2019/02/04 のログ
■シュライア > 「いえ、悩みとは言っても…単純な、子供のような悩みですから…」
力が欲しい、などと拗らせた子供のような悩みだ。
最も背景には複雑な事情があるのだが。
少し晴れやかな顔になって共に歩いていき…
「ええ。…?、ああ、富裕地区とはいえ、仕方ないですね。横道ですし」
現れた横道の暗がりに特に過敏に反応することもなく
ただ、カンテラの灯りのみでは未知が広いとはいえ相手の足を踏んでしまわないかと少し心配しつつも
心配する相手を見れば、ドレス姿を揺らし、笑っている。
「エスコートはお任せしました。それに…家族以外に心配されるのも新鮮なので、私としては構いませんよ。
暗がりに引き込んでいやらしいことをしようとしているなら、別ですけど?」
剣の留め具がかちゃりと鳴るが。相手を信頼しているのかそんな冗談を
ドレス姿とはいえ帯剣している彼女と、その彼女が信を置く相手並んで歩いていては、多少のごろつきは難なく蹴散らせるだろう
■クレス・ローベルク > 「……ふむ」
どうやら、ある程度吹っ切れた……訳ではないにしろ、悩みを自分の中で相対化できているようだ。
ならば、今此処であれこれ言うのは過保護すぎる。
この話は一旦打ち切りとして、
「いやあ、送り狼となっても、シュライア様は狼ぐらいならば退治してしまいそうですからね。此処は紳士的に宴の場まで送らせていただきますよ」
意訳:流石にこの歳で人生を終わらせたくないです。
ともあれ、街灯のない暗い夜道を二人歩いていく。
結論から言うと、二人をごろつきだのならず者だのが、二人の道を塞ぐ事はなかった。
だが、代わりに道を塞ぐものが居た。
「……あー」
前方から聞こえる嬌声と水音に、男はとても聞き覚えがあった。
カンテラで照らされた先にあるのは、夜会服を着た男女の性の営み。
それも、男が女を押しつぶすような体位でディープキスなどやっているせいか、カンテラの明かりに気付くこともなく、延々続行している。
期せずして男のケツをカンテラで照らす事になった男は、凄まじい嫌な顔をしているが、
「……あー、うん。えっとー、その。これはどうしたもんでしょうか、シュライア様」
此処で女性に振るのは酷いかとも思うが、しかし男とてエスコートの途中でこんな事になるのは初体験だ。
半ば助けを求めるように、シュライアの方を見る。
■シュライア > まだ完全に前を向いたわけではない。けれど完全に後ろを向いている精神状態よりはかなりましな状態に
アドバイスをくれた相手に感謝をしつつ…
「流石に野生の狼には会ったことはありませんが…。ふふ…」
リラックスしているのか、子供のように笑い
しばらく雑談を交わしていたが…ごろつきよりも厄介なものが道を塞いでしまっており…
「―――…。」
カンテラで照らされた光景を見た瞬間、固まってしまう。
いわゆる愛し合っている光景を見てかぁ、と顔が熱くなり
身体の経験はあるものの…愛し合うというのは覚えがない
「え、と。これは…どうしましょうか…。せっかく愛し合ってる二人を邪魔するわけにも…」
これが悪漢に襲われているなどの光景なら、彼女は即座に剣を抜いていただろう。
しかし、愛し合っているのなら暴力では邪魔をしてしまうだけになり…それほど頭が回らない彼女はどうしたものか、とちらちら見ながらも困惑している様子
■クレス・ローベルク > 普段の男なら、彼等をまたぐなり、或いは声をかけてどいてもらうなりしていただろうが。
なまじ、一緒にいる少女が、顔を熱くしているのを見ると、何だかこちらまで居た堪れない気持ちになってくる。
「そ、そうですね……
道の真ん中でするのは、風紀を乱す行為ではありますが、恋は盲目とも言いますし……」
通り抜ける方法なら幾つか有るが、彼等の邪魔をしないという制限付きだと、中々思い当たらない。
ならばいっそ、別の横道はないものかと思うが、残念ながらそれもなく。
「……仕方ないか」
