2019/03/06 のログ
■シェラ > (貧民地区路地裏――ならず者の跋扈するその地域に複数の影が重なっていた。路地裏の奥の奥、人気の少ないその場所にて重なり合い、その上で響く媚びるような甘い女の声、そして周囲に漂う性臭、ともなればそこで何が起きているかは容易に想像できるか。
ここは女が生きるには厳しい国。多くの魔の手がその身体を食い物にしようと伸ばされる魔境なのだから。
・・・けれど、もしあなたが興味を抱き、その路地裏の声の元へと赴いたのならばそこに映る光景はきっと想像とは違うものであるのだろう。
きっと想像されたのは女が、男に犯されている。そんな光景であることか。けれど、真実はそうではなかった。むしろ、その逆である。
男が女を組み敷いていた、ではなく。女が男を組み敷いて。
女が男にレイプされている。ではなく、男が女に逆レイプされていて。
女が犯され、孕まされている、ではなく。男が精を搾り取られていた。
そこにあった光景は、シスター服を身にまとった複数の女性が、ある者は男を押し倒し、手首を握り、その身体の上に跨って、恍惚とした顔と声を浮かばせて。
またある者は、押し倒した男に胸を押し付け、その肌に、その顔に つー・・・、と舌を滑らせて唾液の痕をつけてマーキングをして。
それぞれが思い思いの行動で男達を犯していて。
それは、とある邪教を信仰する教団による つまみぐい の光景。その所属する信者の多くが淫魔・悪魔の属性を持つ女性で構成されているその教団にとって、若く、精気の滾る男、というのは絶好のおやつであって、清純な乙女を装い、男を誘い、こうして人目の少ない路地裏でその おやつ の味を堪能していた。
人目は少ない、とはいえど彼女らが撒き散らす媚香は近くを通るものを誘うだろう。それはさながらアリジゴク。聞くだけなら天国かもしれないが、実際に味わうとなれば果たしてそれは本当に天国といえるのかどうか。時折響く、男達の苦しげな苦悶の声が悲しく、小さく響き渡る夜、少女達のおやつの時間は続いていく・・・。)
ご案内:「貧民地区 路地裏」に断さんが現れました。
■断 > (貧民街の路地裏地区は、其処を住処としているわけでもなく、
横切らねばならない用事にとらわれてしまえば、老若男女問わず足早に駆け抜けてしまいたい一角であった。
貧乏人から富裕層まで、自らの財と腕の為せる限りの範囲で食事を振る舞う、
青年料理人だとしてもそれは例外でなく……
本日はこの区画でしか取引をしない行商から、希少なハーブや果実を受取引した帰りだった。
地理に詳しくない者が、近道のつもりで路地裏を抜けようなどと考えるものではなく、
1~2分で横切れると思ったその路地裏で、
曲がり角を間違え、行き止まりに出くわし、もと来た場所に舞い戻り…と、かれこれ15分はさまよっている。)
「くそ…っ…喉、乾いたな…。 一口くらい、いいだろ…」
(と、甘酸っぱくみずみずしい果実を一口。
若干の媚薬の成分や発汗の作用もあるが、生成したり、干さなければ大した効果でもないので、
兎にも角にも、水分補給と甘味で頭を落ち着けたいが故の、つまみ食いであった。)
そして、遠い歓楽街の喧騒も聞こえぬ路地裏に、何やら聞こえる人の声…。
心身の危機に迫られた女性の絶叫だとか、命のやり取りとは異なる、
囁きのような、クスクス笑うような声のする方向へと道を変えれば…)
「おっ…と…? ええ、と、これは…っ?
…失礼、ちょっと道を聞いても……」
(路地裏で行われる饗宴の、一番外周に出くわす。
幾人ものシスター服の女性が壁となって、いるため、その中央…中心では何が行われているのか、暗さもあって、青年には未だ把握はできない。
ただ、振り返ったであろう彼女たちから香る、媚香、漏れる嬌声、
そして、微かに人並みの間に見えた、人が人を組み敷く様子に、
ワインレッドの目が見開かれる。)
「な…っ…これ、は… ……お邪魔?」
(冷や汗に、僅かに、媚の果実の香気を宿す青年が、
新たにその場に足を踏み入れてしまった。)
■シェラ > (――見られたら、見られたで構わない。 だって、私達何も悪いことはしていませんもの。何を隠すことがありましょうや?
