2016/10/27 のログ
■キルド・ニッヒド > 消えた。
消えたなら静かに下を見て少女を見た。
その表情はさっきまでとは打って変わり、無表情。
頭の中には、数十パターンの殺し方の思考と分析と――
一切の、感情を殺した計算だけがそこにあった。
その、姿は少女にどう見えたことだろう
「……たぶん」
■イルゥ > イルゥは、悟っていた。
考えている。
この少年は、殺し方を考えている。感情のない瞳が、それを物語っている。
竜の姿を前にしても、臆するようなことなく、この自分を殺す算段を頭に浮かべている。
一つや二つではない。無邪気な口調など表面上のものでしかない。
彼の奥に潜むモノは――
イルゥは、ぞくり、と自分の小さな身体が震えるのを感じた。
彼女の身体を走ったそれは、恐怖ではない。興奮だった。
それも、性的な色を多分に含んだ、それだった。
彼女の震えは見てとれたとしても、その胸の内を知る者はこの場に無いであろうが、
もし彼女の心を覗き見ることが出来る者が居たら、歪んでいる、と揶揄したかもしれない。
「そう、それなら良かった。
竜を殺したいという貴方に、今、私から提示出来るのはこれくらいかしらねぇ……。
どう、少しは参考になったかしら?」
深呼吸を数度すれば、既に落ち着いたようで。
優雅な笑みを浮かべながら、イルゥはキルドに対して問いかけるのだった。
■キルド・ニッヒド >
「あ、はい! ありがとうございますっ。えへへ、たすかりました」
声をかけられれば、思考が遮断される。
参考には確かになった。目の前の龍ならばまだ”思考”はできる
だが――
「――じっさいにころすのは、げんじつみがない、か」
ひとりではやはり、難しい。
それが結論。
「――つかれてるみたいだから、またこんどそうだんのってもらってもいいですか?」
さっきのは膨大ななにかを使ったのはわかる。
まぁ、龍にとっては些細かもしれないが……
しかしまだまだ、情報が足りない。
だから、そう声をかけて――
■イルゥ > 「どういたしまして? お礼がしたかったら、今度また、うちのお店に食べに来てね」
ふふ、と控えめにウィンク。
料理には自信があるのだ、とイルゥは言う。
「えぇ、そうさせて貰おうかしら。
今回は貴方の度胸も分かったことだし。
今後は、もう少し真面目に協力させて貰おうかしら。
その為にもまた、貴方から色々話を聞かないといけないけれど……ね?」
そう言って、イルゥはくるり、とキルドへと背を向けた。
「竜、殺せるといいわね」
地平線の向こうまで、少しも波の立っていない平坦な海を思わせるような、
どこまでも穏やかな声色で、イルゥは最後にそう言い残して、森を去っていくのであった。
■キルド・ニッヒド >
お礼と言われて、そのウィンクに寒気のようなものを少し覚えたのは秘密だ
「……うんっ」
その言葉に深くうなずいて――
まだ、計画の段階。実行は――
「……いろいろってなにをきかれるんだろう?」
つぶやきは森の葉音で消えていく
ご案内:「ドラゴンズネスト近辺の森」からキルド・ニッヒドさんが去りました。
ご案内:「ドラゴンズネスト近辺の森」からイルゥさんが去りました。