そう言うと、男はシュライアの背中側に回る。
「失礼、少々身体を預けて頂けませんか。
抱き上げた上で跳躍し、彼等の頭上を通過します」
彼女の身体能力でも可能だろうが、ドレスを着ている以上、何処かが破けたりすれば事だ。
あらぬ誤解が生まれる事にもなるし、何より社交界での恥になる。
彼女にとっては男に抱き寄せられるなど恥だろうが、此処は彼女のためにも、我慢してもらうしかない。
……まあ、全く下心がないと言えば嘘になるが。
■シュライア > 何度かその体を男に晒したことのある彼女だが…
それは、愛というには少し違うもので。だからこそ、目の前で行われていることから目を離せず
薬などを使われている様子もなく、男に縋りつく女…そういうものもあるのだと、かぁ、と顔を熱くして
「…!」
背中に回られると…まさかこの二人に乗じて…、と剣を抜きかけるが…
「!…、あ、はい。……。…その、普通の女よりは重いかもしれませんが」
続く言葉に警戒を解く。
ただ、その提案は少し考え…けれど結局は男と同じ思いに行きつく。
父の紹介で来ている以上、いくらお転婆で通っているとはいえ、みっともない恰好で万が一にも催しに戻るわけにはいかず
更に…事実はそうでないにしろ、貴族と連れ立って出ていき、服が汚れて帰ってきたとあれば相手にも迷惑がかかる。
それは、正義を信奉する彼女には詐欺に等しく、何にも耐えがたい屈辱だ。
恥じらって言う言葉通り…凝縮された筋肉とでも言おうか。彼女の体は細身ながら、その肉の内に力を集めており
確かに、それによって一般の女性よりは重いだろう。
「……よろしく、おねがいします。できるだけ、邪魔をしないように。」
少しだけ力を抜いて剣からも手を放し、体を預ける姿勢に。
抱え上げるなら相手の重量と…夜会用に付けてきたのか、控えめな香水が鼻孔をくすぐるだろうか
■クレス・ローベルク > 男としても、シュライアをこの機会に手篭めにして……というのは、絶ち難い物があった。
しかし、少なくとも今、彼女は自分を信じている。
そして、自分もまた、彼女の真っ直ぐさを尊敬している。
勿論、彼女は怖い。敵に回したくない。それもある。
しかし、普段の生活ではまずないそんな関係こそ、彼にとっては絶ち難く、犯し難いものでもあった。
――勿論、それは男の本性がバレるまでは、になるが。
「いえいえ、力はありますから。それでは、失礼します」
一瞬かがんで、重心を後ろに預けたシュライアの背中と膝に手を当て、そのまま、脚を少しだけ押して体勢を崩し、倒れ込むシュライアの膝と背中を腕で抱く。
お姫様抱っこの体勢で、彼女を持ってみた感想は
「……筋肉がついていますが、やはり男とは違いますね。
細く、何処か柔らかい……」
考えてみれば、彼女ほど筋肉がついた女性を、こうしてお姫様抱っこをするのは初めてだ。
そもそも、彼女ほどの筋肉量が有る女性が、お姫様抱っこを必要とする事自体が稀なことなのだが。
重さは感じるが、余分な脂肪がない分、寧ろ持ちやすい。
「それでは、行きます。
着地の衝撃はできるだけ殺しますが、念の為、口を開けないように」
そう言うと、一度少しだけ後ろに下がった後、助走をつける。
そして、彼等の少し手前で脚を強く踏み込み、そのまま跳躍。
情事の二人を、背中スレスレで飛び越え、そのまましゃがみこむように着地。
しゃがみこむ動作で衝撃を殺したためか、着地の瞬間すら、足音一つすらなく、
「ふぅ……何とか上手くいきました。
少々、危なっかしかったですが、上手く行って何よりです……」
そう言うと、彼女を降ろし、そのまま男も立ち上が――ろうとして。
「おっと」
二人分の体重の衝撃を、無理に殺したためか、脚が少しふらついた。
それ自体は大したダメージではなかったのだが。
問題は、彼女との位置関係だった。
重心の崩れを補正しようと、手が反射的に何かに捕まろうと――つまり、彼女の身体に捕まろうとして。しかも、立ち上がろうとした所でふらついたせいで、彼女の下にあった手は、肩ではなく、胸に手が流れた。
