2018/06/14 のログ
ご案内:「港湾都市ダイラス 小闘技場」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > 昼下がり。
ダイラス名物、アケローン闘技場の熱気も届かなくなる距離ほど離れた街中にその小さな闘技場はあった。楕円形で直径は最大25mほど。回りには観客席と試合場とを僅かに区別するための背の低いフェンスがある。敷き詰められた砂は真新しくて血や汗の匂いがしない。常に人の居るアケローンと違って人の姿が見えなかった。

無人の闘技場にひょい、とフェンスを越えて入り込む遊牧民。こういう場所を見るとなんとなく剣を振るいたくなるのだ。演舞をしたくなるのだ。

「……っ、……っは!」

闘技場の真ん中に立つと音もなく両足揃えたバックステップをする。
そして一瞬で元の位置へと小さく跳びながら左足を大きく蹴り上げて架空の敵の顎を砕く。そのまま、呼気を鳴らして。
蹴り上げた左足を大きく前に踏み出し、
左腰に吊るした曲刀を左手で、逆手に持って身体をねじりこむように抜き払う。
そうやって架空の敵のお腹を切り払うと、踏み込んだ足を一瞬で戻して体勢を整える。

「うん。身体の調子はいいみたい。
……誰かお手合わせ、してくれる人はいないかな?」

息つくと思い描いた通りに動く身体に少し満足げに頷き。
ひとけのないこの場所で、野試合をしてくれるよな人影が辺りにいないか少し見回し。

ご案内:「港湾都市ダイラス 小闘技場」にアシュトンさんが現れました。
アシュトン > 「随分と精が出るじゃぁないか」

(パチパチと、一人分の拍手が聞こえてくる。
いつの間にか、だろうか。フェンスに腰をおろし、相手の様子を眺め見下ろす男が一人。
なんとなくブラブラしている最中に、人の気配を感じてやってきた、といった所だろう。
手を叩く動きに合わせて、口端に咥えた煙草が上下にヒョコヒョコと動いていた)

「俺で良ければ、ちょいと付き合ってもいいがどうする?
剣と体術限定?木剣でも持ってくるか……それとも、鞘に納めたままか……保護の術を刃に掛けるって手もあるが」

(よっと一声かければ、フェンスから飛び降り着地して。
どういうレギュレーションにするか聞きつつ、首を小さく横に傾けた)

タピオカ > 「わ……!アシュトン……!
えへへ。ありがと。アシュトンもダイラスに来てたんだねー!」

(気配を消そうと思えば道行く猫も振り返らない。そんな彼はいつの間にここに居たんだろう。ここに来てたんだろう。
ぱああっとしばらくぶりの再開に顔色輝かせると送られた拍手に少し照れ笑い。アヒルの子供が頭を揺するように上下へ揺れる煙草の様子に面白そうに笑って)

「ほんと!?……ぜひぜひ!
そういえば、アシュトンと一緒に敵と戦った事はあってもお手合わせはしたことなかったなあ。……ふふー。腕が鳴るー!
そうだね、剣と体術限定で、
使い慣れた武器のほうがいいから、お互いの武器に保護の術をかけてほしいな!」

(手合わせ願える!とすっかり有頂天。瞳をきらきらさせると彼の魔法を頼ったレギュレーションにしてもらおうと。
そっと抜き身の小ぶりなシャムシールを相手に両手で差し出し)

アシュトン > 「あぁ、荷運びの依頼でね。
明日帰りの予定でブラブラしてたら、たまたま見かけたって感じさ。
じゃましちゃ悪いと思ってたが、最初から声掛けた方が良かったかな?」

(小さな笑い声が喉元で鳴れば、それに合わせて肩も揺れる。
身を解すように腕をまわしつつ――何やら視線が煙草の動きに向けられているらしく、妙に可愛らしい頭の動き。
唇を使って、火先が上下左右と変な動きをした)

「意外となぁ。ま、お互いブラブラとしてるから、会う時は仕事がらみとかが多めだしね。
……俺自身が手の内余り出したくないから、他人と模擬戦とかあんましないってのもあるけど」

