2019/04/04 のログ
■ザイヴァー > 「うむ、そうだな。今は帝国と融和ムードだが……だからこそ、気を引き締めるべきだ。
まあ、戦争は……少ないに越したことはないのも事実だが」
騎士の名誉や誇りも大切だが……結局、行きつくのは殺し合いだ。
殺し合いの中で、そんなものを抱けるのは…絶対的に鍛え上げた者だけだ。
『お、レオーネちゃん、酒飲めるようになったんだな。そりゃいいや。
ザイヴァー、今晩いい酒場に連れてけよ』
「黙れ愚剣。貴様は女と見るとすぐに……まったく」
そして、レオーネからの言葉、強い意志の宿った眼には。ふっと笑んで
「……そうか。ならいいのだが、な」
すいぃ…と、バスカードを鞘から抜き、天高い太陽にかざしつつ……
「レオーネ、気を張りすぎるなよ?酒を覚えたからといって、心の底から、休める場も必要だ」
そう言いながら。まぶしい太陽を見やる。
「俺は、少々不安だった。君が戦果を挙げる度に、いつも、何か歪さを感じたから。
何というか……天に、愛され過ぎているような、気がな。
斧を振るって、魔法を使ったわけでも無いのに、大地が割れるものか。
剣を振るって、竜巻が起こるわけなどないだろう。
槍を振って、いかずちが起こる?そんな槍が装備されたなど聞いたことがない……
何か、大きな意思の力が無ければ、起こらないことだ」
そう言いながら、鞘にバスカードを戻して。
「天に愛されるのはいい、が、愛され過ぎれば……それは、呪いも同じだ。
いつか……君に、天の激運が牙をむきそうで、俺は怖い」
そして、すくりと立ち上がる。
「君が絶え間なく努力し、その結果その地位にいるのは俺が保証する。
天運などではない、君の、努力の結果だ」
そして、手を差し伸べる。
「ふ、将軍の小言っぽかったかな?…さ、飯にでも行こうか」
■レオーネ >
「そうですね、正直此度のシェンヤンとの一連の騒動も…何か裏が在るようにすら思います」
戦争は…なくならないだろう
領土があり、それぞれに民があり、それぞれに掲げる正義と護るものあれば…なくなる道理がない
「お言葉、痛み入ります。将軍。
けれど私も第一師団を担うことを任された身、そうヤワではございません」
笑みには、こちらにも笑みで返しながら
差し向けられるその大きな手にはちょっとだけ戸惑いながら、手をとって…
この方は自分が候補生の時から知っている、数少ない…自身の本当の実力とその努力を知る人物である
その言葉は救いであると同時に、現状に甘えたままでは心配をかけ続ける…という柵にもなる
──まぁ、例えどうだったとしても、やるべきことは変わらない、天運が味方しようが、牙を剥こうが…
己に出来る最大の力で以て、迎撃する迄のこと。自分自身との戦いは常そうあれ──
「あれだけの鍛錬の後でよくお腹にものが入りますね」
並の鍛え方では食欲も失せようというものだろうに
隣に立ち、兵士達の食堂までの道すがら、他愛ない話に花を咲かせる
■ザイヴァー > 「ふ、君は強いな。レオーネ。その強さがあれば、第一師団は安泰だな」
そう軽く笑い、相手を座った状態から引き起こす。
「はは。ただの兵士とは、鍛え方が違うよ。食べれるときに食べ、寝られる時に寝る。
それも将兵の仕事さ」
そう言いながら、隣り合いレオーネと共に、食堂のある塔へと向かおう。
『そういやよレオーネちゃん。最近、ザイヴァーの不幸にも磨きがかかってるんだぜ?』
