2017/06/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 衛兵詰め所」にジェイコブさんが現れました。
ジェイコブ > 夜も更けた頃、活気にあふれる平民地区に、衛兵たちが訓練などにも使える詰め所に大男はいた。
普段なら大勢いる衛兵も、強化された王城の警備に人手を持っていかれて閑散としていて、
受付に「御用の方はお呼びください」と書かれた札とベルが置かれている。

「これも随分摩耗しているな…これも、これもか…」

詰め所に置かれている武具の手入れをしながら、そう眉を顰めながら呟く。
魔族や隣国の戦争に向かう兵へ優先的に装備が供給されることもあり、単なる一介の詰め所の武具は、
何度も研ぎ直され鋳治されて摩耗しており、本来武器として使うには危ういレベルになっている。
それにもかかわらず、これが衛兵用の装備の棚に平然と並んでいるのだから恐ろしい。
当然武具鍛冶の心得などないため、応急修理ならともかく、これらを直すことも新たに作ることもできない。
兜を外した頭を少し乱暴に掻きながら、帳簿にペンを走らせて報告書を書いていく。
これも通るかわかったものではないが、だからといって手を抜くわけにもいかないため、
テーブルに広げた多種多様な武具の見分を続けていく。

ジェイコブ > 元々、書類仕事が苦手なこともあって、膨大な帳簿の記録の処理にはそれなりの時間がかかる。
できることなら変わってもらいたいぐらいだったが、同僚たちもそれぞれに仕事がある。
軽々と丸投げできるような状況でもないため、

「むぅ、これでは有事の際に、役に立たないも同然だな…予算の紙はこっちだったか…?」

自分の武具だけなら、自分で管理しているためさしたる問題ではないが、
この詰め所の備品管理は相当いい加減であったらしく、なんとか衛兵用に揃えられている武具の大半がその品質は損なわれていた。
一応、ここにあるのは予備の武具であるため、直ぐに問題になるわけではない。
とはいえ、放っておくわけにもいかず、リストに記帳しながら、書類の山から武具のための予算書を探そうとする。
勝手知ったる詰め所…というわけではないことが、ここでも能率は下がってしまう。