(キラキラと光りさえ放ちそうな瞳が眩しくって、視線をひょいと一瞬横へと逸らした。
基本的に『正面から堂々?なにそれオイシイの?』スタイルである。
咥えていた煙草を小さな皮袋に入れると、火をもみ消し。ポケットへと仕舞い。
代わりに腰のカトラスを一本引き抜くと、刃に指を添える)

「術式起動、切断変換衝撃、刺突変換衝撃、衝撃緩和、重ねてもう一度」

(そのまま刀身を撫でてゆけば、一瞬だけ青白い光が見えて、すぐに消え。
状態を確かめるように数度振ってから鞘へと納め、もう一本にも同じように掛けてゆく)

「余程強烈な使い方でもしない限り、1時間程度はもつだろう。
当てた時の衝撃も緩くはしてるが、ゼロじゃないからその辺注意な」

(一端己の分を片付ければ、彼女の差し出した剣にも手を添わせ。同じ仕掛けを施してやる。
それが終われば後ろへと、下がり距離を取ってゆくことだろう)

タピオカ > 「ううん、僕が剣振るってるとこ、見てもらえてちょっと嬉しかったかも。
……たまには、僕だって戦士だってところ見せたくって。」

(自分の目線の先で火口がへんてこなダンスを踊ってる。
彼のユーモアにくすくす肩震わせつつ。以前彼と共に依頼をこなしたとき、
自分がどんな痴態をしていたか……。それを思い出すような様子でやや頬を赤らめつつそう呟き)

「僕もアシュトンも風まかせだもんね。
その分、会えたらいつも嬉しいよ。今もね!
――じゃあ、この術をこの子によろしく。」

(気まぐれさなら、彼と似てるかもしれない。そして会う約束をかわさなくても
なぜか時々に縁が巡ってこうして会える事に感謝しつつも喜色は隠せない。ゆるゆると短い髪を揺らしてご機嫌な様子。そういえば、相手は正面からのフェイスオフよりもトリックの絡め手を使うほうが得意なんだっけ、と以前のゴーレム退治した頃を思い巡らせ。ふしぎな言葉で術を施す様子を尊敬した顔で見上げ。施してもらった曲刀を指先でなぞった。湾曲した先に小指かけても痛みはなく血もでない。へええっ、と驚いた風に瞳丸め)

「わかったよ、ありがとね。
――手加減、なくてもいいからね!
それじゃいくよ……?
このコインが落ちたら、どちらかが「まいった」って言うまで勝負!」

(模擬戦1時間なら十分。衝撃にも配慮してくれた彼に感謝告げたら、自分と相手の距離は15mほど。遠慮なくしてほしいとばかり、右手を大きく振って。
曲刀を左手に持って、右手で懐からゴルド硬貨を1枚、親指で弾いて両者の真ん中へと落とした。
地面にそれが触れたとたん、一気に駆け出す遊牧民。距離を詰めながら、左手の得物を素早く右手に持ち帰る。そんなフェイントかけつつ、右手で彼の鳩尾狙って突きを繰り出し)

アシュトン > 「仕事してる時は、じっくり見てるような状況じゃないからね。
…………そういや、仕事自体じゃなくて、アレやコレやな状況になってる記憶の方が多いのは何故だろう」

(同じような事を考えていたらしい。
遺跡で閉じ込められた時とか、迷いの森の一軒とか。あと、魚――正確には亀をおびき出した時とか、諸々)

「むしろ、お手柔らかに頼むよ、って言いたいところだ。
決着は、ま、そうだな。適当な感じでいいか」

(右手一本で剣を構えると、切っ先は相手の胸元へと向けた状態。左手は、好きに動かせるように現状ではフリー。
両足を肩幅程度に開けば、地面の感触を確かめに靴裏で擦る。
深い呼吸を一度、浅い呼吸を二度。整えて見据えると、双眸を僅かに細め
放物線を描くコインを視界の端に、中央に彼女を据える)

