2018/01/28 のログ
ご案内:「平民地区の大きな酒場」にゼナさんが現れました。
ゼナ > 雪のチラつく王都の夜、平民地区の中ほどに存在するその酒場は、広々とした店内に大勢の客を抱え、陽気な笑い声や調子外れの歌声をあちこちで響かせていた。
肉体労働者や職人達、駆け出しの商人などを主の客層としながらも、量も多くて味も悪くない料理が人気なこの酒場は、子供連れが訪れる事もあって比較的落ち着いた雰囲気を持っている。

そんな酒場であるからこそ、店内片隅、2階の宿部屋へと登る階段に隠れる位置で目立たぬとは言え、ゼナの様な小娘が一人でテーブル席を利用するなんて事も出来るのだ。
他の店――― 一般的な酒場であれば、入店早々酔っぱらいに絡まれて、食事や酒を楽しむどころではないだろうから。
なにせこの娘、輝くような金の髪こそ少年めいて短くしている物の、大きな蒼瞳も印象的な愛嬌たっぷりの顔立ちと、酔っぱらいの鼻の下を伸ばして止まぬ肉付きの良い生育過多な体躯の持ち主なのだ。

その上今宵はバイト帰りのエプロンドレス姿である。
大胆に開いた襟ぐりは鎖骨どころかたわわに実った双乳の谷間も露わ。
フリルに飾られた丈の短いスカートからは、ガーターストッキングのレースの純白と、むっちりとした太腿の小麦色とのコントラストが扇情的に覗いている。
粗方を食べ終えて高々と重ねた料理の木皿を前に、シードル入りの大ジョッキを傾けて、色っぽく紅潮した頬を頬杖に乗せる様は、仕事をサボって大胆に飲み食いするウェイトレスといった風情。
実際のところは、店内で働く給仕と、ゼナの仕事着ではデザインが異なるのだけども、酔っぱらいから見れば大差あるまい。

ご案内:「平民地区の大きな酒場」にノウブルさんが現れました。
ノウブル > (現在、王都周辺が主な活動範囲とは言え。
元々は野宿や野営等が主な生活だった己にとって、街中で食事をするというのは寧ろ少ない方だ。
ただ今宵に限っては、食糧事情と狩りに費やせる時間の乏しさを鑑みて
素直に酒場へと脚を踏み入れた、と言う所――其の中でも、比較的落ち着いた場所に。
一人での来店故に、始めはカウンター席へと通されたのだが、ふと、つい染み付いた癖の様な物で
周囲を一度くるりと見渡せば――其の視界の端に、ふと、何か違和感の在る者を見留めて。)

―――――……給仕…?

(―――ちょっと、見慣れぬ姿の。
いや、と言うよりは、見覚えの在る顔が、少々不可思議な衣装で隅のテーブルに座っている。
何処か怪訝な表情浮かべたならば、案内と共にテーブルに置かれた水の器を片手に取りつつ
ゆっくりと、人の邪魔に為らぬ様に通路を歩いて、其の目立たない位置の在るテーブルへと進んで行き。)

…………本職は給仕なのか?

(まるで、積年の疑問を晴らそうとするかの様な声音で、そんな声をかけようか。
相変わらず、給仕の衣装とは言えど、肌色の多い見目では在るにしても
――戦場で始めてみた時のアノ姿からは、少々所か大分離れた印象に、割と、真剣に)。

ゼナ > 「―――はぅ……なんて切り出せばいいんだろ……。」

りんご酒の香りも色濃い溜息が、物憂げに金の睫毛を伏せた赤面から漏れる。
眼前に高々と積み上げられるソースの残滓だけが残る料理皿の山こそ、人並み外れた健啖家である女冒険者にとっては日常の光景なれど、普段は嗜むことのない酒を手にしているのはここ最近の悩みが理由である。
現在お世話になっているエルフ娘の懐から去り、代わりに親友であり、今後は恋人という立場になるであろう友人の元へと旅立つという決意。
それを、今の飼い主様に、そして己の家族である妹弟にどうやって伝えるか。
そこに思い悩んでいるのである。

そんな折、酒場の喧騒に混ざって低く落ち着いた、それでいて妙に通りの良い声音を掛けられれば、純白フリルに飾られたエプロンドレスの肩がぴくんっと跳ねる。
頬杖から持ち上げた小顔が金の睫毛を数度瞬かせ、筋肉質な体躯を狩人めいた着衣で包んだ青年の姿を見つめ――――かぁぁぁ……っと酒精に赤らむ頬を、更に色濃く朱に染めた。
忘れていいと言われたけれど、当然ながら忘れる事など出来なかった戦場での出会いと恥ずかしい出来事。
思わずきゅんっと収縮する下腹に感じるのは、今日もきっちりくわえ込んだ淫数珠の感触。
幸いにして短く平坦な楕円形のうさぎ尻尾は丈の短いエプロンスカートでも十分に隠せる物なので、彼の視線に晒されてはいないだろうが、それでもやはり強く意識してしまう。

「ち、違いますっ、本職は冒険者ですっ! こ、これは、暇な時の副職の一つで……て、えっと……ぉ、お久しぶりです……ノウブルさん。」

トマトの様に赤らめた顔が、そわそわと蒼瞳を泳がせながら彼の問に答えを返し、気恥ずかしげな上目遣いが再会の挨拶を零した。
そんな二人の傍らに、本物の給仕がやってきて、『本当に一人でこれだけ食べられるのかしら…』と心配しつつ配膳した料理の皿のほとんど全てが空となって積み上げられている様子にぎょっとしつつも、青年からの注文を待つ。
体よくそれを聞いたなら、気合を入れて空となった木皿の山を持ち上げて、本職のウェイトレスは注文を伝えに厨房へと戻るだろう。

