2018/07/07 のログ
ご案内:「小さな楽園~neamh chun an naomh Maighdean a chosaint~」にマリアージュさんが現れました。
マリアージュ >  
御屋敷から、成人男性で徒歩5分のところを、15分かかるおっとりした足取り。
小雨の中、雨合羽に長靴、それに傘で今日もお仕事です。
いつの間にかできた、木々がこんもりとしており、木々の中、1mほども先からは、
白い霧で先が見えない、20m四方ぐらいしかないその場所。
そこが、少女が頑なに言います「よーさい」です。

さめさめと小雨の中、その木々の中に入りますと。
雨も感じない、緑が青々とした空間。
害意を持つ方が入りますと、延々ともいえる迷いの森になるその場所。
春爛漫と呑気な少女のおっとりした足取りですと、3mもいかない間に
とても開けた場所に通り抜けます。

マリアージュ >  
透き通るような青さを持つ空。
延々と広がる空間。
20m四方の林の中に広がる広場・・・外から見た大きさと、中の広さが合わない
そんな空間。
少女の背丈よりも高いですが、1.5mほどの薔薇の垣根が迷路のようになり、
緩い弧を描きながら広がっている空間。
それより背が高い方には、延々と薔薇の垣根が迷路のように広がっているように見えるでしょう。

近くの木に、ちょこんと飛び出た出っ張り。
そこに、傘をかけまして。
そして、んしょっと脱いだ雨合羽を別の出っ張りに。
長靴も脱ぎまして、白いストッキングで包まれた足を出しまして、
その薔薇の迷路にと、にこにこと。

マリアージュ >  
延々と見える薔薇の垣根。
小動物や少女が四つん這いになれば、潜り抜けられるような
下に隙間が開いた垣根。
曲がり角の前で、薔薇の垣根が自然と通り道を作り出します。

少し進んだだけで、薔薇の垣根で作られた迷路を通り抜けます。
薔薇が、目を離せば迷子になるような少女のために道を作っていたのです。

そこを抜ければ、広い広い、緩やかな丘になった大地。
草原が広がっており。
そして、そお真ん中に大きな傘を広げる大きな木。
そのすぐそばにある、瀟洒な可愛らしい机と椅子。
そこで居るのが、お仕事です。

お手伝いしようとしますと、動物さんたちに止められますので、
そこで編み物やお茶をする日々。

大きな狼さんや、角や翼が生えたお馬さん、大きな蛇や鷲、雲などもいる場所。
そこで、お仕事・・・他の方から見れば甘やかされている、というのですが。
そこに居るだけで、尽きない泉のような魔力が広がり。
その聖域を形作るのです。

王城の秘密の場所と繋がり、とくん、とくん、と。
その守る力を助けるように、その力と繋げて延命させるのです。

敷地のその隅っこの、そんな場所にある聖域。
そこに、静かな、静かな、そんな庭園があるのでした、

ご案内:「小さな楽園~neamh chun an naomh Maighdean a chosaint~」からマリアージュさんが去りました。
ご案内:「九頭竜山脈の温泉」にアーヴァインさんが現れました。
アーヴァイン > 魔族の国からの巨大な砲撃は、それこそ此方が上げた花火の意趣返しのようなものだった。
ただ、直撃しなかったのもさることながら、あまり集落には被害と影響はなく、何時も通りの時が流れていく。
そもそものところ、タナール砦に近く、彼自身第二の砦として扱われる可能性も考えていたのもある。
砦が落ちた時は常に出撃待機のまま過ごす事が多く、集落に訪れる商人や住人も、嗚呼またかといったところか。
とはいえ、あの大きな砲撃には驚かされたものも多い。
しかし、彼としては反れたことの方が問題だった。
人ならざる者となり、世界の理を書き換える力を得た後、集落には一種の結界のようなものが張り巡らされている。
”この地にもたらす悪意を排除する”という定理が埋め込まれ、仮に直撃しても何事もなかったかのように魔の手は消し去られていただろう。
術ではなく、世界の定理自体を歪める力故に、守ることだけであれば鉄壁と言える。
だが、その範囲外に落ちれば効力は発揮しない。
集落との契約がある村々は山脈側に多く、こちらに害はなくとも、回りは騒がしくなっていく。
弟と少女達を数十名連れて、ずっと飛び回っていたのはその後処理の為である。
荒れた村に行けば、同様の符号をその地に埋め込み、害を受けないようにした上で、被害の計上をしていく。
丁度基礎訓練期間の新人を呼び寄せ、基礎体力づくりがてら、土木と農作業を行わせながら現地の復旧。
弟は逃げ出した彼等を集めた後、符号が存在することを見せるための役だ。
半魔の力を用いて、全力の真空の刃を村に放たせる事で、範囲に触れた瞬間に刃を見せる為である。
少女達は賊となって暴れまわる彼等を捉え、同様に安息の地と復旧を与えるのを見せて、戻すための確保役。
無論、その合間の罪で殺しさえなければ、こちらで揉み消す事もできる。
罪がどうこうよりも、ロストを最大限に抑える事を優先して、毎日毎日対象の地を飛び回った。