このままでは、流れるように彼女の胸に捕まってしまうことになるが――
■シュライア > 「…落とさないでください、ね?」
男の葛藤など知るはずもなく、体を預ける
体勢を崩す相手に素直に抱かれ、体が支えられて
「…この体勢からでも、頭突きくらいはできます。」
褒められているのかわからない言葉には、あまり迫力を感じない目つきで睨みつける
妙なところを触らない限り実行には移さないが…慣れない姿勢で緊張しているのだろうか
そのまま…指示通り、口を噤んで跳躍する。
自分の意思で跳ぶわけではないため身を硬くして。
男が見ごとに飛び上がり、着地すれば…心の中で称賛を送る
自分一人を抱えたまま、着地音すら無く…つまりは、愛し合う二人を邪魔することなく通り抜けた手腕は褒める以外無い
「…ありがとうございました。…っ!」
邪魔をしないように小声でお礼を言って…後は戻るだけだというところでトラブルが起きる。
自分を抱えたまま飛んだダメージか、男がふらついたのだ。
伸びてくる手を振り払ったり、身を躱す余裕は…彼女の視点から言えばあった。
しかし、今の状況はまずい。飛び越えたとはいえ距離は情事中の二人に近く
ここで躱して男がそのまま倒れてしまえば何か音を立てかねない。
その程度で気づかれるとは思えないが、万が一気づかれればとても気まずい
思考が纏まらず、結果身体は石のように硬直し…
「―――――っっ!」
むにょん、という感触が伝わるだろう。
普段は軽鎧に包まれているため…同じ状況になっても硬い鎧を掴むだけだっただろう。
しかし今はドレス姿。そんな無粋なものは何もなく。控えめな胸に、手が触れる。
羞恥によって反射的に手が上がるが…ぎりぎり理性が音を立てることを拒否し…相手からは、手を振り上げたままの中途半端な姿勢
かつ、真っ赤に染まった顔を向けた彼女が見れるだろう
■クレス・ローベルク > 皮肉な事に、男自身は彼女の胸に触れた事を全く気付いていなかった。
彼女の胸が小さかったというのもあるし、飛び越える際の緊張から解放されて、周囲の状況の把握が疎かになっていたというのもある。
「いや、こちらこそ失礼しました……。……。……」
故に、言われたお礼にやはり小声で返し、シュライアの方を見た時点で、ようやく男は今の状況に気づいた。
そして、意識してしまえば、手の中にある微かな膨らみにも意識が行く。
――柔らかい……。筋肉がついた身体もいいが、やはりおっぱいは格別……!先程彼女の筋肉の確かさに触れていた分、この柔らかさはギャップがあって中々……!
などとつい品評をしてしまったが、しかしそれどころではない事に気付く。
つまり、此処でようやく、振り上げられた手に気付いたのだ。
一瞬、恐怖で胃が縮みそうになったが、鼻で深呼吸して意識を整え、
「……あー、その、お怒りはごもっともですが、此処だと気づかれますので」
そっと彼女の手を引いて、情事中の彼等から離れた所まで誘導する。
そして、普通に話をしても気付かれない所まで彼女を誘導した後、
「ひっじょおおおおおに申し訳ない!油断したとは言え、まさかあの様な無体を働くとは!いや、マジ……じゃなくて本当にすいません!」
全力で頭を下げた。
これはもう、何処から見ても自分のミスである。
エスコートすると言っておきながら、その行き道はトラブル続き、挙句の果てに胸揉み。
貴族と貴族の付き合いとしても、とても許されるミスではない。
これは最悪此処で無礼討ちではと思うが、それでも男が出来るのは頭を下げることしかない。
「俺に出来ることなら何でもするので、どうかご容赦を……!」
■シュライア > 彼女の怒りに呼応したかのようにかたかたと小さく剣が鳴るが…それが抜かれることは遂に無く
ぷるぷると震えながらもゆっくりと…石壁くらいになら痕を残せそうな力が籠った手を下ろし、誘導される。
