2019/02/07 のログ
■クレス・ローベルク > 周囲を見渡すと、結構色々なタイプの女がいる。
聞き覚え、見覚えがあるような者から、ないもの。
貴族、平民、奴隷。魔族は今の所見当たらないが、居てもおかしくはないといった所か。
「んー、まあ、誰でもいいっちゃいいけど……」
しかし、だからといって見境なくというのも考えものだ。
考えものというより、単に体面が気になるだけだが。
「うーむ」
■クレス・ローベルク > 結局その後、優柔不断で決まられず、結果として誰も抱かずに帰っていった。
後で偉く怒られたが、なにか釈然としなかったという。
ご案内:「富裕地区 宴会場」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「何処かのダンジョン」にヒルダさんが現れました。
■ヒルダ > ──何処かのダンジョン、内部には陽光が届かず時刻も定かでない。
無数に存在するであろう通路の一本、その宙空に突如光の粒子が収束する。
粒子同士が結合してひと塊となり……一瞬の閃光と共に弾けると、そこに現出する人影が一つ。
それは、帯剣した長身の女だった。
ゴテゴテした装備に身を包んではおらず、いかにもフットワークが軽そうな軽装である。
「──私とした事が、転移トラップなんかに引っ掛かるだなんて。
ああ、もう。頭がクラクラするじゃない」
女は、こめかみを指先で押し揉みながら、眼窩の奥にこびり付いた眩暈を堪える様にかぶりを振る。
ダンジョンに単身踏み入るくらいである、トラップ類に対する心得は十分有しているが……
百回に一回程度は、こうしてケアレスミスを犯してしまう事も有る。
単独で行動する者は仲間のフォローが望めぬのだから、避けられない事故とも言えた。
「愚痴は程ほどにしておきましょう……さて、此処はどの辺りなのかしらね?
見渡す限り辛気臭い風景が続いているけれど」
独りごち、一つ鼻を鳴らして気を取り直すと、女は黙って歩き出した。
この場に留まっていても、事態が悪化しこそすれ好転は決してしないだろう。
であれば、まずは元居た場所に戻る手掛かりを見付ける為に進まねば──