――そうしてやって終われば、乳白色の湯に浸かりながら、疲れ果てた顔で縁に寄り掛かり、湯けむりの空を見上げていた。
先に入った少女達の方は各々部屋に戻って爆睡しており、弟はひとっ風呂浴びた後酒が飲みたいと、部屋で酒を楽しんでいる。
静かになった温泉の中で、ゆっくりと疲れた吐息を吐き出すと、瞳を閉ざす。
次は何をしようか、何をすべきか。
ただ、淡々と次のことを考えながら湯に沈む姿は、外向けに見せる祟り神というよりは、日常の疲れにくたびれた店主といった緩さに落ちていたが。

アーヴァイン > (「この上で、奴らの感情で振り回されるのも堪ったものじゃないな」)

砲撃の後、報復としての進撃を求める声も臆病者達の中から上がったが、それはできないと答えた。
そもそも、此方は敵陣に切り込んでいく力など持ち合わせておらず、面と向かっての戦闘をしないのではなく、できないのだ。
師団クラスであれば、5000~6000人の兵員を軽く持ち合わせているだろうが、こちらは1割以下の人員で戦っている。
故に、念密な作戦を立てて、その通りに遂行するのみ。
それができないなら、その時点で被害が広がる可能性があるため、撤退。
不意打ち、奇襲、電撃作戦、それらだけで戦うからこそ戦えるだけである。
とは伝えたが、あまり理解はされていなかった。
ならばもっと増やせばと強請られるも、それも無理な話である。

(「魔法銃士隊に一人入れるのに、どれだけ時間がかかるかも分かっていないからな……全く」)

横並びに見える割り振りではあるが、実際はその練度が大きく離れている。
戦闘項目だけを見るなら、魔法銃の扱いでも魔法銃士隊と前哨狙撃隊はトップクラスの腕前である。
最初は輸送&補給の部門で手伝いをしつつ、1ヶ月間みっちりと身体訓練に取り組ませる。
魔術と撃ち方を覚えれば撃てるに撃てるが、銃を構えるのにも結構な力が必要なのだ。
それが終われば、魔法銃訓練へと入り、索敵の訓練を経て、追加1ヶ月の訓練を終えたところで警備と偵察部門に入れるようになる。
そこで警備と偵察に行く娘もいれば、もっと上と仕事に付きつつ訓練を重ねる娘もいるのだ。
全体的な技量、身体能力の強化、鳥達との連携行動、空中降下訓練等などを終えると、魔法銃士隊に配属できる。
前哨狙撃隊は、隠密行動の訓練と狙撃、鳥達との連携行動、空中降下訓練等などが必要となり、なかなかに苦労する。
今回500人を引き入れたのも、それを最前線に送るのではなく、警備や偵察にいる少女達から希望者を短期集中訓練を経て、そちらの班へと回すのと、既にティルヒアに回した人員を呼んで合わせることで実現している。
金で雇って武器防具を与えて兵士にする、雑兵とは雲泥の差なのだ。
だからこそ、装備も武具も全て、金をかけていく。
一人死ぬだけで、それまでの時間というコストが大きく失われるのだから。
脳内で愚痴を繰り返しながら、疲れ果てた溜息を零すと、ばしゃばしゃとすくい上げたお湯で顔を拭っていく。