だって、こんなに気持ちよくて、愉しいことなんですもの。 きっと、我らが母も祝福してくれますわ。
そんな事を笑顔でのたまって、つまみ食いを始めた邪教団。一応、自警団やら騎士団やら、この国を守る、という目的を掲げている一団に見つかると色々面倒くさいので・・・ちょっと隠れるようにしてこんな場所で食事を始めたのだけれど、そういう相手じゃないのならば別に見られたって構わない。
えぇ、だって・・・何も悪いことではありませんもの。
で、あるが為に周囲を遮るようにシスター服の女性は数は少ないだろう。ただ、未だ力と地位が弱く、男を捕まえるに至っていなかったり、まだ中心の少女達程道徳を捨てられていない少女達が手持ち無沙汰に彷徨っているくらいである。
そして、そんな彼女たちに声をかけたのなら)
「あら、まぁ・・・。」 「いえ、お邪魔などではありませんよ。よくいらっしゃいました・・・♥ 」 「「お兄ちゃん、私達の所に遊びに来てくれたのー?」
(不運な遭難者たる彼に向けられるのは複数の好色な視線と、甘ったるい女の声。そこは町中に突如発生した悪魔の巣・・・。
――動揺する彼を尻目に新たな おやつ を見つけたシスター達は楽しげに笑い、彼をその巣の中に引きずり込もうとするだろう。
そして、動揺する彼の後ろから響くのは コツン、という石の床を踏むブーツの音・・・。)
■断 > (見るからに、人々を肉片に食いちぎる魔物の群れだとか、
或いは…青年の下心として、集団の屈強な男性が乙女を嬲っている現場ならば、
あるいは一目散に逃げの一手をうつなり、腕に物を言わせた対応に変わっていたのかもしれない。
けれども、徐々に暗闇に目が慣れた頃に瞳に映るのは、嬲りものにされる立場が全く逆転した光景で、
思考が追いつかなかったのは、その光景の凄まじさと驚き……
そして、蟻地獄や、食中の花々が餌の虫をおびき出すような香気に青年が誘われ、
……これもまた、幸か不幸か、精気に満ちた心身が、
手持ち無沙汰にさまよう少女たちの視線や肢体や色香に、
確かに惹かれてしまったため。)
「いや、その…場所が場所なら、天国なわけだけど…
コイツはさすがに…って…」
女性が好き、少女も好き、大勢ともなれば、オトコの夢。
冗談半分と、正直な感想を混ぜ込んだ言葉を吐きつつ、
その、捕食者のような少女たちの笑みや声色…そして、
路地裏の奥まで続く人並みの集団に、さすがにゴクリと生唾を飲んで。
半歩後ずさったとき、 後ろから聞こえたブーツの音と、背中に感じた柔らかな…それも複数の感触に、振り返るまでもなく本能的に察した
「あぁ…まずい… つかまった…」
と。
じりじりと外周で手持ち無沙汰だった少女達がにじりよって輪を作る。
身を寄せられれば、薄手のコックコートからは、汗ばんだ香気。
わずかにたじろぎながらも、黒のパンツの下腹部は、熱をもって膨らみと高ぶりを見せていて…。
触れ合うほど目の前に、少女の一人でも歩みだしてこられれば、
制する…よりは、迎え入れるような腕で抱きとめてしまうだろう。
■シェラ > (――こつり、こつりと床を踏む音が青年の背後より響くだろう。ぽよん、と柔らかなその胸を押し付けるようにして、青年を背後から抱きしめるようにして一人の少女が青年に接触を図る。
・・・それと同時に、大司教様、という声がかけられる。 それを聞けば察するか。今、彼の後ろから接触を図った女こそ、この教団の大司教。そのトップに君臨する女であると。)
――どちら様かは存じませんが。折角ここまで足を運んでくださったのですもの。
これも縁。折角の縁ですもの。
少しばかり、私達と遊んでいきませんこと・・・?
(少女の声が彼の耳に届くだろう。甘く、可愛らしい少女の声とともに、はぁ・・・っ、と吐かれる吐息は男を誘惑するような媚香がぎゅっと詰められていて、それが鼻先に届けばつん、とした刺激と共に男を誘惑するだろう。
それと同時に与えられるのは彼を服越しとはいえ、ぺたぺたと誘うように触れる女の柔らかな手。むにゅっ、と押し付けられる柔らかな双丘。
そして、男の目の前には情に濡れた目を男に向ける複数のシスター達。更にその先からは大胆に下半身を露出し、ぱつん、ぱちゅん、と男の逸物に尻を叩きつけるようにして精を絞り上げるシスターの姿も見えて、映像と、五感と、全てを持って男を色欲の渦の中に引きずり込もうとするだろう。)
――緊張していらっしゃる? いいんですよ、気を楽にして。何も取って食おう、というわけではないのです。ただ私達はあなたと一緒にお話して、愉しく宴を開こう、というだけなのです。ほら、何も怖いことはないでしょう?
(男の緊張をほぐそうとするのか、さわさわとその肌を少女の手が滑る。性感帯、と呼べるような所にふれるわけではなく、二の腕や肩、手の平といった部分をマッサージするように手を滑らせ、むにむにと揉むように触れて、男を誘う。ほら、気を楽にして・・・何も怖いことはないのです・・・。)
ほら・・・あなたの ココ も、辛そうではないですか。ぷくぷくと膨らんで。今にもその欲望を解き放ちたいのではないですか?
――いいんですよ、我慢せずとも。我らが母はそれを許して下さいます。 あなたが求めるなら・・・ほら、あの子達のように私達を求めてくださっていいのですよ。
あなたの好みはどの子ですか? 胸が大きくて、優しい子が良いですか? それとも快活なその子が良いですか? それとも―― 私、が良いですか?
えぇ、好きな子を選んで良いのですよ。我らが母も、私達もそれを許します。
さぁ、あなたの求める侭に・・・共に、一夜の夢に溺れましょう・・・?
