2018/01/29 のログ
ゼナ > 「――――え……っ!? ぃ、いや、そんな……え、ぇうぅ……っ。」

ゼナのモラルはそんな恥ずかしいことしませんっ! と力強く否定したがっているのだけれど、彼には、戦場であんな物―――今日もしっかり咥えこんでいる―――を、絶頂姿と共に見られているのだ。
そんな変態娘ならば、給仕の最中であろうともヤッてしまうのだろう? とか言われても仕方なく、結果、頬の赤みを強めたゼナは恨みがましげな涙目で彼を睨んで批難する事しか出来ない。
が、そんな意地の悪い言葉責めをしているにしては、彼の顔はいつも通りの真面目な表情であり、そこに微妙な違和感を覚えたりもする。
二人の認識のズレが産む、悲しい勘違いである。

「―――はわ…っ!?」

なんとなく、対面の席に座るのだろうなぁ…と考えていたゼナなので、鍛え上げられた異性の体躯がすぐ隣に腰掛けた事にビクリとする。
荒くれ者に混じって冒険を続ける若き女戦士なれど、王都に来るまでは過保護なまでに"そうした状況"から守られてきた生娘は、異性との近しい距離には未だ緊張を覚えてしまうのだ。
豊乳の内側をドキドキさせつつも、出来るだけなんでも無い風を装って、ちびりちびりとシードルに唇を付ける。

「――――っぶ!? ……っけへっ、けっへっ、こほっ、けほッ!」

そして『最後のアレ』という言葉にむせた。
口に含んだシードルが少量であったためにブーッと吹き出すような粗相はせずに済んだ物の、盛大にむせ返る様子には目立たぬ場所にある席とは言え周囲からの注目が集まってしまう。

「あ、あぁぁああああ、あの、あの事については他言無用ですからねっ! ぜ、絶対絶対内緒にしてくださいねっ!?」

集まる視線に再び顔を炎熱させつつ、ゼナは彼の耳元に唇を寄せた小声で強く言う。
寄せた唇からの強めの囁きが彼の耳朶を淫靡に擽り、肉付きの良い体躯の中でも特に突出した双乳が、彼の二の腕にふにゅんっと押し付けられてアルコールに火照った柔らかな体温を伝えるも、そこに意識は向いていない。

ノウブル > ―――……女としては、確かに余り主張したい事ではないか。
だが、其れが御前の技能で在るなら、自信を持てば良い。 ……其の強さはな。

(――此処で、若しかしたら漸くすれ違いが解消されるかも知れない。
彼女の性癖を如何こう言っているのではなく、あくまで、其の強さについて述べているのだ…と。
其れでももし勘違いが継続するならば、多分其れこそ残念な話で。

……ある意味で、羞恥心と言った物に乏しいが故に、隣へ腰掛けることに何の疑念も無く。
己の行動が相手を更に緊張させているとは知らぬ儘に、肉を齧る。
あくまで、あくまで相談のていで、当人にとっては真面目な響きで。
いつぞやの事を引き合いに出せば、噴出す娘の方へと視線を向けて。)

…………言わん、言って如何する…。
心配なら抜いて置けば良いだろう、何かの理由で其れをしないのなら仕方ないが…。
……呪具では無いのだな?

(所謂、装着すると外せなくなるような装備群の事。
此方へと体寄せる相手に対して、逃げる素振りは見せないが
――代わりに、鍛え上げられた二の腕の堅さを、其の乳房へと伝える形と為るかも知れない
ゆっくりと、片腕を擡げれば、ぺろりと油のついた指を舐め取り
其れから、濡らした布巾で指を拭いてから、そっと、娘の其の頭上に掌を、ぽむり、と、乗せようとする、か)。

ゼナ > 「―――ぎ、ぎぎぎぎ技能っ!? ……、つ、つよ、さ………?」

技能という所までは『性技』という意味なのだろうと勘違いも続くが、『強さ』とまで言われれば、流石に違和感も大きくなって生娘の表情を困惑させた。
その顔が右に左に小首をかしげ、ハッと目を見開いたかと思えば、かぁぁ…っと再び頬を赤くし