そう、バスカードがレオーネに話しかける。
『こないだ、8歳の女の子と危うく婚姻しかけたもんな』
「黙れ愚剣……思い出させるな……」
『ははは、あのくそ貴族の嫌がらせも、芸が無いよな。
少しずつ、お前への見合い話の相手の年齢下げてくなんてよ。
いつか、赤ちゃんと婚姻しちまわないか心配だぜ?』
「……」
ひっじょうに複雑な表情になるザイヴァー。その時、頭上から、何故か花瓶が振ってくる。
それを、バスカードで見事に切り払って……
「何なんだ?一体……」
と、言っていたら、ざっぱーん。と、水が振ってくる。
どうやら、塔の上で花瓶に水をやろうとしていたメイドの不注意の様だ…
びしょ濡れの、さらに複雑な表情をしたザイヴァー。そして、バスカードは大爆笑して……
■レオーネ >
「不幸に磨きが…? そ、それはなんとも…」
気さくに話す聖剣様
その不幸、とやらも噂の呪いの所為なのだろうか…等と考えを巡らせる
「は、8歳…ですか。
う、うーん…ザイヴァー将軍のお家に嫁がせたい…とする貴族の思惑もわからないではないですが…」
政略結婚など珍しいことではない、が…絵面を想像してみると、なんというか…
饒舌に言葉を話す聖剣様の言うこともあながち…いやさすがに赤子との婚姻はないだろうけれど
見目麗しい貴族の令嬢ならば、年端はいかなくとも…というのはよくあることなのだろう
それがよくあることかどうかと、実際に将軍が苦労していることは余り関係はないが
「…と、絨毯にゴミが、誰かしら、全く…」
そう言って、ザイヴァーの隣からほんの少し離れた瞬間、それは起こった
不意に降ってくる花瓶と、水
即座に察知し見事に剣で切り払うその腕は流石の一言、だったが…
「──な…、き、気をつけなさい! 手を滑らせたでは済まないわよ!?」
聖剣様は爆笑しているが、割と冗談では済まない
王国軍の将軍に水をぶっかけた、など、一介のメイドなど軽くその首が飛ぶ
そもそも、花瓶が命中していたら、普通の人間なら大怪我を負っている…
思わず厳しい言葉を失態を演じたメイドへと投げかけるレオーネ
"運良く"少しだけ距離を離していた彼女は一切水の被害を受けていないのだった
■ザイヴァー > 『ああ、しかも、8歳の女の子ってば可愛くてよ、
ザイヴァー様のお嫁様になるまで動かないもんって言って、ザイヴァーを困らせてたぜ?』
バスカードは笑い話にしているが、実際に駄々をこねられたザイヴァーにとったらたまった物ではない。
確かに、政略結婚も仕方なしとは思うが……
最悪でも、12歳以上にしてほしいものだ。と思っている。
それに……
「ふん、子供をだしにして、俺を困らせる性根が気に入らない。
あの子は、純粋に俺を好いていたが……婚姻しても、きっと将来後悔するだけだ。
あの子には、もっとふさわしい年代の男がふさわしいよ」
悪意ある政略結婚させられた女児の心がいかほどに傷つくか…考えるだけで痛ましい。
そして、花瓶と水の落下事件が発生。
「……」
ここでメイドを断罪するのは簡単だし、誰も咎めないとは思うが……
断罪したところで、服が渇くのが早くなるわけではない
「はぁ。次はないぞ、さっさと花瓶を片付けろ」
そう言って……メイドに花瓶を片付けさせつつ……
「はは、まあ。訓練の後で、水浴びする手間が省けたよ」
なんて、軽く笑えば……
『んー、ザイヴァー。いっそのこと、レオーネちゃんと引っ付けよ!