(男の耳元に、少女の誘惑する声が囁かれる。欲望を開放しろ、と。共に溺れよう、と。 あなたがその誘惑に負けるのならば、少女達は宣言通り彼の求めに応じるだろう。
――さぁ、あなたの好みは ど の 子 ? )
■断 > ―――大、司教……?
(周囲から漏れる呼び名は、青年の背後から絡みついてきた、
膨よかな感触、細腕、甘い声の女に向けられたもので、恐る恐る振り返る。
青年の銀髪と、艷やかな黒髪がふれあい、紅と赤の視線が交わる)
――あ、あぁ、ぅ、…くそ、夢でも、見てんのか、こりゃ…
(暗闇、女の声、無数の視線、微かな笑い声と、肉と肉と濡れる音。
どれもが、青年の五感や思考や、常識すらも狂わせて、
壁によりかかれるものなら、どさりと身を預けてしまいたい…
しかし、それすらも今は、背後から甘くささやく声の主にとらわれて、全体重など預けられない。
引き締まった腕や肩から、身体も、心も解すように触れられて、
触れているだけでもわかるほど、何かに酔ったように強張りが弛緩していく。
軟弱そうには見えない男の顔も、緩んでしまいそうになるのを、
なんとか保っているようで、触れられるたびに汗がつぅ…と肌を滴る。
視線はすっかり、宴に参加するかの是非を迷っているのではなく、
囁かれ、促された少女達を、ひとりひとり見つめていくものとなっており、
乳房の豊かな娘、快活そうな娘、奥にいるあどけない少女、同い年ほどの婦人…
選べと言われれば、十人ではきかぬその数に圧倒されながら)
―――あ、あぁ、困ったな…っ…こりゃ…
こんなに、どの子も素敵じゃ…選びきれない…
全員と、なんてのは…? もちろん、一番目は…
(貴女だ、とでもいうように、背後から触れられたまま、
後手にその指に、男の指を絡めて答える。
媚香に酔わされたからか、女の蠱惑の声にからめとられたか、男がもともと好色か、そのどれもか…
受け入れた男は、未だ全容が見えぬ異教の娘たちの、今宵ここにいる全員と楽しみたい、と口にした。
奥の方で、見せつけるように犯してくるシスターにも、手持ち無沙汰で外周にいた少女にも、第一希望とした背後の…大司教と呼ばれる女の誘惑にも、
どれにも魅了されてしまったかのように。)
―――「一夜の夢」のお相手を、全員……あんたも含めて、
顔もカラダも、見て…おきたく、て、ね…っ…っつぁ…。
(直接、性器や敏感な部位に触れられたわけでもないのに、
声色や視線だけで片目を瞑ってしまうほどの、全方位の色香。
歯を食いしばって、言葉をひねり出す。)
■シェラ > (優しげに、年下の男の子を諭すように微笑まれたその顔は、色欲の宴に飲まれつつあるこの場においてはどこか異質なものに感じられるか。
ふわり、と浮かぶ花のような笑顔は確かに綺麗なものであったかもしれないが・・・どこか食虫植物のような危険さ、あざとさも感じられるだろう。)
えぇ、そうですよ・・・これは夢。一夜の幻。
だから・・・ね?欲に身を任せてもいいのです。生まれ落ちからには好きなことをして生きないともったいないでしょう?
我らが母もそんな事を望んでいないでしょう。きっとあなたが幸せになって、好きに生きることを望んでいるはず。
だから、ほら・・・あなたのしたいこと、していいんですよ・・・?
(さぁ、おいでおいで。
そのこわばった力を抜いて、甘く蕩けるような夢の世界。欲望の侭に、快楽の中に蕩けましょう。好きなことをして、好きなように生きる。それになんの間違いがあるでしょう。
さぁ、その自分を律する理性の枷を外して、こちらへいらっしゃいな。
堕落 多いに結構!己が求める所を求めて何が悪いというのでしょう・・・?
いつまでもそうして自分を律していては疲れてしまうでしょう?さぁ、心も身体も楽にして。私達と共に踊りましょう・・・?
――むにむに、と男をマッサージするようにその肌を、筋肉を揉みほぐす。それは身体だけに飽き足らず、その囁く声でもって心すら揉みほぐすだろう。
きっと、最初は警戒していた男の心もいつしかどの娘を選ぶか品定めする目へと変える。
受け入れるか、逃げるか、ですらなくその心は最早誰を選ぶか、というものに変じているだろう。)
あら、まぁ・・・うふふ。欲張りな方。
でも、えぇ・・・好きですよ、そういう方。
どうかあなたの心の内・・・もっと曝け出してくださいな・・・?
