2019/04/09 のログ
ご案内:「王都の見張り台」にさんが現れました。
> 祭りの明かりが夜の王都の街を照らし、喧騒や笑い声が絶えず響いて、
おびただしい人が無数の点となって露天や出店を行き交う。

料理人として貴族のパーティに呼ばれて腕を振るわされたり、自分の店も繁盛期を迎えていたりと、
お祭り騒ぎのあおりを多忙という形で受けた青年は
「悪い、少し休んでくる」と優秀なスタッフに厨房を預け、
無意識に祭りの喧騒から離れるように、それを俯瞰で見下ろせる高所へと訪れた。

王都の城下を一望できる、有事の際の見張り台…。
祭り騒ぎのなか、このような場所にくる物好きは、なかなかいない。

懐石で温めた、干し肉とレタスと熟成ソースが香るサンドイッチを頬張りながら、
やっと僅かな時間訪れた休息に、手すりに肘をかけて。

「ふーーーっ… お祭り騒ぎ、好きっちゃ好きなんだけど…
…毎日おはようからおやすみまでってのは、さすがにちょっと、堪えるな…」

明け方に起床、すぐに祭りの朝食作り、ランチライム、ディナー、人混みの中の買い出し、
深夜から早朝まで、お祭り騒ぎの泥酔客の相手…と、ここ数週間、ろくに寝れも休めもしていない。
疲れた様子で手すりに頬杖を付いて、眼下の喧騒をよそに、うとうとしていた。

そのまま、危なげな場所で、かすかな微睡みの中に堕ちていく…

ご案内:「王都の見張り台」からさんが去りました。