「――っ、流石、にッ」

(相手が先手に動き始めた事で、此方はまず迎え撃つ形をとる。
身長差もあってか、突っ込んでくる姿はより素早くと見える。実速度で言えば高い方が有利なのだろうが、感覚的な問題だろう。
トントンと軽く下がって距離を調整しつつ、直前、器用な持ち替えに眉が僅かに動いた)

「ところで、どうする!?勝った方が負けた方を好きに出来る、とかッ!」

(半歩横にズレつつ、突きの軌跡に刃を合わせるようにすれば、迫る切っ先をズラし。
更にそこから一歩、前へと踏み込み。握りこぶし左手を、相手の胸元へと突き出す。
……まぁ、なんというか。お互いの関係を考えると、有って無いような賭けなのだが)

タピオカ > 「あぅぅぅ……。
そっ、……、それは……、なんでだろう……うーん……。」

(亀さんの1件も記憶の引き出しから明らかにされて。王都の路地裏のことから奴隷都市で助けてもらったこと、ギルドの依頼で紳士的な趣味を持った貴族の前で睦み合った一夜などなど思い出しつつ。しゅぅぅぅ……。卵焼きが焦げたよな音が遊牧民の頭から聞こえるよな。そんな様子で顔が赤くなった)

「そだね。適当で!」

(お互い構えた時に、流れで適当に決着つけようと頷く。
彼はカトラス二本差しのようだから二刀流で来るかも、なんて思いつつも。
フリーにしている左手がどう仕掛けてくるかが剣を持っていない分、逆に脅威に感じる。――コインが落ちれば、にこやかな遊牧民の表情が猛禽類へと変わった)

「いいよ……っ、じゃあ、そういうルールでっ……!
――んッ……!」

(彼の提案に頷きながらも、最小限の動きで受け流してくる。
彼の大柄ながら滑らかな身体の運びに、へえっ、と感嘆するよに瞬きをする。
間近で迫る握りこぶし。とっさに左手でガードするも、俊敏に動く相手の手首にやや翻弄され気味。勢いをそいだものの、手応え十分。打たれた胸元の痛みに息を引き詰める)

「やあっ……!」

(覇気を鋭く鳴らしながら、一歩分後ろに下がった。下がりつつも受け流された剣先を空中で折り返し。自分から見て右上から左下へ、彼の肩口から胴へと切り裂こうと振るう)

アシュトン > 「…………まぁ、いいか。って、随分な顔色になってるな」

(改めて思案をしていたの、だけれども。此方がちょいとばかり考えている間に、彼女の顔は相当なまっかっか。
色々と、生々しく思い出してしまっているのだろうか。と。思えば、唇が弧を描いていた)

「おやおや、そんな安請け合いしちゃって、いいのかな、っと!!
そりゃもう、一晩かけてぬるぐちょに……何時も通りだったわ」

(謎の心理戦を展開。そして大差ない事に気づく失策である。
カトラス自体が取り回しの良い武器であり、二刀流も前提とした装備ではあるのだが。
両方持てばそれはソレで影響も出るので、ひとまずは様子見として。
突きだした拳に、衝撃。手ごたえは有り、だが。回避から放った一撃では、威力的にはイマイチか
姿勢を制御しつつ、放った拳を引き抜く――間。剣を戻すのが一拍と遅れる)

「ぐっ……っつぅ!」

(ダメージからの回復よりも、切り替えしからの攻撃を優先した一撃が、一歩と早かったようだ。
上半身を後ろに逸らして深く入るのを避けるものの、肩口から走った衝撃に、顔色が分かりやすく歪んで。
崩れかける姿勢を、下げた左足で踏みしめ支えたまま。左手がコートの端を掴むと、振り抜き、翻し。
視界を一瞬遮るようにしながら、その陰より、カトラスによる突きが奔る。
奇襲を重点した分、狙いは甘い。胴体から、脇腹、その辺り。此方からも視認し辛い状況だ、仕方がない。
やや速度も落ちるものの、コートの影から差し込むように、切っ先が迫る)