(指を唐突に絡められつつ、指名されればほんのり恥ずかしそうに頬を紅潮させながら照れくさそうに微笑むだろう。
このときばかりはその外見相応に、可愛らしい少女のように見えただろうか。
・・・きっと、表の世界。彼が生きる世界であれば、全員と楽しみたい、なんて言えば非難を受けてしまうかもしれない。
けれど、ここではそうではない。誰もがあなたとの一夜の夢を望んでいる。で、あれば皆を求められれば皆が嬉しそうに応えるだろう。
一人、二人とあなたの元に近寄って、腕を絡め、胸を擦り寄せ、誰もがあなたを誘惑するように。
それは一種のハーレム、と呼ぶべきものであって、男の夢を体現したものであるか。 ――それらの全ての正体が、悪魔でなければ。)
全員を求めたからには約束ですよ。
――ちゃんと、皆を満足させてくださいね?ちゃんと、皆に注いでくださいね? 守ってくれないと・・・ひどい、ですよ?
(あなたが求めたのはあなたを囲う全てのシスターとの交尾だ。で、あるならばそれら全てを満足させるのが男との契約である。ならば、全員が満足するまで寝かせない。帰してあげない。それが――約束ですよ? ちゃんと、守って・・・ください、ね?)
ふふ・・・じゃあそろそろ、始めましょうか。まずは苦しそうにしてるあなたの魔羅、開放してあげないと・・・いけません、ね?
(服の下、はちきれんばかりに膨らんだ男の魔羅を背中から大司教の少女は手を回して、その竿の部分をつーっ・・・と指でなぞるようにして刺激しよう。焦らすようにして撫であげ、刺激をして。 されど、決して爆発させるようなことはさせず。
少女が数度、彼のモノを焦らすように、イタズラするように、なで上げた後、信者の少女が一人、彼の前に跪くだろう。
そして、怒張した彼のモノを押さえつけるそのズボン。そのチャックの部分を咥えて、ジー・・・と音を立ててずりおろそうとして。
その目は色欲に濡れて、チャックをおろした先、顕になるだろう彼のモノに期待を高めているように思えて。)
■断 > (頭がきちんと働いていたなら、或いはその美しさの奥底にある妖しさに気づけたのだろうか、
一つ一つ理性という、人として生きる上で心を保つ膜を、優しく剥ぎ取られていくようで)
あ、ぅあ…っ あ、あぁ、人一倍、
欲張りで、食いしん坊なモンで……それでここまで、やってこれたんでね
(強がるように、ニッと歯を見せて嗤いながら、その言葉も行動も、
溶かされていく心は大司教の女と、周囲の少女達の思うままに。
あどけなさ…というのとは異質だが、一瞬見えた染まった頬とはにかみに、驚いたように目を開き……
願望を受け入れられたぶん、青年も受け入れるように、絡めた指を強く握る。
彼女から受ける愛撫のお返しとばかりに、握る手に強弱をつけたり、
背後を見るように首を傾けて語る。)
ああ…普通の女と、普通にするのも好きだけど……
普通じゃない、激しいの、や…身も、心も、狂うような、
夜の過ごし方も…好きだ。
(この場から逃げ出さず、惹きつけられたのは、紛れもなく男の心に巣食う欲望の所為。
徐々に自分をいざない、触れ合ってくる少女達を、一回り逞しい腕が抱き、触れ、撫で、愛撫していく。
そんな彼女たちに押し流されてしまったのか、
或いは、青年が、全員を相手にすると決めて無意識にそちらへ誘導したのか、触れ合ったまま、お互いをまさぐりあったまま、
そこから数歩の距離の、路地裏の一角…袋小路になっているところに、シスター服の集団と青年はなだれこんでいく。
先程の狭い路地よりは、多くの少女と触れ、多くの少女と見つめあえるから。
さながら、ハーレムの中枢か、乱交の中心にうってつけの場所で)
ああ、いいとも……ただし、そっちも…多少は、覚悟してなよ?
…俺が満足っていうのは、なかなか……
(少女に解き放たれた青年の魔羅は、少なくとも、
彼女たちが路地裏で今日味わった哀れな男性たちより、ひとまわりふたまわりも逞しく…
もし、精気というものが測れるならば、生身の人としては破格の、
精気と、牡の香りに満ち満ちていて。
湯気が見えるほどのそれが少女たちの視線の先にまろび出れば、
羞恥などという可愛らしいものではなく、高ぶりで、ビクンとソレはさらに反り返る。)
―――じゃあ……一緒に、たのしませて…くれ…
前後に、左右に、群がる少女たちの視線と熱を感じながら、
寄り付いてきた少女を片端から抱きとめて、頬や首筋を撫でたり、
その乳房や尻肉を、形を確かめるように撫で回したり、
届く範囲に顔が寄せられれば、額や頬や唇に口づけていく。
一人ひとりを雑に、とっかえひっかえ、使い捨てではなく、
むしろ、彼女たちがこぞって集会して入れ替わり、
愛撫する対象の回転率が上がっているようで……
未だに少女たちの、総数はつかめない。
それでも臆すどころか、それだけ興奮するように、
魔羅を開放した少女の眼前で、その猛りはビグン、と熱を持ち、彼女たちを待ち構えている。
■シェラ > (少女達が信仰する女神、その教団のあり方というのはこの国では邪教、邪神、と呼ばれる類のもの。その教本はといえば禁書とされるレベルの代物である。
