2016/11/11 のログ
ご案内:「ルミナスの森 城」にテイアさんが現れました。
テイア > 深夜の森の中、オルカモントが一羽駆け抜けていく。
木々の根がはる地面を、木々が覆い茂る狭い獣道を軽やかな足取りで進むのは馬と大きく違うところ。
高台の坂を登りきり、ガラス細工のような城へと至る。

「やはり、遠いな…。」

羽のように軽い動作で、鳥の上から飛び降りると長距離を走り抜いたオルカモントを労わるように撫でて鞍や手綱を外し自由にしてやる。
するとオルカモントは体を回転させるように震わせた後、森の中へと走り去っていくか。
それを見送ると、女は城の中へと足を踏み入れていく。
現在出征しているタナール砦からこの森に戻るには、西側も東側も九頭龍山脈を大きく迂回しなければならない。
普段であれば、出征の任務の間はほぼ領地に戻ることのない女であったが今は状況が違う。

「深夜になってすまないな、今戻った。」

外套を脱ぎながら、出迎えてくれたシルキーに声をかけて、そのままその足が向かうのは城の上層部。
私室へと足を踏み入れると、白い手袋を脱いで柔らかなベッドで眠る幼子たちのもとへと歩み寄っていく。

テイア > 「――………。」

死と隣り合わせの場所で、ささくれだった心が愛子の寝顔を見た瞬間に穏やかになっていく。
ぽよぽよとした柔らかなほっぺに触れると、疲れが一気に癒されていくようだ。

「……ん?」

ふと、机のほうへと視線を向けると白い便箋が折りたたまれて置かれているのに気づいた。
ぱらりとそれを開けば、文字に視線を動かして。
ふっと目を細めると、無意識に唇に柔らかな笑みを浮かべ愛しい者からの手紙の文字に指を滑らせる。
帯剣したままであった剣を一本抜くと、その刀身を月明かりに透かすように掲げる。
透明な刀身は、月明かりを透かすが少し曇っているように感じるのは気のせいではない。
竜の鱗から削り出されたそれが、欠ける、折れるというのは長年使ってきた中で経験したことはない。
けれど、使えば使うだけ、ほかの者を傷つけ命を奪うそれは穢れを溜め込んでいく。
鍛冶屋に研ぎに出すことで、穢れを洗い流し本来の竜の鱗の輝きを取り戻すことができる。

「鍛冶の翁もだいぶ年だからな…。」

他人を傷つけ、命を奪う道具ではあるがそれと同時に自身と自身の大切なものを守るための道具でもある。
戦の際は、この剣に自身の命をあずけているといっても過言ではないだろう。
ならば、せっかく鍛冶を営む夫がいるのだ。彼に自身の命ごと、剣を預けるのもいいだろう。
シャァンと澄んだ音をたてて、剣を鞘へと戻すと新しい便箋を取り出して羽ペンを滑らせていく。

テイア > 便箋へと文字を書き終えると、丁寧に封筒にいれて。
帯剣していた剣を腰のベルトから抜き取ると机に立てかけて,
改めて幼子たちのほうへと歩み寄る。
眠る子たちそれぞれの額に口づけを贈ると、体の汚れを落とすために浴室の方へと向かい。
子供達と一晩過ごしたあとは、また出征先へと戻っていく。

ご案内:「ルミナスの森 城」からテイアさんが去りました。
ご案内:「山小屋」にオーベさんが現れました。
オーベ > 小屋の前に落ちた落ち葉を掃き集めれば落ち葉の山に火を灯す
鬱蒼とした森の中、ポッカリと空いた場所に位置する山小屋であるから幾ら綺麗に掃き清めても
2、3日もすればどこからか枯れ葉は舞い降りてきてそこかしこに散らばるのだけれど
結局は気分の問題である。特別、綺麗好きというわけでもないが手持ち無沙汰になれば掃除くらいはする

「ふぅ…一苦労、一苦労…」

本人が思っているより山小屋の周辺は広い
菜園や井戸、物置の周辺も落ち葉を綺麗に掃いたからすっかり疲れてしまった
落ち葉の山に灯した火が落ち着けば、どっかりと傍に腰を下ろし暖かな焚き火に与ろうと
近寄ってきた老犬がそばに伏せれば腕を伸ばし、頬を緩く掴めば口を開かせ、並ぶ鋭い歯列に
欠損や抜け落ちた所がないか、診てやったりした

オーベ > 「山鳥の…骨…か?見てない所で何してるんだか…」

歯間に小さく挟まった白い骨片を摘むと引き抜いてやる
どの部分かまでは判らないけれど、それは確かに骨であった
申し訳なさそうに喉を鳴らす老犬をこんにゃろ、と冬毛に変わったもっさりとした毛並みを
一頻り撫で回してから開放してやれば、再び伏せる老犬の脇でバッと身体を倒して
鬱蒼とした森にポッカリと開いた空を見上げる

「寒くなる前にまた、色々と買い溜めておかないと…」

食料やら日用品やら、寒くなれば王都や近隣の集落まで足を伸ばすのが億劫になる
その前に出来るだけ準備はしておきたい…懐は色々あって暖かいが長引く戦乱に値の上がる日用品を
買い集めるのは面倒なことである