彼女にとって今音を立てるのは…彼女自身の思想に反しているため、リンゴのように真っ赤になりながらも男についていくだろう
「……。」
十分に情事から離れたところで、頭で岩が割れそうなほど勢いよく謝罪される。
それを見て目の前の男と、自分の羞恥や怒りがぐるぐると渦巻いて…
「……、はあ。悪意があれば事故に見せかけていても切っているところですが…その様子では、そういう事ではなさそうですね。」
自分を抱えてあれだけの跳躍をすればよろけることもあるだろう、と…自分に自信が無い彼女はそう考える
まだ顔は紅いが怒りは鳴りを収め、ため息を一つ吐いて
「親切にしてもらった者に対して、事故を過剰に咎めるほど狭量ではありません。しかし…」
そこで一度言葉を切って。
「…なんでも、というのであれば。これから、本来の口調で話してください。今の焦り方でわかりましたが…本当はもう少し砕けた口調なのでは?」
実際、堂に入った喋り方だったとは思うが…怒りに震えた状態でも、砕けた口調になりかけた男を彼女は聞き逃さなかった。
「勿論、公式の場で会った時はその話し方でいいですが…、こういった場まで、気を使われるのは得意ではないので。」
男からすれば、彼女に対して丁寧な言葉を使うのはある種マナーであることは彼女も理解している。その逆も然りだ。
ただ、だからこそ…そういった部分に対しては真面目そうである相手にとっては罰にもなるだろうと考えそれで何も咎めないと告げる
「…さあ、行きましょう。道を知っているのも灯りを持っているのも貴方なのですから。しっかりエスコートしてください。」
それだけ言うと、早く来い、とばかりに背を向けて。重さの割に体が細い彼女の耳がまだ紅いことはカンテラを向ければわかってしまうだろう。
■クレス・ローベルク > 手を引いている間中、延々と剣が鳴る音を聞かされ、正直生きた心地はしなかったし、頭を下げていた最中も、その剣で断頭される恐怖は、常に頭の中にあった。
故に、まさか平手打ちすらなしに許されるとは思っていなかったが、しかしその代わりとして申し付けられたのは、何とも意外としか言えぬものだ。
「え、あ、はい……じゃなくてうん?そんなので良いの……?」
いや、それでも結構キツい罰では有る――下手に話し方を変えれば、それが元で要らぬことを話すリスクは有る。
が、そもそもシュライアは本当の自分を知らないのだ。
それなのに、この程度で済ますとは。
「こ、心が広すぎる……聖女かなにかか……?」
呆然と呟く男だったが、やがて彼女が先に歩けば、慌ててそれについていく。
何とも情けない大人と少女の夜の散歩は、どうやらもう少しだけ続きそうだった。
■シュライア > 「押し倒そうとしていたら、問答無用でしたので。」
その調子です、と言いつつ。
「大体、あの場面で私が感情に任せて叩いていたら…、頬骨くらい折れていても不思議ではなかったですよ。
…それは、私の望みではありませんから。」
後ろから追いかけてくる相手に怖いことを呟き…
「もう少しですか。…ああ、それと…」
横を向き、相手を見つめ…
「闘技場に融通を利かせてくれると、私はとてもうれしいですよ?」
罰を与えてからの、お願い。
あの場にいたならば少しは口添えできるのではないか、という憶測も含んだそれは果たして受け入れられたかどうか…
■クレス・ローベルク > 「いや、そんな事……しないよ!命知らずが過ぎるし!
そして俺の命結構薄氷の上だったんだね!?自制できた俺偉い!そして自制してくれて本当に有難う!君は命の恩人だよ!」
正に一瞬、そのような不埒な事を考えていたので、言葉に詰まったが。
しかし何とか言葉の上だけでも押し切って、男は断言した。
というか、この子は精神年齢に対して、攻撃力が余りにも高すぎる。
勿論、彼が見る限りにおいて彼女は人間なのだが、いっそ魔族ですと言ってくれた方が納得できるかもしれない。
「闘技場に口添え?そりゃできなくも……あー、いや!できない!できないにござる!