そんな教団の者達がまともであるはずもなく、人が人らしくある為の理性という名の枷。それをひとつひとつこじ開けていき、男を人から獣へと堕とすように、少女達は誘いをかけていく。それこそが、本来のあり方、正しいあり方だと諭すように、誘惑し、堕落を誘う。)
・・・ふふ。
(にぎにぎと手を握られれば少しだけ嬉しそうに微笑みを見せ続ける。 ・・・この大司教、と呼ばれる悪魔は攻めてる内はイケイケであるけれど、その逆。受け手となるとひどく脆いタイプの女である。その片鱗がちらり、と垣間見えたか。ちょっと手を握られただけで、つい嬉しそうに笑ってしまう、そんな初心な少女らしさは未だ捨てきれずにいた。
そして、いつしか自然と少女と男達のグループは流されるようにして袋小路へたどり着く。
その後に、男の魔羅を ぼろん、と解き放てばその強さ、たくましさ・・・そして、それが放つ熱と精気にシスター達はきらきらと目を輝かせることだろう。これは紛れもなく、ご馳走で、極上の獲物――。
そうして差し出されたご馳走に対し、シスター達ははしたなくも獣のようにだらん、と舌を垂らし はー、はー・・・♥ と、発情した吐息を零す。その吐息は男の魔羅が放つ濃厚な雄の匂いと絡み合い、その吐息で男の魔羅をぴくぴくと柔く刺激するか。女が放つのは濃厚な雌の匂い。それを男の魔羅に吹き付けて、自分の匂いを覚えさせようとするかのようにマーキングをして。
そして、男のファスナーをおろしたシスターが我慢できなくなったかのように男の亀頭に吸い付くだろう。唾液を塗り込み、舌を包ませて、その上で奥に潜む男の精を吸い上げるかのように、ずぞぞぞぞっ、と音を立てて男のモノに奉仕しよう。
更にそれに遅れること数秒、男の竿にはもう一つの刺激が与えられる。もうひとりのシスターによって竿に舌が這う。頬を肉棒に擦り付けるようにしながら、れろ、と舌を伸ばし、舐めあげて男のモノに自分の唾液を塗り込み、刺激を与えていくだろう。
ほぼ同時に、二箇所から与えられる刺激。吸い上げるモノと、舐め上げるもの。全く違うリズムと感触で与えられる奉仕は、男の神経をゾクゾクと快楽で染め上げていくことか。
また、二人の女が自分の肉棒に吸い付く、という光景は男の視覚も楽しませることだろう。まるで取り合いでもするかのように互いに頬を擦り付けあいながら奉仕する女。その光景は圧巻か。
――そして、彼の元に集った女は彼女らだけではない。にぎにぎと彼の手を握る大司教たる少女もその一人で。)
ふふ、お楽しみの所申し訳ないですけど・・・後ろ、向いてくださる?
(そう囁いて、彼がそれに応じてくれたのならば、するりと手を抜いて、彼の頬へと手を伸ばし、背伸びをしながら彼の唇を奪うだろう。ちゅっ、ちゅっ、と触れるだけの優しいキスを2度。その後に、するりと舌を差し込んで彼の唾液と舌を求める激しいキスを始めようか。
熱を持った吐息と共に差し込まれる舌は、慣れた様子で彼の口内を蹂躙し、その上で彼の舌を捉えようと伸ばされることか。
・・・なお、後ろから口づけするにあたり問題になるのは身長差である。ぷるぷると背伸びしながら縋るように抱きつくその姿は少し大司教としての威厳に欠けるかもしれない。)
■断 > (徐々に、徐々に、理性と自尊と自制の心も、手段もとろかされて、
これが、これこそが、当然の事なのではないかという錯覚を、
今の青年は錯覚とすら思わず、新たな発見とすら感じるだろう。
彼女たちを受け入れ、受け入れられ、この宴の一部となって溶け合うことを選んだのは、
堕落したのではなく、その入口に立ったに過ぎない。)
う、ぁ…、ふ、う。
あんま、そんな目で見られると……見られただけで、吐き出しちまうよ…
アンタにも、そんな可愛い貌…されると…、ん…っ…ッ
(視線は、まるで柔らかな棒で小突かれているかのように魔羅の隅々まで無数に絡みつき、
吐息は、間近なものから遠い者まで、ひとりひとりの息遣いや熱、ニオイまで浴びせられているよう。
無数の淫らな吐息に燻された魔羅は、雄と雌の香りが染み込んで、
男と女が交わる準備を終えた濃密な化身となってそびえたつ。
そこに、吸い立てられた亀頭は、果実のようにぬらぬらと唾液で照り、
もうひとりが加えた竿への舌の刺激で、二箇所から粘膜の刺激を受け、
青年が思わず、その刺激と快楽で半身を前にかがませた。
そのタイミングで誘われた、背後の女のお強請りとキス。
はじめは、唇はこじ開けられて、舌は一方的に、彼女の舌先に転がされ、巻かれ、弄ばれるだけだった。
それをトロン、としてきた表情で受けた後、
傍目からは、一所懸命に背筋を伸ばしている大司教の御姿に気づけば、
その瞳は、一方的に舐め尽くされ、味わわれる獲物のような甘い濁りと、
牡として惹かれた雌に迫る、別腹の意思と感情を見せて)
まいったな、
なぁ…
(なぁ、と声をかけた先は、今なお濃密に口で交わる大司教にでもあり、
周囲の、彼女に傅く少女たちにでも合って)
あんたたちにとっては、その…
…大司教…様? のことをよ…
カワイイ、なんて想っちゃあ、不敬だったり…するのかい?
