2019/01/25 のログ
ご案内:「アケローン闘技場 トレーニングルーム」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > トレーニングルームの隅で、空気椅子の様な体勢でダンベルを上げ下げしている男。
絢爛豪華な闘牛士服を着てやっているので、何やらシュールなギャグの様になっているが、男の歯を食いしばった表情は必死そのもの。
汗のせいか、服の蒼が更に濃くなってしまっている。
「50……51……52……53……」
ふっ、ふっ、と呼吸を繋ぎつつ、右腕を曲げたり伸ばしたり。
地味なトレーニングを、ひたすらやっている。
■クレス・ローベルク > 「やれやれ、もう十分と言いたいところだけど……そうも行かないんだよねえ……!」
男は呟くと、今度はその体勢のまま、ダンベルを持ち上げる様に上に持っていく。
そのまま、下から上に突き上げるように、イチ、ニー、イチ、ニー。
軽やかな腕の動きとは裏腹に、男の表情は更に差し迫った表情になる。
「1っ、2……3……4……っ!」
今まで滑らかだったカウントする声にも、少しもつれたような声が交じる。
かなり限界に近いようだが、それでも腕の動きは止まることはない。
■クレス・ローベルク > それから暫くして。
男は実に、90回以上、ダンベルを上げ下げしていた。
そして今は100代目に挑戦中。腕は既にパンパンで、手の中のダンベルも今にも零れ落ちそうに震えているが、それでも決して取り落としたりはしない。
……まあ、取り落とすと最悪、頭に当たって死ぬ可能性があるからかもしれないが。
「……90ぅぅぅぅ……91ぃぃぃぃぃ……92ぃぃぃぃ……!」
男すら気づかぬ内に、目には涙が浮かんでいた。
ダンベルを持った手では、それを拭うこともままならない。
男ができるのは、ただ限界の腕を酷使し、その向こう側に辿り着くことだけだ。
「98ぃぃぃぃぃ!99ぅぅぅぅぅ!」
「ひゃあああああああく!」
その声と共に、ダンベルを投げ捨てる。
床に傷が付きかねないマナーの悪い行為だが、他に人が居ないので咎められる心配はない。
それよりも、一刻も早くこの重りを捨ててしまいたかった。
「も、もう限界……」
ばたーん、とその場に仰向けで倒れる男。
疲労で変なテンションになっているのか、その顔は緩みきった笑みの様にも見える。
■クレス・ローベルク > 「……」
男は、あれから一歩も動いていない。
ぴくりとも、一歩も動いていない。
「……やっべ、動けない」
全身を滅茶苦茶に酷使したツケが今になって返ってきたという事だろうか。
少し先にある、自分の水筒にすら腕を伸ばせないほど、身体が疲労しきってしまっている。
「……っていうか、このままでは脱水とかで死ぬのでは……?」
冬で、誰も居ない状況で、水筒の近くで渇死。
笑い話どころか、最悪怪談になりかねない。
「だ、だれかー、だれかほんのすこしだけ水筒を動かしてくれー……」
■クレス・ローベルク > 「……剣闘士クレス・ローベルク、脱水で死ぬ……の……まき」
がくっ。
意識を失って身体が完全に脱力する。
傍目から見てもあからさまにまずい状況だ
■クレス・ローベルク > 結局、それから暫くして、掃除に来ていた係員に介抱された。
『鍛えるのもほどほどにしなさい』と治療した神官に言われ、流石に言葉もなかったという。
ご案内:「アケローン闘技場 トレーニングルーム」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「森の中」にアクラさんが現れました。
■アクラ > 「ぐる…ぐる……ぐる…」
鎧の兜の中に満ちている赤黒い粘ついた液体を木の棒でかき混ぜている
焚火の上に直接載せているせいで煮立ったそれはごぽごぽと音を立てながら周囲に異臭を広げる
「ぐぅ…まずそう……」
新鮮な鳥と綺麗な水を入れてずっと煮込んで料理しているのにどう見てもおいしそうな料理に見えない
魔族の兵士が戦場でしていた料理という行為
それを見よう見まねで真似ている
料理をすればなんでも美味しく食べられる
そう信じていたのだがこれはどう見ても美味しそうじゃない
「まずい肉…よけいまずくなる……」
■アクラ > 「………」
見た目は最悪匂いも悪し、それに好きでもない動物の肉だ
けれどももしかしたらこれが美味しいのかもしれない
料理をしたのだから試してみないと勿体ないとドロドロになった肉片を棒で掬いそれを口へ運ぶ
「…まずい…りょうりはよくない……」
ベっ、と吐き出し兜の中に棒を突き入れ手を引く
これなら鳥をそのまま食べた方がまだ食べられる
これは泥だ、泥団子だと自身の行った行為が料理ではないと気づかぬまま料理はよくないと決めつけた
「おなか…へった……」
楽しみにしていた料理が食べられないとなり余計に空腹を感じてしまう
今は大好物でなくても何でも食べられそうな気分だ
■アクラ > そうこうしているうちに新しい鳥を捕まえそれを丸齧る
仕方なくといった感じで小腹を満たしながら適当な木に登り休み始める
起きたら今度はちゃんと美味しいものを食べよう、料理なんてせずそのままの味で
ご案内:「森の中」からアクラさんが去りました。