角が鬼である唯一の証拠であった。

「鬼が居ると知ってわざわざ来るとはな。
鬼に興味があるのか?」

アルブム > 「よ、よかったです。……あ、いえ。もし入浴料を取られたとしてもぼくはちゃんと払うつもりですけれど。
 こんな気持ちいい露天風呂を作ってくださったんですもの………その、ムラサキさんが……」

人のためになる施設をわざわざ作り、こうして無料解放してくれている有り難い成人女性。
目の前にいるムラサキと名乗った『オニ』の慈悲深さに感謝と尊敬の念が湧いてくる……が。
他方で、湯から上がってその肉体を見せつけてくる彼女の様子にはやっぱり目のやりどころに困ってしまう。
全体的に見ればすらりと細く、それでいて胸についた2つの柔肉はとても豊満で女性らしい。
美人と形容せざるを得ないシルエットに、不釣り合いにぶら下がった男性器も否応なく目を引いてしまう。
そして……。

「……わぁ。ツノです。本当に『オニ』だったのですね、ムラサキさんは……」

髪をたくし上げて見せつけてくる額、そこに生えた小さなとんがりは、人間にはありえない突起である。
魔族は羊や牛の相を有したツノを生やしていることが多いが、紫沙希のそれは魔族のものとは明らかに違う。
つまり、それこそが彼女がオニである証なのだろう。
アルブムはこの国の東の果てで育ったため、さらに遥か東方の世界に棲む様々な種族についてもお伽噺に聞いたことがある。
あくまでもお伽噺に過ぎなかったけれど……。

「………い、いえ。ぼく、噂でこのお風呂が『オニの温泉』って聞いたので。
 半信半疑だったんですけど。ほんとにオニが温泉に潜んでいたら怖いな、とか思いもしましたけど。
 ……で、でも。オニさんは居ましたけど、怖いオニじゃないのはとっても嬉しいです!
 それどころか、こんなにキレイで優しいオニさんがほんとに温泉を作ってくれてたなんて……」

こちらに身を寄せ、額を見せてくれる紫沙希。遠目には愛らしさすら感じるような小さなツノに、アルブムの視線が注目する。
ざぱりと立ち上がり、そっと身を寄せ、彼女の額に向けてしずかに両手を伸ばし……。
ツノに触れようとしたところで、びくりと身体が硬直する。知らず知らずのうちに立ち上がり、いま我に帰ったような様子。

「……あ、あう。ごめんなさい……勝手に触ろうとしちゃって………」

当然、男の子の恥ずかしい部位も隠すことなく。もう少し前進すれば互いの身が触れ合ってしまいそうな距離感。
そんな状況に自ら踏み込んでしまったことに赤面し、目をうるませつつ立ち尽くしてしまう。

刀鬼 紫沙希 > 「そんなことをすれば入れなくなる人間もいるだろう?
たまには旅人を慰労するような施設の一つもないとな。」

湧き出した温泉を囲っているだけの温泉だが、清掃作業などは鬼の一家が交代で行っている。
鬼は礼儀の良い少年との歓談に気をよくしていたが、時折体に向けられる視線が気になる。

鬼は自らの体にそれほど自身があるわけでも、これと言った羞恥心も持ち合わせていない。
なので気にはならないはずが、見られていくうちに少々体が熱くなっていた。

「そうだぞ、嘘偽りなく本物の鬼だ。」

この国では鬼の異名を持つものは多数いそうだが、鬼は種族的な意味での鬼である。
鬼としての荒々しい一面も有するが、今少年の前に居る鬼は社会性を持つ鬼であった。

「鬼にもいろいろ居るからな。
人間もそうだろう?
しかしなんだ、そう褒められるとなんだか恥ずかしくなるな。」

鬼は両手で髪を掻き揚げたまま、興味ある様子の少年が触れてくるまで待つことに。
湯気を放っては立ち上がる少年、ゆっくりと近づき、いよいよ角に触れるかと思ったが。

「なんだ少年、今更遠慮することもないだろう。」

鬼は右手で彼の背を掴むと、その小さな体を突き出す。
両の手は角に触れ、互いの生殖器がともすれば触れてしまうだろうか。
そして、少年の目の前には鬼の大きな胸が。

「触りたいのなら好きな所を触ってもいいんだぞ。
但し、俺も最近は溜まっているからな。
代わりに君にも手を出すかも知れんが。」

鬼の腕は細身ながら力強い。
今は柔らかく触れているが、その気になれば容易く襲われることを感じさせる危うさが漂っていた。

アルブム > 「ひゃう……っ!」

固まっていたアルブムに、紫沙希の方から手を伸ばされ、掴まれる。
触ろうとして触らなかった彼女のツノにようやく触れてしまう程度の引き寄せられ方だが、それでもアルブムはかなりびっくり。
細く小さな身体を緊張で震わせ、しかしながら飛び退く力もなく。まるで生娘のような甲高い悲鳴を上げてしまう。
――まぁ、それでも狼狽は一瞬で。遠慮することはない、という彼女の言葉に、すぐに緊張はほぐれる。
けれど、ようやく手の届いた彼女のツノを恐る恐る指で撫で、それ以上のアプローチはまだできない。