(と、繋いだ手を、傷まないよう優しく上に引っ張り上げ、
魔羅に愛撫と奉仕をほどこす少女たちの頭を2度ずつなでた後、
上半身だけひねって、大司教の腰にも手を回し、抱き寄せる。
すると、唇と唇、舌と舌の密着もより深く、強まって。
自分が少し屈んで高さを合わせながら、彼女と、周囲に尋ねた。
ひとりの男性として、ひとりの女性に惹かれてしまったと。)
……あんた、名前は?
俺は、断。
欲張りで、食いしん坊な、料理人やってる…。
(と、悪魔や淫魔…と看過しているのかは、定かではない。
しかし、そうではないかと疑うようなタイミングでの、自己紹介。
なぜならば、そのたぐいの存在に、自らの真名や素性を明かすことは、
…それこそ、枯れ果てるまで全てを絞られるリスクを考えれば、
自殺行為に等しい捧げ物。
男の濡れた目は、まるでそれでも構わないと言っているかのように細まって。
大司教が言葉を紡ごうとするまで…否、紡ごうとしても、唇が離れれば、頬や首筋に、濃密で深いキスを施す。)
■シェラ > ふふ、でもそれはどうか我慢してくださいね?やっぱり最初は、中、に出したいでしょう・・・?
(その一発目はフェラチオで奉仕をする女の口内か、それとも膣内か、さて それは男の我慢と嗜好次第だけれど。でも、見られただけで出してしまうのはきっと男の沽券に関わるのだろう。
それで恥ずかしがる男の姿はまぁ、可愛らしいだろうが・・・今回は我慢してもらおう。
複数の女から責められる、という経験はそうそうあるものではなく。それは目の前の彼もそうであるようだ。全く別のリズムを与える竿と亀頭への奉仕にぴくぴくと気持ちよさそうに震える彼の姿はとても可愛らしく、思わず ふふ、と微笑んでしまって。
その快楽に耐えるように思わず前かがみになってしまう彼の姿のなんと愛おしいことか。
そのまま口づけを強請れば、ぷるぷると足を震わせながらも接吻を交わす。少女と青年にはそれなりの身長差がある。その上で口づけをしようとすると、どうしてもこうなる。ふらふらと覚束ない足取りで口づけをするものだから、ねちょ、くちゅ、と唾液を絡ませながら深い口付けを交わしている最中、突然唇を離されたりする読めない押し引きが展開されることとなり、彼を翻弄するだろう。)
きゃっ・・・!?
(そして、突然腰を引かれれば驚いたように声をあげるだろう。翻弄される男の姿は好きで、それを見ようと気張る少女であるが、逆に不意打ちというものには露骨と言っていいほどに弱く、この小さな悲鳴もそれの現れとなるか。
その上で更に口づけを続ければ大司教たる少女の方も熱が入ってきて、更に強く、積極的に舌を絡め唾液を混ぜ合わせる恋人のような口づけへと変じてくるだろう。
・・・淫魔といえども快楽を感じないわけではない。むしろ、それを貪る悪魔であるのだからそれは好物な方である。言うなれば、快楽の許容量は人間よりも大きいものの、耐性は別に特段高いわけではなく。
男と唇を離し、唾液が ツー・・・ と激しい接吻を顕にするかのように男と少女の間を繋ぎ、途切れる程に顔を離せばまじまじと少女の顔を見ることも出来るだろう。
顔を赤くして、舌をたらり、と垂らしたその姿は発情したヒトの女とそう変わるものではなく。)
なっ・・・!?
(そして、突然に可愛らしい、なんて言われれば大司教の少女の顔は朱に染まる。ぼふっ、という擬音を響きそうな程に一気に紅潮した顔は初心な少女そのものか。
――いくら性交には慣れていても心は少女のまま。愛は知っていても恋は知らぬ女。それが、この大司教である少女のもう一つの姿であった。
・・・そんな女であるから、可愛い、なんて突然に言われれば紅潮し、狼狽するのは何もおかしいことではなかっただろう。それも予測してないタイミングで言われたが為に。
尚。彼の発言に対し、周囲の信者達はわいのわいのと肯定の発言を放つだろう。
曰く、「当然です。それがわかるなんてあなたは見どころがありますね。」 と。
曰く、「そうだよねー、大司教様かわいいよねー。ほら、見てー、顔今真っ赤でしょ?これ照れてるんだよー?身体はえっちなのに心は乙女だよねー」
――と。
・・・遂にはぷしゅぅ、と煙を吹いた大司教の少女はその信者に対し あなた達あとで覚えてなさい・・・、と憎まれ口を叩いて終わったそうである。)
――シェラ。ただのシェラです。今はそうお呼びくださいな。
(少女も悪魔であるから、真名、というものは存在する。けれども、悪魔のその真名は特別な意味を持つ。それを知られることは自分の全てを引き渡すに等しく、契約を結ぶのと同義である。
だから、今は・・・人間として活動しているのに使っているその名をあなたに。これもひとつの私の名。呼ぶには問題ないでしょう・・・?
