2018/04/23 のログ
ご案内:「タナール砦前哨基地」にノーガルトさんが現れました。
■ノーガルト > 『………で、あるからして、貴殿らの存在というものは――――』
(ノーガルトは思う、毎度のことながら上に立つものは、どうしてこうおべんちゃらを使いたがるのか。
御大層なことを並べているが、結局は冒険者たちにとある一言を言っているに過ぎない。
それを右の耳から入れて、左の耳に流しながら、ノーガルトは思う。
さっさと終わらせてくれ、剣が重いんだと。
普段は2本までの剣で済ませているが、今回は半分ほどの遠征に出ている。
期限は短いものの、常に戦いに身を置くことになる。
ならば、準備はしすぎるに越したことはない。
ダイン、ディン、ハバキリ、シューラ、そしてフィング。
すべての魔剣を背負っている黒い外套の男は、いまだ続く高官らしい初老の男の”おべんちゃら”に耳を傾けていた。)
『ねえ、ガルちゃん。まだ終わらないの?あたし、そろそろ飽きてきちゃった。』
「…ああ言うのは話し出すと長いんだ、もう少し付き合ってやってくれ。あと、何度も言ったがガルちゃんというのはやめろ。」
(シューラの言葉に、ノーガルトは肩をすくめていた。
魔剣の中の紅一点であるシューラの呼び名に眉を顰めつつも、早く終わってほしいというのは同意見だった。
いい加減、眠くなってきた。)
■ノーガルト > 『ええ、いいじゃないガルちゃん。可愛い言い方だし、愛しの我が子にも呼んでもらったら?』
「遠慮する、父親の威厳もくそもなくなりそうだ…。」
(というか、少し黙ってくれとシューラに語り掛けてから、ノーガルトは腕を組む。
いまだに続いている高官の着飾った言葉を左耳に流しながら、考えた。
確かにここのところの魔族との小競り合いは頻発している、との話は耳にしていた。
だが、だからといってここまで大勢の冒険者、しかも討伐を主に扱っている顔ぶれを集める必要はあったのか。
マグメールにも王国騎士団が数多くいる、その中でも魔族討伐に重きを置いている騎士団の一つ。
その舞台が形骸化しているという話は、どうやら本当だったらしい。)
『……でなければ、魔族との戦に貴様らを借り出す理由がない。』
「………同感だ。」
(ダインの、最後の締めくくりの言葉にうなずく。
だが、決して情勢は悪いとは思っていない。
事実、向こうでにらみ合っている魔族に動きはない。
だが、だからといってノーガルトは依頼以上のことをするつもりはなかった。
1週間ほど前に舞い込んできたのは、あくまで防衛であって攻勢ではない。
それに期限もある、それ以上の金を積まれても、ノーガルトはそれ以上働くつもりはなかった。)
「………世のため人のため町のため、なんて柄じゃないんだよなぁ…。」
■ノーガルト > 『きっひっひ…いいじゃないかぁ、魔族だろうとなんだろうと、切り刻めるならよぉ…。オレ様は、大歓迎、だぜ?』
「……なら、その時は存分に働いてもらうぞ。」
(―――相変わらず、フィングは愉しそうだった。
いつだったか、初めてこの剣を使った時に、その能力の使い勝手には驚かされた。
後々のことはともかく、確かに5本の魔剣の中で最も強い、というのもうなづける。
だが、その性格や剣としての使いにくさは半端ではない。
他の剣は素直なだけに、この剣だけはどう鍛錬したものか本当に考えさせられる。
能力以外で、あまり頼りにはしたくはないというのが本音だった。)
『――――では、諸君らの働きに、大いに期待する!』
(そして、ようやくあの長ったらしい演説が終わった。
着飾ったセリフに、どうやら冒険者一同あまりいい気持ちはしていなかったようだ。
ノーガルトもまたその中の一人、ずっと立ちっぱなしで固まってしまった背筋を伸ばしながら。
割り当てられている、簡易的な宿舎へと向かっていく。
最前線、というわけでもはないので何とか休める場所はあるようだ。)
『お疲れ様です、ノーガルトさん。明日から3日間緊張しっぱなしになりますね。』
「なに、今に始まったことじゃないさ。」
(ハバキリの気遣いに、笑みを浮かべる。
この剣だけは、本当に紳士的で助かっている。
だが、明日からというわず、すでに気を抜くことはできないだろう。
今でこそこのように静かだが、いつ魔族が攻めて来るとも限らない。
三日間だけだが、どうやら久しぶりに安心して眠ることができなさそうだ。)
■ノーガルト > 「さてと…それじゃまずは英気を養いに行くか。」
『おっ、飯か?』
(ディンの言葉に軽くうなずく。
とはいえ、まさか魔剣すべてを持って飯に行けるわけもない。
さっきも言ったが、さすがに5本すべてを常時背負っているともなると、重いのだ。
鍛錬にはいいかもしれないが、あいにくここでは鍛錬をしている暇などありはしない。
いつ、どのような状態で魔族が攻めてくるのか。
その時のためにも、武器は携帯しつつも必要最低限ということになるだろう。)
『それで……ノル。お前の方針は?』
(もっとも付き合いの長い、ダインがひと声をかける。
いつの時でも、討伐や長期防衛に立つときは、決まって彼がそう聞いてくる。
ノーガルトはどう動くのか。
そして、ノーガルトの言葉も、いつもきまっていた。)
「……生き残るために動く、それが方針だ。」
ご案内:「タナール砦前哨基地」からノーガルトさんが去りました。