「……そ、そぉ、ですよね、ぇと……あ、ありがとう、ございます……。」

何かを誤魔化すような曖昧な笑みと共にお礼の言葉を紡ぎ、ようやく勘違いが修正された話を終わらせた。
もしかしたらこの人は、仏頂面のまま淡々と女の子を甚振るのが趣味の変態さんなのでは……などという失礼な認識を固めつつあったゼナは、己の勘違いに赤らめた頬をアルコールの火照りなのだとでも言うようにジョッキを傾け、続く言葉に噴き出しそうになるのである。
幸いにして彼はどこまでも紳士的であり、ゼナの恥ずかしいあれこれを穿って来たりはしないのだけど、淡々とした実直な言葉には別種の羞恥を喚起させられ

「――――じゅ、呪具とかではないですけど……い、一応、事情があるんですぅ…っ。」

その事情とて他者には話せぬ淫猥な物なので、ゼナは中途半端に言葉を濁らせる事しか出来ない。
そんなままならない状況に、困った様に眉尻を垂れさせ、ぽってりとした唇を拗ねたように尖らせる生娘は、不意打ちじみて頭部に置かれた手の平にびくりとしながら彼を見上げた。
冒険者などという荒れた仕事を主の生業としつつも、生娘の金髪はサラリとした直毛の清潔な艶やかさを彼に感じさせる事だろう。

ノウブル > (――ゆらり、掌が娘の髪糸を撫ぜる。 笑いもしない、さもすれば仏頂面とも
或いは鉄面皮とも言われかねない様な淡々とした表情で、けれど其の指先は優しく。
余り痛みの無い、短く揃う金髪を指で梳いては、困惑めいて見上げる娘の視線に、また、ゆっくりと掌を離して。)

……なら、何も言わん。 其の事情とやらに俺が口を出した所で仕方ない。
だが…、……もし、其れが困っているのなら、助けを求めれば良い、俺で無くても、誰か信頼出来る者にでもな。
御前を心配する者は多く居るだろう、なら、例え其れがどんな理由や事情でも、助けてくれる筈だ。

(――余り、普段は此処まで口数の多い方では無い。
けれど、己に対しては余り語れぬ事情を多く抱えている様子に、少しだけ考えては
勇気を出して、或いは誰かを信頼して、頼ってみればいい、なんて御節介を伝えよう。

暫く待てば、先刻頼んだ料理が運ばれてくる。
其処まで量の多い食事量ではないから、娘の皿に比べれば控えめだろうが
食うか、と、先刻摘んだ料理の代わりとばかり、ローストビーフの皿を示せば
そっと、一枚、己の口へと運んで。)

嗚呼、だが、其れと。
―――「今の」俺は良いが、御前は少々無防備が過ぎる。
意識しないと…俺にすら、喰われるぞ?

(――まるで、付け足すようにそんな事を呟いては。
この期に及んで、と言うか、他に言う事が多くて言えなかった指摘を
今この際だからと伝えてしまおう、か。 ――視線は言外に娘の乳房を堂々と見下ろして
それから、其の瞳を余りにも真っ直ぐに見詰める、か。

――指摘だけではない、言葉だけでは無い。
無愛想で温厚なこの男もまた、雄である事に違いは無いのだと
其れだけは、意識させる、様に)。

ゼナ > 相変わらずの何を考えているのか判然としない無表情。
それでも金の短髪を撫でる手つきは己が子を愛でるかに優しげな物であり、ゼナは遠い日に同じように髪を撫でてくれた父親を感じ、寂寥を伴う思い出にしばしの間瞳を閉ざす。
離れていく手の平に、こちらもまた落としていた金の睫毛を持ち上げて

「―――はい、ありがとうございます。」

ゼナが彼の事を知らぬように、彼とてゼナの事を知らぬはず。
それでも彼の言葉が、ただただ適当な事を言っているわけではないのだと感じるのは、愛想のない、しかしどこまでも生真面目な無表情のせいかも知れない。
あまり口の立つ性質ではなく、嘘や誤魔化しも苦手なゼナなので、誰かに相談するにせよスマートに聞きたいことだけを聞くなんて真似は出来ないだろう。
それでも、どうしても己だけで答えを出せぬ時は、彼の言うとおり思い切って相談してみよう。
そう決めてしまえば、鬱々と沈んでいた気持ちもいくらか軽くなった。
それに対する改めての礼を、差し出されたお肉に対する礼と共に口にして、思い出したかの様に付け足された忠告を耳にすれば