そして、その名を告げれば彼から落とされる口づけ。それに んっ、と気持ちよさそうに震えるその姿は悪魔、というものではなく・・・ただの少女のように見えてしまうだろう。
――互いに重なり、溺れゆく複数の影。彼の宣言通り、悪魔達が満足するまで、彼の精を絞り上げられたことだろう。一度や二度では足りない、もっと、もっと・・・と、複数のシスター達から求められただろう。もちろん、大司教たる少女からも。その全身を白濁で濡らし、内も外も彼の精で塗り尽くし、それでも尚足りぬ、とばかりに求め、貪ったことか。途中で彼が眠りに落ちることがあるならば、悪魔としての姿を一部表し、その身体に尻尾を突き刺して魔力を注ぎ、強引に欲をかきたて、精を絞り上げる態勢をつくる。 ――淫魔と交わる、というのはそういうことだ。寝かせない、という名の通り夜が明けるまで少女達との交わりは続いただろう。
――ただもし、いつしか彼が大司教である少女を組み敷く未来があったなら。それはそれは初心な少女のように甲高い嬌声が夜空に響いただろう。少女は受け手としては非常に初心である。きっと、溺れるようにその快楽の海に微睡んだことだろう。
けれど。その求める量が際限ないのはそれでも同じ。彼が途中で逃げようとするならば、やはり逃さないとばかりに足と尻尾で捕まえて少女が満足するまで精を吐き出すことを要望するだろう。
――彼が意識を保てたか、それとも途中で疲れ果てて気絶するように眠りに落ちてしまったか。それは少女達のみが知るところだけれど、今宵の宴は一夜の夢。夢であれば夜が開ければ消えてしまうのが道理。
夜が明け、日が昇ってくる頃になれば少女達は男の額に指をあて、魔力を流し込んで記憶を一部奪い、まるでそれが幻であったかのようにその姿をくらましてしまうだろう。
少女達邪教団はそういう存在であるが為に。一夜にふらりと現れては記憶を奪いかき消える。
――けれども、きっと残るものはあった。男の指先に残る女を抱いた感触。周囲に漂う甘い匂いに、脳髄を焼く快楽の痕。そして、魔羅を濡らす女達の体液。 あと、周囲に枯れたように倒れる男の残骸。
それらがこの一夜の夢が、幻ではなかった、と男に思わせる夢の跡となるか。 もし、縁が続くことがあるならば――また会うこともあるだろう。その時はまた、夢の続きを彼に見せることになるか。
――今宵は、ここまで。)
ご案内:「貧民地区 路地裏」からシェラさんが去りました。
ご案内:「貧民地区 路地裏」から断さんが去りました。
ご案内:「貧民地区 路地裏」に断さんが現れました。
■断 > ああ…そりゃあ、もちろん…っ…っつ、くぁ…!
(精一杯、刺激と快感に耐えて答えるが、
余裕ぶれるほどの男気も、耐性も、余裕も無いのは明白で、
それを可愛がるような、女と周囲からの微笑みや漏れる声に、
汗が目立つのでわかりにくいがよく見れば男の頬も紅潮していた。
亀頭と肉竿への奉仕をする二人には、トロリとご褒美のように、
濃密な牡のエキスを煮詰めた、先走った汁が、徐々に舐めしゃぶる舌先に味として届いて、
唾液と一緒になって少女たちの口元を濡らし、肉竿が美味しそうに照り光るのに一役買う。
男の方はといえば、互いにおぼつかぬ足取りや腰つきで、
離れては迫るのを繰り返す、ぎこちない…否、不器用な…否、
それこそ、二人を周囲で見守る教団の女性からすれば「愛らしい」と思えてしまうような、
初めてのダンスを踊る二人のような、不可思議な接吻。
けれど、供述する熱と快楽だけが本物で、青年の方は少なくとも、
一時も逃したくないとばかりに唇を重ねた。)
……ははっ……、お付きのみなさんのお墨付きってワケだ。
ああ、ほら、そんな顔より、もっと…絡め取るような、
妖しい顔をしてくれよ。
(と、いたずらっぽく嗤いながら、言葉ではまるで、大司教のその仕草よりも、妖艶な女性を演じることを望んでるような口ぶり。
けれども、ツゥ…と二人の唇に垂れた糸を舌で巻き取り、
コツン、と額と額を合わせて、困ったような表情でその言葉を紡いだ。
しかし、その表情と瞳は、明らかに今、湯気が立つほど赤く染まる愛らしい少女を、いとおしげに見つめるそれで。)
シェラ… シェラ、だな。
ああ、忘れない。
(怪訝そうな様子も、不満そうな様子も一切見えない、 事実、青年は感じてはいない。
眼の前の愛らしい少女と、名を知り合えて嬉しいという思いが脳内を支配している。
それでも、心の何処かで「ああ、―――いまは、ね」と、囁く自分がいたことに、青年は気づかない。)
(その後、繰り広げられた、数え切れぬ少女たちとの、お互いの身体を、性器を、口を、胸を、腹を、尻を、ふれあい、なめ合い、犯しあい、絞り、穿り、弄び、交わる夜。
何度か、何十度か、何百度か、それすらも数えられない快楽を味わい尽くしたことだけが事実で、青年の体か心が悲鳴を上げたか、
到底有りえぬが、性を貪る少女たちが音をあげたか…真相は闇の中。
ただ、「全員を満足させなければ、ひどい」という言葉に対して、
青年が目を覚ました時、さしてそのような状況でなかったことだけが、一つの事実。)
■断 > ―――…ン…っと、あれ、…?なんで俺、こんなトコに……
って、おいおい、ウソだろ!?