「……あ。思ったより硬いんですね……ムラサキさんのツノ。これがオニのツノなんですね。
 …………えっ。好きなところを触ってもって………う。あう……」

ツノに興味を惹かれて近づいたアルブム。ひとしきりその感触を確かめ終え、他にも触っていいなどと促されると。
その時点でようやく、眼下にて震える2つの柔肉とその間の深々とした谷間が目に入ってしまう。
おっぱい。オニのおっぱいである。男の子であれば、その甘くふくよかな部位に惹かれないわけもない。
ごくり、と生唾を飲み込む音。しかしアルブムはまだまだ奥手である。
よい、と言われて嬉々として貪りつくような強かさが備わっているはずもなし。
それでいて、『溜まっている』という彼女のセリフには僅かながら恐怖すら感じて。
ナニがどう溜まっているのか察しがつく程度には経験もあるアルブムである。
言われるままにその胸に手を伸ばしたら、きっと何かしら「ひどいこと」になる予感を覚えて。

「………そ、そうだっ! せめてものお礼です、ムラサキさんのお背中流しますよ!!」

アルブムは自らの悶々を振り払うように声を張り上げると、近づいていた身を離し、やや慌て気味に湯から上がった。
そして荷物の中から小さな石鹸を取り出すと、湯の縁に腰掛けた紫沙希の背後にやってきて……。

「……………………………な、なに。なんですか、これ」

そこで初めて、彼女の背に描かれた『昇り龍』に気づく。人体に直接描かれた絵画なんて初めて見るものだ。
恐ろしいものを見たような、それでいて興味津々なような、少し怯えた問いが紡がれる。

刀鬼 紫沙希 > 角は固く、温まった体で触れれば冷たく感じるだろうか。

少年でありながら、汚れを知らぬ少女のような反応に、鬼は少年の身体より手を離す。
驚かせてしまったなと、鬼は渋い表情を浮かべている。

「なんだ、その様子だと色々と経験があるようだな。
修行をしているだけあって賢いな。」

年ごろの少年特有の女体への興味と、刺さる視線が生々しい。
唾を飲み込み、二つの眼が食い入るように胸を見ていた。

同時に、少年は鬼の言葉の意味をよくよく理解したようだ。
鬼は少年の察しの良さに満足そうな表情を浮かべて。

「別にそんなことをしなくていいのだがな。」

少年が拒めば大人しく湯だけ浴びて帰るつもりであった鬼は、
湯から上がっては洗い場に腰を落とす。

「刺青だ、こっちの人間もたまにしているだろう?
それとも君は初めて見るか?」

少年には刺激が強すぎたのだろうか。
鬼の背面いっぱいに描かれた竜は力強く天へと昇っている。
白い肌だけに刺青の色が必要以上に目立ってしまう。

「触れても問題ないし、洗ってくれても落ちないぞ。」

彼は何でも興味を示すタイプのようだ。
鬼は湯気が上る後姿を曝け出し、彼にじっくりと見えてもらうことにした。

アルブム > 「イレズミ。……ううん、ぼくは初めて見ました」

紫沙希の背後から聞こえてくるのは未だ怯えの気配取れない声色。
しかしその中に、たしかに興奮の色も見え隠れしている。

「この絵はドラゴンですよね。すごく……その、かっこいいと思います。
 空に向かって渦を巻いて飛び上がってるようで。まるで夏の入道雲とか、いや、竜巻みたいな……」

少年には刺激が強い。まさにその通り。なんてったってドラゴン、自然の強さと生命力の象徴たる龍なのだから。
しかし、その龍が女体というキャンバスに描かれている図は、別の興奮をも喚起させざるを得ない。
白く美しい肌に顔料が彫り込まれているのだ。その中で龍はまるで彼女の柔肌にしっとりと寄り添っているかのよう。
多感な少年であるアルブムは、一瞬、そこに描かれた龍そのものに感情移入をしてしまう。
もし自分がこの龍だったならば。この力強い女性の背の上で這う龍だったら、どんな気持ちになるだろう――。

「………………………ほんと、です。さわっても、洗っても落ちないんですね。
 …………………すごい。イレズミって……すごいですね。どうなってるんでしょう……」

アルブムは上の空の意識のまま、いつの間にか石鹸の成分を手に纏い、両の手のひらを紫沙希の背にこすりつけていた。
入れ墨の上を恐る恐る。そして顔料がびくともしないことがわかれば、表皮を洗い清めるようにやや力を込めて。
とくに昇り龍の意匠に沿うように、何度も何度も丹念に指を這わせる。
その間、アルブムの呼吸はまるで上気したように荒く熱いものに変わっていた。体温の上昇が背後からでもわかるだろう。

「……はふ……はふ。…………かっこいいのに……キレイにも感じます……。
 ムラサキさんの背中、とっても…………」

見たことのない鬼の背中に魅了され、つい、手だけでなく身体も寄せてしまって。
背後から抱きつくようにアルブムは平たい胸をくっつけ、そのまま脇腹を洗い始めようとする。