タピオカ > 「負けるつもりないもの……!
ぬっ、……ぬるぐちょ……。なっ、……何言って……っ!」

(にぃぃっ、と白い八重歯を尖らせた豹の顔つきになって。安請け合いはしていないとばかりに彼を睨んだ。……そんなフラグを立てながらも、妙に艶めかしい彼の台詞にぐらつく体勢が相手の拳が胸を打つのを許してしまったらしい。悔しげに片目を細めては、そのダメージに耐え忍び)

「……今っ……!
あはっ、そんな顔のアシュトン、初めて……!」

(痛む胸元を無理矢理抑えつけるよな表情で振るった斬りは、甘い入り方とはいえはっきりと彼の広い肩を捉えた感触を手元に伝える。歪む表情に低く笑い声をたてるとどこか満足げな様子。しかし、次の手に備えて曲刀を引っ込めようとした手が少しの間、迷いをみせる)

「くっ……、見えないっ……!
ふぁっ!……ァっ……」

(翻ったコートで視界が占められる。空いている左手でその布地を払いのけようともがいて、右手は次の攻撃が読めないまま力が緩みがち。狼狽する青緑の瞳が揺れているうちに、その影から不意に飛び出してくるカトラスに驚いて上がった高い声音。
狙いもスピードも乗っていない一撃でも、ほぼ無防備なままに身に受けた。
ぐっとカトラスの切っ先が遊牧民の身体、脇腹に沈む感触。
ついで、細い悲鳴あげてびくりと双肩が上がった。見開いた瞳で口を開けば、脇腹へと食らった、張り詰めた痛みに呻き声)

「まだ終わって……ないっ……!」

(魔法で緩められていても、相当なダメージの模様。数歩、後ろへとたたら踏む。声音に余裕が失われつつも、必死に身体の力を振り絞る。左手に持ち替えた曲刀。振りかぶって左から斬りつけ……るフリをしてそのまま相手の目前で素振り。一回転分の勢いをつけてもう一回転。踊り子のように身を翻して、最後はやや飛び上がり、左のつま先蹴りで彼の頭、こめかみを狙う大技を仕掛け。薄布のスカートを浮かび上がらせながら、先のダメージと、大ぶり故に狙いはブレ気味。)

アシュトン > 「タピオカが新しい何かに目覚めそうになっている、ような気がするっ
つ、てて……そんなに打たれ強くはないんでね」

(鎮痛の術式は……レギュレーション違反なので、やめておこう。
先の保護術もあって骨が折れるような事はないが、芯に残るような痛みが残る。
浅い数度の呼吸で痛みを意識の裏側へと留めつつ、摺り足が彼我の間合いを調節する)

「剣士相手に、盗賊が真正面から相手するんだ。
コレぐらいは、やらせてもらうさ」

(翻るコートの向こう側、顔があらわにとなれば口の端が僅かに上がる。
踏みこんだり大きく動いたりはしていない分、どうしても威力は乗りづらい。肩に受けた直後ならなおさら。
しかし不意に入れば、意識外からやってきたダメージとなり、効果としては十分な筈だ。
むき身の刃であれば半ば勝負も決まるが……それについては、お互い様か。
コートを引き寄せるようにして互いの視線を確保すれば、左手が右腰の柄に触れて握る。
そのまま『押し込む』動作をすれば、カチリと微かに金具の音が)

「この辺りで、諦めちゃ、どうだっ!!」

(フェイントの斬りつけ――コレは視えている。無駄な回避をせずに、一歩、二歩。
舞うような振り抜きを寸に避け、射ぬくような視線は相手の姿を見据えたままに。
相手が飛び上がった瞬間、地面を踏みしめる両足に力が籠り。
右手の剣を意識させるように翳したまま、左手が腰よりカトラスを引き始める、のは少し遅いように思えるが。
鞘に仕込まれた強力なバネ仕掛けが解放されると、鍔を一気に押し出し。
瞬間的に加速した切っ先が、カウンター気味に相手を狙――)