(朝日が刺す路地裏で飛び起きた青年。
裸体には、誰かが風邪を引かぬよう申し訳程度に、脱ぎ散らかした本人のコックコートがかけられていて…
何よりも青年が仰天したのは、最初に目に入ったのが、
大局を見れば自分と大差ない男たちの枯れ果てやつれた姿)
いや…ナイだろ、俺…さすがにそんな……ッ
……じゃなくて、 おいアンタ達、大丈夫か?
(なんとなく、昨晩「誰か達」と「誰か」と
繋がりかけたり、離しあったりした、楽しい一夜を過ごした感覚がある。
それが朝チュンの場面で、お互い全裸で、体液に塗れて寝転がっているのが、一面男性。
少なくとも性の対象が男性ではなかった青年が、記憶にない昨晩に思いを馳せると、狼狽するのも無理はなく…それでも、
放ってはおけないと、男たちの脱ぎ散らかされた衣服を着せ、整えて、担ぎ上げ、ずるずると引きずりながら運ぶ。
記憶は確かに、悲しいほどあっさりと奪われ、消え果てた。
しかし、そのときにかすかに香った、牡くささとは別種の、
みずみずしい少女たちのような芳香と、
自らの体から香る似たような残滓が、青年の脳裏には刻まれていた)
……ったく、悪い夢だよな…?
(青年は、自身が経営する料理店に半死半生の男たちを運び出すと、
なにか、どこかで他人事と思えなかったのか、
無償で二日酔いや激しい夜の後に効くスープや食事を振る舞った。
「そんなはずはない、仮に、可愛らしいお嬢さんがたに誘われたならまだしも」
「だよなぁ…!? いや、アンタはいい男だけど、俺は違うから、違うよな?」
「たのむからそうであってくれ…」
と男同士、謎の連帯感と、一体感と、
別の一体感は得ていないことへの願いと確信を、
適当に何処かの神に祈り合い、お互いを慰めあい、別れた。
案外それは、いずこかの邪神かもしれないが、良い迷惑であろう。
―――その後、湯浴みで体を清め、厨房で料理の仕込みをしながら、
青年は不思議な物思いに耽る。)
…なんで俺、これ仕込もうと想ったんだろう…?
誰か、食べさせたい人なんて、いたっけか…。
(それは、肉・魚介・野菜・果物…様々な具材が盛りだくさんで、
どれも丁寧に下拵えされ、官能的な味わいを見せるなかで、
中央にどーんと豪快に盛り付けられた、
真っ赤で湯気を立たせたトマトのミートソース和えが主役の逸品。
何故かわからないが、この湯気の立つ紅いトマトが無性に愛おしくてたまらない気持ちにされる。
そして、このスープの効いた逸品の名前だけは、すぐに浮かんだ。)
……料理に女の子の名前なんて、あんまりガラじゃないんだけど…
(むかし、記憶が薄れるほどの何処かで出会ったのだろうか、無意識に浮かんだのは、
妖しさと、蠱惑さと、可愛らしさや愛らしさを感じた、
青年が一番最初に思い浮かんだ、
普段は尊大で、淫らで、神々しく…
…キスをするときだけは一所懸命そうな名前を、その新作に添えた。)
その名前を、何処かの誰かがもし見かけたならば、縁は続いてくれるのだろうか。
ご案内:「貧民地区 路地裏」から断さんが去りました。
ご案内:「閉店した料理屋」に断さんが現れました。
■断 > 王都で満員御礼とはいかずとも、徐々に口コミで地道な人気を増しつつある料理店「喜食館」
本日は最後の客が、心ゆくまで酒とそれに合う料理を楽しみ終えて繁華街に消えていった。
給仕やスタッフもそれぞれの帰路につき、無人となった自らの店に、
酔いつぶれて残っている客や不審者がいないか一通りチェックを終えると、店主である青年は、表の看板をくるりと「CLODED」に入れ替える。
「ふゥ……! ああ、今日も面白い料理、たくさん出せたな。
新作料理も結構人気だったし…」
ストレッチするように首や肩を回しながら、明日の料理に使う出汁やスープを、穏やかな時間と温度で引き出し、
その様子を見ながら、寝るまでの時間ぼんやりしてようと、
夜の調理室にこもる。
換気のために開かれた窓からは、夜風が流れ込んで、
逆に外には干し肉や野菜や香草のうまみが優しく溶け出しつつあるスープの香りが漂っていく。