2019/03/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 路地裏」にジードさんが現れました。
■ジード > 貧民地区の路地裏の一つ。大通りの裏側に位置するちょっとした裏道に、
ふらりと一人の男が無造作に姿を現す。路地の中でも少し広くなった場所を探し当て陣取り、
手にしたカバンを地面に置く。すると機械仕掛けの玩具の様に
パタンパタンとカバンが開いて大小二つの陳列棚を持つ小さな露店が姿を現した。
棚の上に薬瓶やアクセサリーなど商品を陳列し店としての体裁を整えれば胡坐をかいて店の奥に座り込む。
「よし、それじゃあ開店だ。場所の選択が間違って無きゃいいが」
露天の常として場所選びが悪ければ商品以前に目に留まらないのはよくある事である。
若干不安を感じながらも時折人の流れる道行を眺め。
■ジード > 時折訪れる人影は娼婦が中心である。
媚薬や体調を整えるための薬などは偶に売れるものの
メインの商材と見込んだ代物はとんと売れない有様である。
アクセサリやら高額の媚薬の類やら、ここを好んで通る様な客には受けが良いのだが
残念ながら今日はそれを買い付ける客が通らない。
その様子に息を吐き出しながら頬杖をついて本格的に人気の消え始めた通りを眺め。
「娼婦はお得意様っちゃお得意様だけど…な。
世間話でだいたい終わっちゃうのが困りもんだ」
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 路地裏」にヴィオラさんが現れました。
■ヴィオラ > 「このような場所で客が来るのか」
そう声を掛けたのは漆黒のドレスに身を包んだ長身の女である。
男に対して斜めに立ち、路地裏をざっと眺めてから。
「大通りの方が良いのではないか?」
言ってはみても商売の事など毛ほどにもわからぬ。
ただの興味本位で質問を投げかけ、その隣の壁に背をつける。
元より何か欲するものがあったわけでもない。
知った顔があったので、声を掛けたまで。
■ジード > 「――おや、ヴィオラじゃないか。久しぶり、というほどじゃないか?
こういう所を好んで通る人間も居るのさ。
あんまり人目につきたがらない奴らとか、さ」
そういうのを狙ってるんだと笑いながら言いおいて軽く肩を揺らしてみせる。
そのまま相手に視線を向けながら、軽く頬杖をついて小首を傾けながらからかうように問いかけ。
「そっちこそまたこんな所でどうしたんだ?
あんまり出歩くと危ないというか、面倒事に巻き込まれるかもよ」
■ヴィオラ > 「わらわにとってはあっという間だ。目新しいものが多くてな。
なるほど、心当たりがないでもないな?」
己の身の上を考えて、そういえば目の前の男もそうかと思い出す。
確証を得ていた訳ではないが、あえて得るものでもないそれ。
からかうような問いかけには、やはりあちらが……と大通りの方へ視線をやりつつ。
「アブナイという言葉は初耳だな。興味深い。
――面倒事の一つや二つならば暇が潰れてよい。
しかし客の一人もいないというのは困るだろう」
わらわが力になってやろう、と隣に座り込んで怪しげな目つきで見つめた。
■ジード > 「それは案内したかいがあったってものだよ。
…ま、俺達みたいなのとかは特にね」
クツクツと喉を鳴らしてうなずいて見せながらも、
相手の言葉には肩をすくめて言い返す。
面倒事を暇つぶしといい切る様子に笑いを噛み殺して見せながらも、
隣に座り込んだ女を横目に見れば軽く肩を抱き寄せようと手を伸ばせ。
「へえ?それじゃあお客さん、何がご所望かな?用意できるものなら何なりと」
■ヴィオラ > 「うむ、満喫しておる。礼を言っておこう」
言葉通り、ほのかに満足げな表情で頷きを返す。
それから軽く肩を抱き寄せられればニヤリと唇の端が釣り上がったのは一瞬。
どこか節をつけた口調で語り始めるのだ。
「それが、恥ずかしながら私の夫のためなのです。
いくら奮い立たせようとも、わたくしの体を見て溜息を吐くばかりで。
もはやわたくしのプライドは襤褸のように擦り切れて……」
放っておけばいくらでも語りそうな雰囲気で言えば、
「何か、彼を奮い立たせるものは、ございません?」
しなを作ってみて、これは無しだなとすぐに居住まいを正した。
■ジード > 「それは大変だ、では殿方が元気になるようなクスリをすぐにご用意しましょうかね?」
クスクスと相手の芝居がかった様子を見て笑いながらも言い放てば、
そっと耳たぶを食むように唇で触れながらゆっくりと背を撫でて見せる。
そのまま、ひょいと相手の目の前に赤い液体の入った瓶を取り出し。
「さて、ここに取り出したるは精力を高める目的で作った霊薬だ。
試してみる気はあるかな?」
にんまりと笑って顔を覗き込みながら言い放てば、ゆっくりと目を細め。
■ヴィオラ > 「きゃ」
耳たぶに唇が触れればか細い驚きの声が上がった。
わずかに頬を染め、目をきつく細めながらも半笑いでその台詞を受ける。
取り出された薬瓶を拝むように手を組み。
「まあ、そちらがあの噂の……あー、霊薬なのですね。
試させて頂けるのでしたらもちろん」
そうして顔を突き合わせていると、いくらか視線を集めたのを肌で感じ取った。
■ジード > 「さて、それならこんな湿気た場所では勿体無いかな。
近くにいい場所があるんだけどいかがです?」
白々しく言い放ちながらお誘いをかけつつ、
周囲に見せつけるように臀部を軽く鷲掴みにしてみせる。
そのまま促すように体を揺らして見せながら喉を鳴らし。
■ヴィオラ > 「ええ、彼の溜息が止まるのでしたら是非に」
下手な量を盛れば息の根も止まるのだろうな、とは赤い色を一瞥しての心中。
立ち上がろうとすれば臀部を鷲掴みにされ、一瞬だけ動きが止まった。
「んあっ、こ、これ……っ」
これではただ商売人に毒牙にかけられる女である。客寄せにはなるまい。
まあ、それでもよいか、と特に気にするでもなくいささか甘く鼻を鳴らし。
そのままくつくつと笑い返して密かに頷いたのだった。
■ジード > 「では、こちらへどうぞ?」
是非効果を試してみてくださいなどといけしゃあしゃあと言い放ちながら、
その場を連れだって立ち上がれば後にしていくことになるのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 路地裏」からヴィオラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 路地裏」からジードさんが去りました。