「ぐっふぅ!?」

(狙ったのはいいのだが、大ぶりにブレ気味な大技だったのが、逆に良かったとでもいうか。
狙い澄ました一撃は逆に狙い過ぎ、蹴り足を叩き落とそうとしたところ。通り過ぎていったのは刃よりやや上の位置。
切っ先はスカートを軽く引っ掛ける程度に振り抜かれ、そして、脳天直撃である。
武器は衝撃緩和していたものの、体術はそのままである。コレは痛い。
頭の中にカツーンと響き渡る衝撃に両目を見開けば、後ろによろめき。
ぐらりと、お尻から地面に堕ちる。一瞬の気が抜けた表情、の後に)

「――ッ!」

(頭を手で抑えて悶絶しております。
気を失わなかっただけ、まだマシか。いや一瞬失っていたが、割と早く戻ってきたらしい)

タピオカ > 「ううっ……、反応できなかった……っ……!」

(カトラスや手や足を使う事を予想していても、身につけているコートをも自分に味方させるとは思っていなくて。彼のトリックスターっぷりに悔しげに唇を引き結んで。無意識的に空いているほうの手を握りしめていた。悔しさ半分、痛撃に耐えるのに半分。これがもし術式無しでの真剣勝負であったら、と思えば身体が鈍く痛む思いだった。カチリと鳴った金具の音に、さっと顔色を改める。警戒するように。)

「……なっ……!?」

(妙に、カトラスを左手で引き出すのが遅いとは考えていた。その意味に
蹴りの途中で気づいても、予備動作込みで勢いづいていた蹴りの勢いは止められない。バネ仕掛けで飛び出した切っ先がスカートの裾を切り、横髪を切り、宙に浮くのを大きく丸められた青緑の瞳で見送り。自分のつま先が彼のこめかみをはっきりと捉えた感触に気づくのがしばらく遅れる。)

「っ……あははっ……。だいじょうぶ、アシュトン?
さっきの仕掛けには驚いたけど、運は僕に味方してくれたみたいかな。
まいった、ってまだ聞いてないけど――、これで最後……っ!」

(会心の当たりらしく、尻餅ついて頭を手で抑える彼。
それなりの手加減はしているから、致命傷にはならない。
けれど、悶絶する様子にはもう自分が勝利を手にしたと早合点している。
軽い笑い声をたてて相手へゆっくり近づくと、上段に両手で構えた曲刀。
すっかり油断している様子もよくわかるほど、脇を晒すほどに上げたその切っ先を相手の首筋へと落とそうとする)

アシュトン > 「いっっっっ、たぁ……めんたま飛び出るかと思った……頭ぐらんぐらんするわッ
ちょい、ちょいたんま。かんがえがー、ことばがー、まとまらんー!」

(座り込んだ状態で。剣は一応持ったままだが、余り役に立ちそうな格好ではない。
頭を抱えたまま、身体を前後に揺らすのは痛みを逃がそうとしているのだろうか。
脳みそが揺れたせいで、吐き気も若干。うぇっぷ。その内落ち着くだろうが。
肩を上下に揺らして、深い呼吸を繰り返し。どうにかこうにかと意識を保っているご様子)

「あ゛ー……っ、はぁ。そうだな、この状態だ。
運も実力の内って奴さ。まいっ――……」

(眉根を深々と寄せた苦々しい表情で。
堂々と振り上げられる刃を見上げたまま、言葉を口にしてゆく、の、だ、が)

「――……仕留めるまで油断してんじゃねぇ!!」

(最後の力を振り絞り、やや前屈みになってから、全身のバネを使って飛び上がって。
斬り付けるとか殴るとか、そういうのではなく。まさしく、やられる直前の人間が、最後の力を振り絞るように。
あるいは、窮鼠猫を噛む、的な。
身体ごと思いっきり突っ込んで、そのまま地面へと押し倒すようなタックルをぶちかましに行く)