レオーネちゃんの幸運、少し分けてもらえば、多少マシになるんじゃね?」
なんて、バスカードがおふざけ半分、だが、何故か真剣さも混じった声で言って……
■レオーネ >
平謝りから、慌てて花瓶を片付けはじめるメイド達
そのうちの一人に何か拭くものを、と指示し、盛ってこさせる
「手間が省けたなどと…はぁ、彼女たちにとっては不幸中の幸いでしょう。
王国軍、その第一師団きっての将軍に水をかけたなど、手打ちにされても文句は言えないのですから…」
やがてメイドから手渡された上等なタオルを、ザイヴァーへと手渡して…
「いけませんよ聖剣様。
そもそも、私に本当にそのような天運がついているのかなど怪しいものです」
まぁ、たまたまと言えるレベルでないのは自分でもわかっているのだけれど
あれを果たして幸運と呼んで良いのか、といえばそれはレオーネにとっては疑わしいものだった
「歴戦の将軍であるカイゼル卿にはもっと素晴らしい女性が現れるはず。
ふふ、先程の話を聞いても、その八歳の女の子には随分と好かれていたようですし…。
私も私で、今は色に浮ついているほどの余裕はありませんからね」
苦笑を浮かべながら、そう言葉を返した
無論興味がないわけではない、女性としても脂の乗った年齢である
しかしどうあっても今の彼女には責任感や立場といったものが優先されるようであった
■ザイヴァー > 上質なタオルで、顔を拭きながら、レオーネの言葉を聞くザイヴァー。
『はは、だってよー。ザイヴァーってば、振られちまったなぁ』
「黙れ、愚剣。いきなり何を言うかと思えば……まったく」
『ま、ザイヴァーの不幸は今に始まったことじゃねぇし、しゃーねーから付き合ってやるよ』
なんて、軽口をたたきあいながらも。
聖剣の魔力が、レオーネの頭に語り掛けてくる
『まーよぉ。レオーネちゃん。たまにでいいから、こいつと酒飲みにいってくんねぇか?
覚えたての酒で悪いけどよ……何て言うか、さ。女と飲む酒って、男は美味いらしいじゃねぇか?
俺は剣だからわかんねぇけど……こいつの人生、戦場で散るまで死ぬことが許させないんだ。
たぶん、寄り添う女が必要なんだと思う……それになれ何て言わねぇからさ。
一緒に酒を飲んで、その間だけ、寄り添ってやってほしい……』
なんて、伝えてくる。
「どうした?愚剣。急に黙って」
『ん?レオーネちゃんに見とれてたんだよ言わせんな恥ずかしい』
「はぁ……まったく」
『俺がこう伝えたのは内緒だぜ?だって……恥ずかしいじゃねぇか。
おれが、こいつをマスターだって認てる……それが分かっちまうなんて』
「さあ、食堂はすぐそこだ。今日は……ほう、グレートブッファローのフライがあるな」
『おいおい、そんな重いもん食うのかよ。太るぜ?』
そう、声で軽口をたたきながらも、レオーネの脳には、真摯な声が響くだろう……
■レオーネ >
凸凹コンビ、というのはこういうものをいうんだろうなぁ、なんて二人のやりとりを眺めながら
ふと、頭の中に声が響く
それは愚剣などと呼ばれながらも自身のマスターであるザイヴァーを心から憂慮する言葉
呪わしき運命の渦中にあるその男へ、自身を振るう主である男への、せめてもの救いを求める言葉だろう
その声にどう言葉を返すべきかはわからない、けれどその真摯な想いは伝わってくる
無論、彼のことを一人の将軍として、先達として敬意を表する以上それを無碍になどはできないし、するつもりもない
頭の中に直接響く声に語り返すすべを持たぬレオーネは、ただ小さな微笑みとしてその答えを返す───
「聖剣様もお上手ですね」
そんなバスカードの想いを汲めるべくもない当の使い手
互いに人の姿であれば、きっと良い戦友だったのだろう…そう感じる
「ふふ、ザイヴァー将軍に限って太るなんて不摂生はありえないでしょう?
私もデスクワークの前に、少しだけ腹にものを入れておくことにしましょうか───」
■ザイヴァー > 「ふ、当たり前だよ。むしろ、これくらいエネルギッシュな物を食べなければ、体が持たない」
何て言って、軽く笑うザイヴァー。
食堂内では、へとへとに疲れているザイヴァー配下の兵士や、そのほかの師団の兵士たちが食事をしているだろう。
そして、へとへとに疲れた配下の兵士たちは、ザイヴァーを見て、びくりとした後に背筋を伸ばし、食事をとる。
食事もまた修行……それをザイヴァーは常々言っているからか……
その後、ザイヴァーはフライを三人前ほど平らげ、午後の活力とするだろう。
その夜、二人が酒の席に向かったかどうか。
それを知るのは、聖剣のみであって……
ご案内:「王城・訓練所」からレオーネさんが去りました。
ご案内:「王城・訓練所」からザイヴァーさんが去りました。