(「それに……彼女達だからこそ、まだ戦えるというのもあるからな、そこは想定通りだ」)

戦いにおいて、死こそその腕や感覚を鈍らせる最大の敵だ。
しかし、死以上の屈辱と悲しみを抱いてきた者達はどうだろうか?
何の罪もなく里を襲われ、大切な人々を目の前で殺された挙げ句、犯されてボロ雑巾のように捨てられた者や。
妹共々性奴隷として売り飛ばされ、最後の最後まで病気にならず生き残ったのが自分だったもの。
歯向かった見せしめに愛する者達を処刑する姿を、目の当たりにされた者。
死より深い屈辱と闇の中で、燻って解けるしかなかった者達にとって、死は結果にしかならない。
自分が逃げたら、大切なものが失われる。
自分達が逃げても、同族や守りたい人達が壊される。
あんな思いを誰がまた味わいたいものか、誰が望むものか。
名誉や欲望、金や家訓に戦うのではない。
誰が為にここしかない安息の地を守る為に戦う。
砦が落ちれば次はここなのだ、引くはずがない。
だからこそ、彼としても絶対の信頼を置いて、不在時の戦いも任せることが出来る。
ふと、少女達の部屋から猫のような鳴き声が聞こえるも、恐らく寝言か何かだろう。
驚き体が跳ね上がるも、音の方角を見やれば薄っすらと苦笑いを浮かべなから、再び縁へ背を預けた。

アーヴァイン > (「まったく……皆からのお願いがなかなか進められないな…」)

食事は何よりも優先して、美味く腹を満たせるものを作る。
奴隷の少女や枯れ果てた里から少女達を引き上げると、何もよりも食べることを喜んでいた。
だからか、食事は彼女達を最大限満足できるように配慮している。
その中で、組合内でも非情に要望が多かったのは米の増産だった。
小麦主体の主食の中、たまに手に入る米は食べ慣れぬ者も多いかも知れないが、時折輸入品で手に入る。
その際、長粒種の米を鳥や野菜のだし汁をたっぷり染み込ませ、刻んだ野菜と肉を混ぜ込んだピラフは驚異的な人気を誇る。
あまりの人気具合に、全員の口に届かない自体まで発生すると、ピラフは順番制となってしまうほど。
無論、携帯食でも同様の人気具合で、数日間の糧食が必要な場合でも、ピラフのパックは一人一つまでである。
何にしろ、米が足りない。
その為、少女達からのお願いで大きいのは米の量産であった。
近々、何処かの土地を買い取って、諸外国から米に詳しい農家を招来させて、生産をと思っていたが……暫くは難しそうだ。
そんな事を考えていると、唐突に宿のガラス戸の一つが勢いよく引き開かれ、ぴしゃんと軋む音が派手に響いた。
年頃の組合の少女が、猫耳を何度も跳ね上がらせながら此方を見やれば、お腹空いた! と、ご飯のお強請りの声。
もうそんな時間かと思いながら、クスッと微笑めば、戻れというように軽く手を振る。

「わかった、食事にしよう。それと俺も男だ、その格好で顔をだすのも、風呂を覗くのも程々にしてくれ」

ネグリジェ一枚の下は半分透けており、僅かに程よい膨らみと、裾の下からは白いショーツが見え隠れする。
離れているのもあってハッキリとは見えないが、こちらも湯から体を引き上げれば裸なのだ。
軽い口調で促すと、はーいと間延びした声と共に、少女は部屋へと戻っていく。
――その後、昼食に出された短粒種の米の食感と甘味に、少女達が目を輝かせながら貪り尽くした事で、米への欲求は膨らむのだった。

ご案内:「九頭竜山脈の温泉」からアーヴァインさんが去りました。