俺は闘技場に口出しできるほど、ダイラスに力はないでござる!」
うっかり口を滑らしてしまい慌てて取り繕うも、最早遅い。
やはり、丁寧口調禁止令が辛い。これにより、切り替えていたモードが何時もの平生の物になってしまったのだから。
とはいえ、こうなってしまった以上、せめて先手を取って条件を出すしかあるまい。
「あー、まあ、どうしても、って言うならやってもいいけど。その代わり、何があっても全て自己責任に収める事、そして、闘技場に出場する時は、"出来るだけ大金を、現金で持っていって、ダイラスの何処かに隠すこと"。この二つが守れるなら、口添えぐらいはしてあげる」
前者は、闘技場を見学した結果、職場が吹っ飛んでいたとかいう最悪の事態への牽制。
そしてもう一つは、本来男にこれを言うメリットはないが――もしも出場して彼女が敗北した際、闘技場の独断で奴隷落ちになる事を防ぐためである。
万が一闘技場側が、彼女を奴隷落ちさせようとした場合でも、金があれば自分の身分を買い直せる可能性はある。
彼女を闘技場に行かせない事が叶わぬ以上、自分の命の危機は確定しているが、せめて彼女の命の危機は防ごうと、そういう意図だ。
■シュライア > 「その命知らずでないとわかったからこそ、平手打ちはやめておいたのです。
…別に…む、胸程度で、命まで取る気はありません。…もし激情に負けていたら、当然、手厚く看護はします」
かつて動乱の時代に武力と知略で貴族位を勝ち取った彼女の祖先
その力の片割れを受け継ぎ、更に貴族故にある程度箱入りで育てられた彼女は究極にアンバランスな存在かもしれない
「……………―――」
相手の言葉を聞いて、じとー、と歩きながらにらみを利かせる
明らかに動揺しており…やはり先ほどまでは取り繕っていたのか、と確信を得て
それが効いたのかどうかは定かではないが相手は渋々承諾してくれたが…
「…?、不思議な条件ですね。…ただ、わかりました。自己責任と…現金ですね。
それは構いませんが、ただ口添えされたとしても、あの闘技場は正に混沌、強者の蟲毒だと聞いたこともあります。
…失望させてしまうかもしれませんが。最善を尽くしましょう…!」
にわかにやる気が出たようでぐ、と力を漲らせて
どうやら周りの評判だけで想像を募らせ…まだ見ぬ強敵に心躍らせているようだ。
男が気にするようなことなど…知らないから、というのも大きいだろうが、全く心配していない様子。
■クレス・ローベルク > 「あー、もう完全に出場する気だね?飛び込む気満々だね?
いやまあ、考えてみれば、異世界を体験するのは君にとっても全くのマイナスって訳じゃあないだろうし……」
流石に、今闘技場の真実を言うつもりはないが。
考えてみれば、シュライアは貴族、多様な人間を束ねる立場にあるのだ。
何時までも箱入り娘のままでは居られないのだから、寧ろ命の危険"だけ"は比較的少ない闘技場は、良い社会勉強になるのかもしれない。
闘技場自体の被害を考えなければ、だが……。
「まあ、一度紹介すると決めた以上、しっかり君を闘技場までガイドするつもりさ。
帰り道は、その辺りを話し合おうか。宿の手配に参加登録の方法。ついでにダイラスの観光地も教えてあげるよ」
そう言って、宴までの帰り道、男は彼女にダイラスという街のことを教え込む。
これでダイラスという街を好きになったら、その恩で俺をぶん殴るのやめてくれたりしないかなあ、無理かなあ、とか考えつつ。
ご案内:「平民地区 富裕地区」からクレス・ローベルクさんが去りました。
■シュライア > 「名を隠せば悟られることも少なくなるでしょうし。強くなるにしても、この近隣だけでは限界があります。」
戦場についていくなど許されるはずもなく
そこに表れた糸口に飛び込むのは当然と言えるだろう。
その糸の先がどこにつながっているかは彼女にはまだわからないが…
「そこまでしていただかなくても…。助かりますが。
では、よろしくお願いします。」
真剣にドレス姿のまま戦意を漲らせる彼女。
宴に帰るその時まで熱心にダイラスでの過ごし方を根掘り葉掘り聞くだろう…
そこにもう一つの秘密があることを知らずに…
ご案内:「平民地区 富裕地区」からシュライアさんが去りました。