ノウブル > ……そうか…いや、給仕の中にも色々居ると聞く。 或いは其の類なのかと、な。
久し振りか、随分と経つな。 ……ゼナ、だったか。

(其の名を忘れていなければ、紡いだ響きで在っていた筈、だが。
所謂メイドやら給仕やらの中には、家事技能以外の戦闘をもこなす類が居るという
要するに、主人の護衛も兼ねている、そう言う類の職業なのだろうかと、脳裏で勝手に補完し掛けていたのだが。
そうではなく副業だと告げられれば、なるほど、と納得した様に頷いた。
――そして、其処から大分遅れて、テーブルに詰まれた皿の量に思い当たる。
まさか、女が一人で食べ尽くしたとは思えない其の量に、思わず感心すら覚えながら見やっては
本物の給仕が伺ってくる注文に、肉料理とパンを伝えて、其の皿が下げられて行くのを見送り。)

……いや、思わず気に為っただけだ。 もし食事の邪魔をしたなら下がるが…。
……、……何処か、晴れない表情だな。

(まだ、着席はしないまま。 相手の顔を見下ろしながら、一言。
己からの用事何て、先刻の質問以外には特に無く、けれど此方を見上げる其の顔に
何処か、何かを迷い悩む様な、そんな気配を感じたなら。
器の水を口に運び、喉を潤しながら、もうひとつ、気に為った事を問うかに声を掛け。)

ゼナ > 「ん……と、そ、そうですね、色々といらっしゃいますよね。で、でもわたしは単なる副職給仕ですのでっ。そういったサービスは受け付けていませんのでっ!」

大人しそうな顔をして淫らな情報をせっせと集めてしまう耳年増は、彼の言う『色々と居る給仕』というのを、エッチなサービスをする酒場娘の事を言っているのだろうなんて勘違いして赤く染まった顔をぶんぶんと振った。
否定の勢いが強すぎる事には違和感を覚えるだろうが、多少のすれ違いを残しつつも微妙に成立する二人の会話。

給仕が持ち去った空の料理皿の中、テーブルに唯一残されているのは、緑菜の敷かれた大皿に恐らくは山と積まれていたであろう骨付き鶏肉の揚げ物が数本。
微塵切りにした野菜の漬物とゆで卵を酸味のある白ソースに絡めた物が、皿の端に乗っていて、揚げ鶏にそれを付けて食べるととてもおいしいのだ。
『食事の邪魔をしてしまったのなら…』と、蛮人めいた服装とは裏腹に繊細な気遣いを見せる彼に対して給仕服姿の生娘は

「―――ぇ、と……よ、よかったらどーぞっ!」

己の手元に置かれていた料理皿を、ずいっとテーブル中央に押し出す事で、彼の同席を受け入れる。
妙な気恥ずかしさを誤魔化す様に、シードルのジョッキを傾けてちびりと飲みつつ聞いた彼の言葉に、再びピクッと肩を震わせ

「………………………。」

どうした物かと思い悩む様に、ぽってりとした唇を噤んだ。
現在、ゼナを思い悩ませている出来事は、色々と恥ずかしい内容を含んでいるので知人には相談しづらい内容である。
元より、気軽に悩みを相談出来る相手自体が、王都に来てまだ間もないゼナには少ないという事もあって、こんな風にお酒を飲みつつ、一人でちまちま考えるという状況に陥っていたのだ。
そうした悩みは時として、半ば行きずりとも言える相手にであれば逆に相談し易いなんて事もあるけれど………そんな風に思いながらちらりと見上げる精悍な顔。

―――――ぶんぶんぷるぷるっ。
ボフッと爆発するかの様に赤みを増した顔が、激しい首振りと共に彼への相談を諦めた。
同性のお姉様にペットとして飼われている現状やら、同性の親友のハーレムに入ろうなんて決意やら、とてもではないが話せる内容ではない。

ノウブル > ……サービス? ……嗚呼、成る程。 だが給仕の最中にそう言った状況と為ったなら、出来てしまうだろう。

(何せ、アレだけの実力と戦闘力、度胸を兼ね備えているのだから。
勿論こちらは、純粋に戦闘技能についての話しをしているのだけれど、相手の反応を
「給仕と戦闘は別」と言う相手なりの分け方だと勝手に納得して――何故か成立する会話は続く。

テーブルの上に残った唯一残った食べかけの肉料理を、どうぞ、と差し出されたなら。
一寸瞳を瞬かせ、それから、逡巡した後に、隣の椅子を引いて腰を下ろそう。
実際、己の服装は上品さとは懸け離れた物だ。 労働者階級が訪れるような場所で無ければ
恐らくはもっと周囲から浮いて見られる事だろう、冒険者だと、簡単に理解されるにしてもだ。
ならば、この隅っこの目立たぬ席は、カウンターよりも寧ろ都合が良い。)

…………………余り相談出来ない話か。 ……男女の話か、色恋の話ならば、確かに難しいかも知れないが。
……其れとも、この間の最後のアレの事か。

(――差し出された肉を一本、摘み上げて齧りながら。
隣で沈黙して暫し、なにやら百面相を繰り広げた挙句、顔を真っ赤にして首を振る様子に、思う所幾つか。
悩み、と言う部分に関して、年頃の娘である事を加味したり、其の反応から推測したりしながら
何と無く、言葉にされない其の内容を、当てに掛かって見たりとか。
ついでに、もうひとつ――何時かの戦場で、川の傍で、彼女が脱兎する原因と為っただろう「モノ」を
こう、公共の場で周囲には判らぬ様ぼかした物言いで告げたなら
当人としては、割と困っているのではと言う真面目な切り口だったのだが
はて、相手の反応は、如何に)。