「――――はうっ!? き、きき気を付けます……。」

改めて意識すれば、感情の篭もらぬ彼の視線が己の乳肉を見つめている事が酷く気になり、その相貌が矛先をずらして伏せた蒼目を貫く様に見据えるなら、真っ赤に染めた顔を金の前髪で隠すように俯いてしまう。
とはいえ、言われた直後こそ意識はしても、そうした事柄に対する警戒心の薄い娘である。
数日後には再び意図せぬ無防備を晒し、その結果、恥ずかしい目にあうのだろう。
それとて、娘の血に色濃く交じる淫魔の系譜に依るものなのかも知れぬ物の、それは当の本人すら気付いてはいないのだ。
そして、ハムの様に咥えたローストビーフをもそもそと食み動く唇で少しづつ口腔へと呑んでいた生娘は

「――――っ! これ、おいしいですねっ! 給仕さん、給仕さん、これ、もう一皿お願いしますっ!」

異性に対する緊張感を食欲を前にあっさりと手放し、通りかかった給仕娘に追加注文を飛ばしては薄切り肉に再び手を伸ばすのだ。
そして、彼と出会う前からあれだけ食べていたにも関わらず、更に数皿注文した健啖家はジョッキの中身も見事に空にした赤ら顔にて

「きょおはぁ、そーだんにのっていたらいてどーもれすっ! ぜなはぁ……、のーぶるしゃんのじょげんにしたがってぇ、ちゃぁんとかいけつしますのれ、こうごきたいれすっ! ―――ではっ!」

その夜の払いを彼の分も含めて支払って、真っ赤に火照った赤ら顔は、てろんてろんの呂律と共にぐにゃぐにゃの敬礼を決めて帰路につく。
ふらふらと危なっかしい後ろ姿は、彼が危惧した無防備そのもの。
それでも、思い悩んでいた憂いのいくらかが解消された足取りは、どこか軽やかにも見える事だろう―――。

ノウブル > (――真面目かと言われれば、或いは、この世界で生きていくには堅過ぎるのやも知れぬ。
きっと、今宵の饒舌さも、今宵が特別だっただけの事
ただ、其の特別さが娘の何かを、僅かでも和らげ、軽くする事が出来たなら
きっと、少しは、こんな男が役に立てたという事だろう。

短い、けれどはっきりとsた感謝の言葉に緩く首を横に振れば
きっと、その後娘が己が忠告と言葉を如何生かすかは任せて。)

――――……まだ食べるのか…、……いや、待てよ…。

(やはり、何かおかしい。
先ほどアレだけ平らげていたというのに、更に食べるという娘に
思わず呆れた様な瞳を向けて、それから、何やら無表情の奥で考え込んだ。
――けれど其れも、其の内に娘の快活さへと圧されて
一緒に為って、素直に食事を楽しむ事と為るのだろう。
此方は酒を一切飲まないが、隣で勢いよくエールを平らげてゆく娘を
きっと後半は若干心配しつつに。)

……期待出来ないぞ…、……、……おい、待て、待て…!

(多分、己が引き止める声とか聞こえていない気もする。
会計を己の分まで含めて払ってしまった娘の勢いを止められず、思わず小さく溜息。
お簿9つか無い足元ながら、何処かへと帰ろうとする姿を、初めは見送っていた物の
途中で、矢張り心配に為ったのか、背後から見守る用について行き。

きっと、途中多少の問題が起こっても、代わりに対処する事だろう。
ともあれ、目を放した隙に見失う、何て事が無ければ
最後まで後ろから見送る筈で――)。

ご案内:「平民地区の大きな酒場」からゼナさんが去りました。
ご案内:「平民地区の大きな酒場」からノウブルさんが去りました。